神々の山嶺エヴェレスト、夢枕獏著、マンガ原作は谷口ジロー
フランス人監督、パトリック・インバート
プロデューサー、シャルル・オストレロその他
今年一番の最高今年最高映画との評判です。
背景のヒマラヤの映像は実写じゃないかと思う。
人物などはアニメなので、実写と絵をうまく合成しているんじゃないか。
夢枕獏さんの原作・神々の山嶺は3年ほど前に読んだところだった。
書物ではなかなか伝わらないところが、映像では1発で感覚で理解できるので、原作よりもこのアニメ映画のこの方が、すっとわかりやすく感情移入できます。
日曜日の11:00上映開始の回は半分ぐらい埋まっていた。
観客は年齢層や男女比率は満遍なくって感じかな。
ストーリーは伝説の登山家の羽生丈二を記者の深町誠が追って、エベレスト登山まで同行していくという話。
その前振りで羽生丈二がどんな登山家なのかと、日本国内やアイガー、グランドジョラス、マッタホルンなどの北壁単独登頂などのエピソードで紹介していく。
羽生丈二の語りで一番強烈に頭に残ったのは、「ザイルパーティーで壁面でアクシデントがあったら、ひとりで手の打ちどころがなかったら、ザイルパートナーとのザイルを自分の手で切る」といった件です。2人とも死ぬより死ぬのは1人の方がいいだろうという合理的な考えだ。前人未到のルートや季節条件での登頂を目指していたら、自然相手なのでどれほどの準備でも叶わないことがあると知って(悟って)いるのだ。
この映画や原作のストーリーは、主人公は登山家の羽生と記者の深町ですが、実在した登山家マロリーが所持していたコダックカメラが重要な意味を持っている。
マロリーが1920年代にエヴェレストに登頂したあと遭難したのか、あるいは登頂できなかったのか、カメラに残っていたフイルムを現像したら真実がわかるだろう、、、と。
話が進むに従い、羽生がカメラを持っていたが、真実など登頂に成功したかどうかなんて、どーでもいいことなんだよーと羽生に語らせていた。
エヴェレストの未踏ルートにチャレンジすることだけが意義があるんだ、と言わせている。
フランスで夢枕獏原作・谷口ジローさんのマンガ「神々の山嶺」が大ヒットし、フランス人は冒険好きなので、ぜひ映画化したいと谷口ジローさんにプロデューサのシャルル・オストレロが走り回った。
フランス人は冒険大好きな国民なのだ。
自動車レースのパリ・ダカールもフランス人の発案だったし、ルマンで有名な24時間レースもしかり。
私が若かった頃、20代前半の頃にフランスのシャモニーに入り浸っていたことがあった。
そこからモンブランを超えてイタリア側に行ったり、スイス側に行ったりしてヨーロッパアルプスを堪能していた。
アルプス山嶺の本屋には、それと登山用品店には日本人の白川義員さんの写真集「アルプス」がデーンと飾ってあって、日本人の私はそれを見ると誇らしげな気持ちになりました。
もーーー負うものが大きくなったので危険なことはやりませんが、たまにトレイルランニングで国内の山々を走り回っています。
ロッククライミングしたり、ピッケル・アイゼンを使うようなところは行かないと言うことです。
昔々、なにかの講演で「遭難とは、自分の足で下山できなかったこと」と定義する、、なんて堅苦しいことを聞いた。
確かに、人に担がれて、ヘリコプターで吊り上げられて、スキーのソリに乗せられて下山したら、そりゃ遭難だわな。
でもでも、雪道(ルート)を駆け下るのは爽快ですね!
素晴らしい映画です。
フランス帰りの「神々の山嶺エヴェレスト」をぜひご覧ください。
いや凱旋帰国と宣伝してあった。