昨年、近代国立美術館にて6月から7月にかけて「吉川霊華展 近代に生まれた線の探求者」が催されました。その画家の作品です。
この人の作品は二作品目の投稿ですが、一作品目は工芸品であると断定しております。
工芸品の良く出来た作品を表具を仕立てて肉筆のようにしている作品が横行しており、素人では印刷か肉筆かが判断できないくらいよく出来ています。
日々勉学?でして、よいことも悪いことも骨董品からは学ばされます。
(仮称)羅漢図 吉川霊華筆
紙本水墨 軸先鹿角(片側小口塞欠損) 合箱
全体サイズ:縦1190*横500 画サイズ:縦240*横360
「辛亥春日入洛之時写す 霊華 印(「準」の朱文白方印)とあり、明治44年(1911年)の作品で吉川霊華が36歳の時のであり、この年は京都の方廣寺天井画作成のために、五月下旬まで京都に滞在していた。4月に初期の代表作品である「神龍」の大作が完成している。
本作品は中央部分で折られがような跡があり、画帳からの表具に仕立てた作品ではないかと推察されます。
いずれにしても入手したばかりでよく検証していません。画題もまた仮称として「羅漢図」としています。
吉川霊華の作品はなかなか市場に出回ることもなく、印章の確認などまだまだ不勉強なところがあることを承知での投稿であることをご容赦願います。