最近、良き作品になかなかお目にかかれないと感じているのが杉本健吉と藤井達吉の作品です。収納スペースが無くなってきたので、作品を整理していたら久方ぶりに藤井達吉の作品を見つけましたので、「リバイバル」作品として投稿します。
リバイバルというのは、実はこの作品は過去(2011年7月)に投稿しており、本日は改めて投稿させていただきます。
以下はその時の原稿のままです。
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最初に藤井達吉の本作品を写真で拝見した時には、欲しいとは思いませんでした。しかし、じっくり見ていると実に惹きこまれていく作品です。
実物を見たなら・・、もうこれは見事な作品でした。入手した後は猛暑でありながら、寝ている布団の足もとに飾って楽しんでいます。
陽が昇ってきた様子をまるで金色に雲、波が染まっていく荘厳さを独特の色遣いで表現されています。
リバイバル 出現 藤井達吉筆
和紙着色軸装 軸先木製 共箱
全体サイズ:縦1940*横730 画サイズ:縦890*横550
色遣いはとても大胆です。決して本紙が痛んでいるわけではありません。
金色の使い方に賛否があるでしょうが・・。
題名は出?現・・、 普通は旭日図ではないかと思いますが・・。
「出現」を辞書で調べると「天体が、他の天体による食(しょく)または掩蔽(えんぺい)状態から、再び見えてくること。出離。」とありますから、このような題にしたのでしょう。
蓋の裏側に下記の写真左のように記されています。下記の右の写真は後述の「旭日図」の共箱です。
本作品自体には落款と印章はなく、このようなことは藤井達吉の作品にはよくあることですが、共箱には「無風子」の落款と「達」の印章が押印されています。藤井達吉の作品は共箱でないことも多いので、共箱というのは貴重と思われます。
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あらためて鑑賞すると藤井達吉のこのような書き込みの多い作品は珍しいと思います。
巻いた時の折れが少しありますが、まだ改装するほどでもないようです。
また同様な作品が思文閣の「和の美」第443 号(作品番号NO78)に掲載されています。
おそらく本作品と同時に描かれた作品ではないかと思います。
この作品の説明には下記のように記されています。
下記の作品のお値段は85万円・・・。
なお藤井達吉は表装も自分で考案しているようで、軸先の自ら焼成した陶器を使用したり、また表具材から紐に至るまでこだわりがあります。この点も藤井達吉の作品の鑑賞のポイントとなりますね。
しかしながら、新年、元旦の清々しい朝に迎える初日の出を拝む神々しい心持ちになっていました。
新たなる思い、気持ちの切り替え、再スタート、後ろ向きでなく前を!って気持ちになりますね。
心の中で、思わず合掌!
陽に染まっていくに従い、世のすべてが生を得ていく。苦しみも悲しみもそして喜びもすべてを飲み込んでいく神々しさ・・。