祭日二日目の土曜日。夜は幾つかの放送を摘み食いした。一番興味があったのは、ライプチッヒのゲヴァントハウスで1988年にマズーアの指揮で行われた「ナクソス島のアリアドネ」のコンサート中継録音である。初めて聞く音源で、公演のこともあまり知らなかった。
部分だけを聴いたが、先ずはジェシー・ノーマンの歌を聴いて、恐らく当時が頂点で、その後ザルツブルクで聴いた1990年代にはもうその輝きは無かった。なるほど声が楽に自然に出ていたので評判になっていた筈だ。もう一人のエディタ・グルベローヴァもツェリビネッタとしては最終時期になるのかもしれないが巧さもあり、最盛期と変わらぬ聴きものになっていた。
ユリヴァラディ、フィッシャーディスカウ夫婦も出ていて、東ドイツとしてはとても華やかな演奏会だったことが知れる。ライプチッヒの人は壁が開く前からこうしたものを経験しているのだから、その後もやはり意識が田舎者とは大分異なるのは納得である。
それにしてもこれだけの面々を集めながらのクルト・マズーアの指揮は残念極まりない。あのブロムシュテットが楽団を引き受けた時は酷かったと言っていたが、久しぶりに聴いて来日公演の生中継なども思い出した。ゲヴァントハウスに来るまではハレやエアフルトなどでも振っていたようだが、如何にも田舎の歌劇場指揮者という感じだ。
壁が開いてから大統領候補に推す声もあった。東ドイツで民主化への声を上げていたからのようだが、あの実力であれだけのキャリアーにのし上がったのは政治力があったという事なのだろう。今年になってから彼のセミナーに参加したアクサーナ・リニヴの侮辱への悪評などを聴くと、大統領にならないで良かったと思うしかない。連邦共和国の恥になるところだった。それにしてもニューヨークのフィルハーモニカ―も政治的な人事しかしないのだろうか。
次の摘みは、フランスからパリで録音された「ラインの黄金」の巨人族の場面を聴いたが、予想通り汚い音を出していた。同地の座付楽団の程度は分かっているが、ジョルダンが振ると汚さ満開だ。インタヴューでの発言内容には甚く感心したのだがアンサムブルオペラをパリで完成させていたとは到底思えない。まだ年末に続くのでちょこちょこ覗いてみようと思う。
急いでヴィーンからの放送でピノックの指揮する昨年のジュネーヴでの「メサイア」を聴いた。音響的にも素晴らしかったので最初に戻って録音して最後が切れた。それでもフライブルクのバロック楽団の演奏としても出色の出来だと思った。指揮者のトレヴァー・ピノックは最近比較的話題になっていて、何故かと思っていたのでなるほどと合点した。
日曜日の晩に放送される楽劇「トリスタン」の演奏会中継録音の日付を確認した。2016年3月31日は、バーデンバーデンでの復活祭の本舞台公演四回後で、ベルリンでの初日だった様だ。その資料を調べる為に探した。そこで気が付いた。2020年はコロナでキャンセルが続いてその前のものも含めて整理する心理的な余裕もなかったが、中止になったものも含めてアーカイヴ化しておかないといけないと思った。
特に復活祭は、バーデンバーデンに移ってから最初から出かけているので、サイモン・ラトルからズビン・メータを挿んでキリル・ペトレンコへと変わっても、また祝祭劇場の支配人が変わっても記録としては重要なものだと気が付いた。
ルツェルンにおいても幻の滞在だけでなくて、座る筈だった座席やその他の資料なども今後の参考になる。暮れの大掃除代わりに時間を作りたい。
クリスマス前に購入した砂糖が掛かっている物が予想以上に良かった。固くならないだろうことは予想通りだったが、日時が経っても可成り美味い。今迄も買ったことはあるのだが、数日楽しめるとなると安上りで、来年のクリスマスにも欠かせなくなりそうだ。
参照:
クリスマスイヴの夢 2020-12-26 | 音
歯を食いしばって耐える 2020-11-21 | 女
部分だけを聴いたが、先ずはジェシー・ノーマンの歌を聴いて、恐らく当時が頂点で、その後ザルツブルクで聴いた1990年代にはもうその輝きは無かった。なるほど声が楽に自然に出ていたので評判になっていた筈だ。もう一人のエディタ・グルベローヴァもツェリビネッタとしては最終時期になるのかもしれないが巧さもあり、最盛期と変わらぬ聴きものになっていた。
ユリヴァラディ、フィッシャーディスカウ夫婦も出ていて、東ドイツとしてはとても華やかな演奏会だったことが知れる。ライプチッヒの人は壁が開く前からこうしたものを経験しているのだから、その後もやはり意識が田舎者とは大分異なるのは納得である。
それにしてもこれだけの面々を集めながらのクルト・マズーアの指揮は残念極まりない。あのブロムシュテットが楽団を引き受けた時は酷かったと言っていたが、久しぶりに聴いて来日公演の生中継なども思い出した。ゲヴァントハウスに来るまではハレやエアフルトなどでも振っていたようだが、如何にも田舎の歌劇場指揮者という感じだ。
壁が開いてから大統領候補に推す声もあった。東ドイツで民主化への声を上げていたからのようだが、あの実力であれだけのキャリアーにのし上がったのは政治力があったという事なのだろう。今年になってから彼のセミナーに参加したアクサーナ・リニヴの侮辱への悪評などを聴くと、大統領にならないで良かったと思うしかない。連邦共和国の恥になるところだった。それにしてもニューヨークのフィルハーモニカ―も政治的な人事しかしないのだろうか。
次の摘みは、フランスからパリで録音された「ラインの黄金」の巨人族の場面を聴いたが、予想通り汚い音を出していた。同地の座付楽団の程度は分かっているが、ジョルダンが振ると汚さ満開だ。インタヴューでの発言内容には甚く感心したのだがアンサムブルオペラをパリで完成させていたとは到底思えない。まだ年末に続くのでちょこちょこ覗いてみようと思う。
急いでヴィーンからの放送でピノックの指揮する昨年のジュネーヴでの「メサイア」を聴いた。音響的にも素晴らしかったので最初に戻って録音して最後が切れた。それでもフライブルクのバロック楽団の演奏としても出色の出来だと思った。指揮者のトレヴァー・ピノックは最近比較的話題になっていて、何故かと思っていたのでなるほどと合点した。
日曜日の晩に放送される楽劇「トリスタン」の演奏会中継録音の日付を確認した。2016年3月31日は、バーデンバーデンでの復活祭の本舞台公演四回後で、ベルリンでの初日だった様だ。その資料を調べる為に探した。そこで気が付いた。2020年はコロナでキャンセルが続いてその前のものも含めて整理する心理的な余裕もなかったが、中止になったものも含めてアーカイヴ化しておかないといけないと思った。
特に復活祭は、バーデンバーデンに移ってから最初から出かけているので、サイモン・ラトルからズビン・メータを挿んでキリル・ペトレンコへと変わっても、また祝祭劇場の支配人が変わっても記録としては重要なものだと気が付いた。
ルツェルンにおいても幻の滞在だけでなくて、座る筈だった座席やその他の資料なども今後の参考になる。暮れの大掃除代わりに時間を作りたい。
クリスマス前に購入した砂糖が掛かっている物が予想以上に良かった。固くならないだろうことは予想通りだったが、日時が経っても可成り美味い。今迄も買ったことはあるのだが、数日楽しめるとなると安上りで、来年のクリスマスにも欠かせなくなりそうだ。
参照:
クリスマスイヴの夢 2020-12-26 | 音
歯を食いしばって耐える 2020-11-21 | 女