Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

へったくれも何もなく

2020-12-03 | 雑感
ミュンヘンからの新制作「ファルスタッフ」初日中継を観た。演出の少なくとも人の動かし方は良かったと思う。芝居のマテヤ・コルシェニックの初めてのオペラ演出となったが、予想通り人と人との緊張関係などがとても分かる舞台になっている。コロナ対策だけでなくて前を向けて歌わせていても少しの動作でその関係を説明する振り付けは玄人の仕事だと思う。

復活祭の「フィデリオ」はさぞかし立派な舞台になっていただろうと思うと改めて胸が痛む。この「ファルスタッフ」もペトレンコ指揮で6月に上演された筈だった。いまでもそのティケットは払い戻さずに金券としてある。今回の指揮者のマリオッティ―はこの手の専門家としてよいかなと何時か西ベルリンのドイツェオパーで体験したロペスコボス指揮と比較していた。ダイナミックで良く鳴らすことでは当時の彼の地の楽団よりも良いと思っていたが、徐々にアンサムブルやら合わせ方を聴いていると物足りなくなった。交響的に鳴らすのはケントナガノなどにもあるが、あちらは流石にもっと巧い。そして壁を取っ払った無人の会場での反響聴いていると喧しくて下手だと感じるようになった。まさしく二流のオペラ指揮者である。そうなると音楽が何もかも不味くなり、演出も観ていられない。折角ご本人からいいねを貰ったのだが考えてしまう。

私が二流のオペラ劇場なんて行かないのは、二流の指揮者のオペラなんて興味が無いのはその為で、音楽が語らない音楽劇場なんて演出も歌手もへったくれも何もなく、ただ退屈な時間潰しでしか無いからだ。

来年のルツェルン音楽祭の予約をして直ぐに宿を手配しておいた。今年初めて宿泊しようと思っていたアパートメントホテルが開いていた。そして価格は一泊少ないためか一日当たり若干高くなっていたが、100フランケン掛からない。評価は9.1で好評判である。そしてなんと今年は22平米ほそしかなかった部屋が50平米と家族向きになっている。週の間でお得だったのかもしれない。

こうなるとキッチンが出来るというよりもダイニングキッチンと寝室となる。短い滞在では悪いような気さえするが、連日音楽会に通うとなると室内で憩うのも重要だ。そして最終日にはもう一泊することにした。

特に高価なスイスなどの音楽会で困るのは所謂夕食難民になり易いことで、ここならば冷蔵庫にしっかりと素材を入れておけば心配はいらない。こちらからも結構持って行ける。会場のkklからは20分ほど車で掛かるかもしれないが草原の真ん中で夏でも気持ちが良い筈だ。

今夏は突然二十年ぶりぐらいにザルツブルクに出かけたが、今年のような状況でもやはりあの周辺は通常の旅行者が多くてざわざわしている。その点ルツェルンは街の中はざわついているかもしれないがあまりマスツ-リスムの対象でない郊外は静かである。



参照:
「超一流を聴け」の真 2019-12-07 | 暦
トウモロコシはまだか 2020-08-08 | 生活
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする