NIKKOREX F
つちのこカメラ25
NIKON FやNIKON S3、S4、SPなど高価なカメラばかりを造っていたNIKONの普及型の一眼レフ。Fと同じようなセレン露出計がペンタプリズムの前に付けられました。
このニコレックス Fは昭和37年(1962年)に発売だから、47年前ということ、、、。
他の機種と違って、ニコレックスはカメラバックもファインダーも固定式。製造はマミヤで、どことなく当時のマミヤ・ブランドの一眼レフに似ている。
シャッターが縦走りのコパル製。
![090530n1 090530n1](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/86/c344036491eaf3f229dc254b6c5361c3.jpg)
ペンタプリズムのあたりなどは、以後のニコマートにも似ています。上部の梨地の割合が多いのがマミヤぽいところ。
ミラー・ショックは大き目です。
巻き上げ感もざらっとした感じ。
シャッター軸をまわすと、ガーバナーを引きずるような感触があります。
そのアタリに時代感がたっぷり。
ニコレックスFとニコンFを比べたらレンズが同じだけで機械的な精度、感触、などは大違い。これの後継機種のニコマートになると、ぐっと作りが良くなった。ニコンの設計が入ったのだろう。ニコレックスFはマミヤ光機の設計でしょう。ちょっと無骨すぎる。これ以前のニコレックス35も同じでマミヤの設計でしょう。関東カメラサービスへ整備を頼んだら、むげに断られた。頼みに頼んでようやく修理を引き受けてもらった。「こんな出来の悪いカメラを、私どもは修理したくありません。修理に値しないカメラですよ、、、これは」と取りつく島もないような言い方だった。確かにシャッター&ミラーショックはニコンFの数倍ある。ごりごりした巻き上げは工作精度の悪さを感じるし、内部機構がやっつけ仕事。マミヤらしいと言えばそれまでですが、マミヤC330など大きめのカメラを作っている限りでは失敗はないけど、一眼レフのような複雑で小さな機械は当時のマミヤには荷が重かったのだろう。次世代のニコマート・シリーズもマミヤ製だと聞いたことがあったがどうなのだろう?設計はニコンだと思いますが、、、。
このアングルから見ても、ニコレックスは後のニコマートに全体の感じが似ています。
レンズは昭和37年のものですが、現在のニコンのデジタル一眼レフにつけても使えます。これは、、、すごいことです。
50mmF2ですが、一枚目のレンズ表面の曲率はかなり平面です。
◎十年前にニコンを使い出してから、今まで50mmF2のレンズは使ったことがありません。
どんな描写をするんでしょう?
![090530n4 090530n4](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/2f/a4462f053df7fcf0530aff84022e07a6.jpg)
ボデー形状はあちこちに絞られていて、けっこう複雑なプレス。
![090530n5 090530n5](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/12/024e8ad19c3658269266f8eb053b4fb6.jpg)
内部機構はFとはずいぶん違うのでは。
ミラーショックは大きい。
各部の操作感はざらついた感じで、後のニコマート・シリーズとは大違い。時代なんでしょうか。
レンズマウント左にあるポッちが手動絞込み。
レンズ取り外しボタンは、右下マウント部にある小さなもの。他のFマウントカメラとは位置が違います。
シンクロ接点はM&X。
全体はシンプルなつくりですが、単純な直線じゃない。
![090530n7 090530n7](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/2f/b500c7b298738bd20adf015dfb5f4830.jpg)
小刻み巻上げはできない。
シャッター表示がやや小さめ。
あまり人間工学が考えられなかった頃の製品です。
![090530n8 090530n8](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/71/7a21c107f19a631036fbd97e93f67d6e.jpg)
ニコレックス Fは昭和37年(1962年)発売。
前年にキャノネットが発売されているが、そちらは洗練されたカメラだった。大きいのはどちらも一緒ですが、キャノネットは今でも普通に使えるすごさがある。
![090530n9 090530n9](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/fe/caac665d094753ba84c93ed2fd6ad25e.jpg)
定評があった50mmF2、いつかデジカメにつけて撮影してみよう。
右下のポッちを押し込むとレンズが外れます。
![090530n10 090530n10](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/17/fecbc238cf56db50eba410d24681173f.jpg)
変わった位置にアクセサリーシューがある。
ここに露出計をつける。F用と同じようなセレンだった。
![090530n11 090530n11](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/22/96a6e807ac935d0402c55ac2d3a51c33.jpg)
梨地などはキレイなつくりです。エッジの立て方もノウハウがあるのかも。
![090530n12 090530n12](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/4d/9020dcce08f59e13c16501c0d066ce1f.jpg)
Copal Squareシャッター
なんと2枚羽根みたい。
これが縦走りしゃったーの原型なんですね。
![090530n13 090530n13](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/36/1886230bb956b429e7465b0f9ccd7f8c.jpg)
ボディーのあちこちが面取りされていて、意外に複雑な形です。
![090530n14 090530n14](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/4a/03e8afebffe19e58899c8d5df1c0b8dd.jpg)
50年前の元箱付セットです。
私はこのカメラが生まれた頃には、ペトリ・ペンタV2を使っていました。ニコンは高値の花だったんです。ペンタックスにも手が届きませんでした。
ペトリは一眼レフでも2万円を切って売っていた。V2からV6になってからはポピュラーになったけど、残念ながらその後すぐに市場から撤退。
この当時は、報道は圧倒的にニコン。プロの世界でもニコンの独壇場でした。
プロの中には軽量コンパクトなペンタックスを愛用していた方がちらほら。あとトプコンが日本製ばなれしたデザインで、先進性もあったし頑張っていました。ミノルタも緑のロッコールで頑張っていました。
キャノンが一眼レフに目覚めるのは、それから5年ぐらいしてから。むろんキャノンのFX、FTなど良いものはあったんですが、、、。
この時代Nikonの普及型のモデルはマミヤで作っていた。今で言うOEMですね。
NIKKORーS Auto f=5cmのテスト記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20110723
マクロ60mm、55mm、50mm1,4のテスト記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20110710
Nikon F MDの記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080224
Nikon F3p MDの記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080919
Nikon FM ポラボディーの記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20070804
Nikon FE2 の記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080510
Nikkorex 35の記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20060223