Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

クレーンゲームのど飴

2022-09-12 | 文化一般
ルツェルン音楽祭名物のリコラの摑み取りである。何時頃から始めたのかは記憶がないが、新会場になってからはいつもあったような気がする。毎年通うようになったのはここ四年ほどの事で、その前は2013年が初めての訪問。旧会場では、アバド指揮のベルリナーフィルハーモニカーとサロネン指揮ロスフィル、ガルティーニ指揮などを聴いた記憶があるのだが、今の様に通うことはなかった。

こちらの気のせいでなく、ルツェルンの会場kklの係員やら全ての雰囲気はコロナ期を過ぎて変わってきた印象がある。あり得るのは、パワハラ騒動で支配人のヘフリガーなどへの批判もあって、よりそうしたマネージメントの在り方がソフトになってきた印象はある。

同時に大スポンサーの威光は以前よりも感じるようになった。全体としては、ズルヒャー保険やロッシュ、クレディスイス、キューネなどがあるが、ベルリナーフィルハーモニカーの初日ではズルヒャーが前面に出ていて、客層は全く悪くはなかった。

今年はまだ海外からの訪問客は少ないとされていたのだが、二日目の隣はオーストラリア人、クリーヴランド管弦楽団ではアメリカ人で、後者は関係者の可能性があったのだが、服装などからしてもチューリッヒ在住などではなさそうだった。

しかし、なぜかルツェルン音楽祭は「観光客が多い」とか書かれていることが多いのだが、ザルツブルクの感じよりもそもそも観光客が少ない。盛時はなるほどと思うが、ルツェルンはザルツブルクと違って大都市圏に近い。だから、ザルツブルク音楽祭の様にミュンヘンとヴィーンからの訪問者が分け合うような位置にはない。相違があるとすればオペラ公演のザルツブルクよりも駅前会場のルツェルンの方が入り易いのかもしれない。しかし、決して入場券は安くはないので、それほど観光序に会場に入っている人が目立った覚えはないのである。

コロナ期間に双方ともに出かけたので、地元常連さんの人数とか雰囲気は大体見当が付いた。来年からは完全に例年通りに戻るのだろうが、核の客層を知れた価値はあった。

本年は、小定期会員が当て嵌まらなかったので一般発売で入券した。座席クラスは不要な券を購入する必要がなくなったのでコロナ以前同様の座席クラスを維持を目した。一般発売では二枚とも同じ座席とはならないので、それなりに二種類のプログラムを違う階で聴いた。結論からすると、同じ価格帯なのでその差は視覚には大きくとも音響的にはそれ程の差はなかった。来年以降もどのように選択するかは決定的ではないのだが、その特徴は三日目の余り券を購入した最上階とも含めて似通ったもので、その音響の差は視覚程にはない。

但し一つだけはっきりしたのは、ベルリンでの開幕からザルツブルクを回ってルツェルンへと廻ってくる過程は今後も変わらず、その本拠地での批評や聴衆の質が著しく低下しているようで、その会場の音響と批評そして聴衆の質を含めて、今後益々ルツェルンが本番になってくることは明らかになってきた。そして恐らく同様に11月の海外ツアーへの壮行演奏会でのフランクフルトと、復活祭のバーデンバーデン同様に毎年の重要な公演地となりそうであり、幸いそれら三カ所をまわることが比較的容易なことを嬉しく思う。



参照:
先を見通す下調べ 2021-03-06 | 雑感
聴認識の限界を試す 2022-09-05 | 音
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