Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

健康にでなくても経済的に

2021-07-21 | 生活
新たなマスクが届いた。音楽会用のものである。以前使ったKN95と同型でFFP2となっている。少なくとも顔への密着はよく、なによりも小振り感がいい。しかし密着性が良い分息に合わせて鰓のようにポコポコする。抵抗感はあるのだが、鼻頭へと比較的絞られているので、ぐずぐずしないで良さそうだ。

今ここは重要な時期なので早速買い物に使ってみた。驚いたのは紐を外しても顔にくっついていたことで、如何に気密性が強いか。透過量は充分にあるので息苦しくはないのだが、暫くすると暑くなって、早く外へ出たい気持ちになった。汗を掻いた。バイエルン州の場合はサージカルマスクでは会場に座ってられないので、そこが一番厳しい。但し鼻に当たってしっくりしないというようなことが無くて、汗を掻かないようにしていれば悪くはないと思った。

週末に出かける前に洗濯屋に行き、現金も下ろしてきた。あとは燃料を安い時に満タンにするだけである。八百屋でラーディシュを買おうとしたら葉っぱが痛んで摘んだのがあるというのでただで貰って来た。こちらもピクニックに車中で齧るように欲しかったので、新鮮ならばそれで良い。しっかり洗い落として冷蔵庫に入れておく。

土曜日に開催されたザルツブルク音楽祭の「イェーダーマン」上演から陽性者が出た。何処で感染したかは分からないが、接種を終えている人なのでテストをせずにオープンエアーで観ていた人である。翌日に陽性が発覚、44人が接触者としてピックアップされて、自己隔離となる。

音楽祭は、これを受けてFFPマスク装着を義務付けた。それ以前は必要なかったということで、ソーシャルディスタンシングもされていなかった。そして100%の入場としていたので、結果44人にも影響が出た。一体何メートル圏内の人に嫌疑が掛かったのだろう ― 報道によると二メートル圏内らしい。だから100%入れていることが誤りだと証明された。

当局が周りの数人だけを問題にするならばそれで構わない。しかし今回の状況で分かったのはテストと接種と快復証明で感染者がいないと断言しているのが誤りであることだ。接種すればたとえ感染しても重病化しないこととは関係が無く、感染を広げるかかどうかが問題なのである。接種済みであってもスパースレッダ―になったという例も報告されている。そして当局はその可能性をも否定していない。健康にではなくても経済的に大きな被害が生じるからだ。

半分はドイツからやって来ている観光者で、その人達は数日間次のPCR検査で陰性となるまでどこにも行けず、ホテル代も嵩む。そうした経済被害を大きくしているのは音楽祭がより純益をあげようとしたからで、聴衆の安全を考えているなんて嘘八百なのだ。

6月末には入場を半数に抑えて、休憩無しのプログラムしか提供しなかったルツェルンの音楽祭がその真価を示したと言っても良い。あれだけ金の亡者の国が、メインスポンサーのロッシュのテストも使うことなく開くやり方に、科学があるとしか言えないのだ。オペラは休憩無しでは済まないが、ザルツブルクは東京オリムピックの様にサドンデスになるだろうか。バイロイト音楽祭は音楽のイシュグルになって終焉すると思う。



参照:
欲しい衣装合わせの時間 2021-07-16 | 文化一般
ミュンヘンで決起する覚悟 2021-06-08 | 文化一般
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