夏なんでアルプスですね~~~梅雨開け直後が天候が安定している!
金曜日の夜に東京をでて、夜叉神峠の駐車場にpm11:00着。
予定は南アルプスの、夜叉神峠から鳳凰三山(2840m)を抜け、高嶺(2770m)、アサヨ(2799m)、栗沢山(2714m)、甲斐駒ヶ岳(2967m)を1日でトレラン縦走して北沢峠におり、広河原まで林道走りだった。
予定では10時間ぐらいかなと思っていた。高尾山から陣馬山往復が28kmで4時間なので、35kmだったら山のハードさを加味して10時間とみた。しかし実際はもっとキツかった。岩場が多く道悪なのと標高差が大きかった。
スタートは午前3時、真っ暗な中をヘッドランプと手持ちの自転車用ランプでスタート。
自転車用ランプが便利でした。ヘッドランプは登山用で足元と前方全体を明るく、自転車用がスポットなので遠くを照らしルートミスをなくします。遠くを照らさないと方向を誤る事があります。なので、この自転車用の手持ちランプが、ルートファインティングに非常に有効だった。
私は夜叉神峠から鳳凰へは若いときから何度通ったかわからないほどですが、真っ暗になったら条件が違います。
南御室小屋は5時に通過。夜叉神峠からここまで2時間。
小屋どまりの人たちが、外に出て出発の準備をしている所だった。
山の朝は早い!
南御室につく直前までヘットランプは必要だった。東から太陽が顔をだし、森の中がだんだん明るくなるのは気持ちがよい。むろん気温も暑くなく寒くなく湿度も少ない。
真っ暗な森を駆け抜けていると、ヘッドランプに照らされた野生動物の2つの目玉があると、、、さすがにぎょっとします。もっとも動物の方が恐かったでしょう。
左上に奥秩父の山々がうっすらと霞のように見えました。八ヶ岳はここからは見えないけど、もっと高いのですくっとしていた。
前日の午後に雷雨があったら、次の日も同じような雲行きが考えられます。
山の天気は変わりやすく、いくら良くても午後は雲がわいてきます。
雲海に浮かぶのは2000mを越えた所。富士山ははるか上にあって別格です。
薬師岳は6時に通過。
登山者はみんな北岳方向を向いている。正面、雲海に浮かぶ富士山には気がついていないようだ、、、そんなものです。
薬師岳山頂(2770m)は広々としている。鳳凰三山や甲斐駒、対岸の奥秩父連山などは花崗岩で形成されていて、山頂が雪のように白く見えます。
登山パーティが多く、10人から20人のグループに出くわすと抜いたり通過がたいへん。登山者優先でこちとらトレイルランニングは控えめにしましょう。
何たって荷物が少なくて健常者なんで速いけど、まんがいち天候不順や怪我で遭難したら、無謀登山と言われます。裸同然の姿ですからーーー。
鳳凰三山のトレイルランニングの目玉が砂払岳から薬師、観音、地蔵までの白砂走りでしょう。
特にこの辺りの風景は素晴らしい。
思う存分雲上の2770mの楽園を楽しみたいです。
薬師岳の小屋が頂上から100m下にあり宿泊者で大人気です。そこの小屋泊まりだと居ながらにして御来光が拝めます。たぶん、朝日は富士山の後ろから出るんじゃないかな。
快適な鳳凰三山ルートから、いっぽ早川尾根に入ると途端に登山道が険しくなります。
あちこちの山を知っている私でも、若い頃、大学生だった時に早川尾根は1度縦走しただけです。
こんなに、ごつごつしたルートだったと記憶になかった。
鳳凰三山とつながっているので、もっと良かったと思っていた。
トレランとしては、鳳凰山まではいいけど、早川尾根はあまりお勧めじゃない。ローカルでヘンピな所が好きな人にはお勧めですが、、、。平均時速が鳳凰だったら登り5km~8km、下りは快適なので10km~15km。
早川尾根は登り下りとも平均スピードが2kmほど、、、。ガレ場に気を使い、岩場をすり抜け、這松を押し分けていったら時間はかかります。
これから向かう甲斐駒とアサヨ、高嶺をのぞむ。
ケッコウ遠いなー
甲斐駒は遠くて青白く見える。15kmぐらいあるかな。
予定より時間がかかったのは、鳳凰までの道と大違いの悪路だったこと。
早川尾根は他の山と比べても、だんぜん人が少ない。これと言った目立った山じゃないし、人に自慢できる標高でもないからだ。単に早川の上の尾根と呼ばれているだけ。実に地味です。
それでも、昔に比べて10倍以上登山者がいた。
大学生の時に縦走したときは、一日に2人しかあわなかったが、今は何十人にも会うし、どこか旅行会社の登山パーティさえ来ていた。北アルプスや南でも北岳や千丈を登った方が、毛色の違った山に行きたいとくるんだと思う。
ハイキングコースじゃない、キレイなお花畑があるわけじゃないし、、、。
写真は早川尾根に入ったばかり、高嶺の登り途中だと思います。
地蔵岳のオベリスクが遠くなりました。
大学の時、先輩が鳳凰三山に下駄で登り、地蔵岳のオベリスクもよじ上ったと聞きました。学生がバンカラだった時代です。今じゃバンカラという言葉さえ死語になりつつあるから、、、
甲斐駒から東を見ると鳳凰三山と富士山が冠って見えます。いかに富士山が高いか思い知らされるのです。
このくらいのガレ場は走れるが、大きな岩になると手を使わなきゃ危ない。足をくじく可能性があります。骨折したら最悪です、こんな高山でやったら戻れません。トレランでヘリコプター救助はごめんです~~~。
小さな石を見ると、この山の形成がわかるます。
褶曲が石の中に閉じ込められている。
崖などに褶曲が見える事はよくあるけど、転がっている石にも褶曲が存在するのが面白かった。
じみな南アルプスのじみな高山植物。
北岳や北アルプスの白馬あたりの「お花畑」とは大違い。
色がないじゃないの~~~。
日陰には古代植物の生き残りのシダが群生。
早川尾根は天候が悪かったら、私は絶対に行きません。何年か前に11月の事ですが、青木鉱泉から地蔵に登って早川尾根のトレランを計画したが、天候が悪くて夜叉神へ降りた事がありました。鳳凰山の尾根に出たら風が強くて砂礫がビシビシ顔に当たり痛くて目も開けていられないくらいだった。風が強くて真っすぐに歩けないくらいだった。高山で見晴らしの良い所は天候に左右されます。今思ってもルートチェンジして良かったと思った。早川尾根がこんな悪路だったとは知らなんだ、、、。
過酷な環境に生きる植物を尊敬します。
植物、昆虫は動物以上に環境に適応できる強さがあります。
甲斐駒を望む。
だいぶ近づいた。
休憩は決めていなかったが、一時間ごとに給水。
3時間ごとに大休し、おにぎりを食べる。
塩飴を給水のたびに口にほおばりミネラル補給をしました。
水は2Lのペットボトル2本でピッタリだった。一本はお茶、もう一本は水にスポーツドリンクの粉を入れたもの。交互に飲んで、脱水とミネラル不足にならないように注意。おにぎりは6個で大休止の時に食べる。エネルギー食は持参したが結局食べなかった。ちょっと余分がないと、安全策をとります。
防寒具は持っていなかったが、雨合羽のしっかりしたものとザックカバーを持っていった。あと磁石、ランプ2個、予備メガネ、タオルと帽子、携帯電話(使えなかった)、防水カメラ(オリンパス・タフ6000)。
カメラが何かに引っかかり、ぐいと引っ張ったらストラップが切れた。幾多の山行き、海に使ったカメラで丈夫さが取り柄です。カメラにシリコンゴムをかぶせているので、岩にあたってもダメージは少ない。オリンパスのタフシリーズは写りはともかく、名前どおりタフそのもの。
朝のうち、あれだけ晴れていたが、10時過ぎになると雲が上がってくる。
前日の天候をよく調べておくと良い。
雷雨は連日同じ時間に発生する事がある。
天気のぐあいは数日間は似たような経過をとることがあるのです。
稜線で雲がすぱっと切れるときは、まだ天候が悪化することはないけど、雲が稜線をなだらかに越えだしたら、要注意。一時間後には雨の可能性が大きい。
私はこの雲を見て、甲斐駒まで行くことをちょっと懸念しだしました。時間的にバス時刻が心配だし、前日に雷雨があったと聞いては、先を急がなきゃいけません。計画は計画で、無理をしないのがベテランです。会社経営も一緒ですね。やることをやったら果報を寝て待て、だけど柔軟に社会情勢に対応します。
高嶺からアサヨは遠かった、3時間ぐらいかかったのでは。
高嶺からダウンしてまた登り返すこと4回ぐらい。
なかなかアサヨの頂が見えなかった。
アサヨの頂上には登山者が10人ぐらいいた。
登山者はバーナー持参でコーヒーを飲んでいたり、ラーメンを食べていたり、それを目にするとぐっぐっとお腹が減ります。
ザックの中でペッシャンコになったコンビニおにぎりはわびしいものです。
それも3時間ごとに、コンビニおにぎりを2つづ食べたら、食傷ぎみでげっぷが出た。
それを,ぐっとこらえてお茶とスポーツドリンクで流し込みました。
4Lの水は少し余りましたが、緊急事態があった時に安心です。
正面が北岳、日本で第二の高峰です。この位置から見ると北岳は左回りにねじれています。相当な年月と力が働いて今の北岳の姿を作ったのでしょう。いわゆるフォサマグナです。鳳凰三山から見る北岳は横に平たい感じで、間の岳や農鳥岳と一緒にボリュウムを感じさせますが、一歩横に回るとソフトクリームのようにねじれていて山頂が尖っています。雲がかかっている頂上左が有名な岩壁バットレスです。
野呂川が大きく北岳を回り込んでいます。左下が広河原、目の良い人だと駐車しているバスが小さく見えます。野呂川の右手は広河原から10kmで北沢峠になりますが、野呂川自体は千丈岳との間の両叉に続きます。
両又にはひなびた山小屋があって、若い頃に泊まったものです。両叉から北岳に登ったときは、川を越え滝や岩をへつっていき、その日は誰にも会わなかった。壁をのぼっていき尾根に出たら、いきなり北岳の山小屋に出たと記憶している。そこで、大学クラブの先輩に出くわしたのも楽しかった思い出。
学生の頃、冬でも丹沢に入りびたり、山小屋の番人を頼まれたこともありました。あの頃がいちばん数多く山を歩き回っていた。
いまは、トレイルランニングというスピード登山です。
北沢峠は南アルプスで一番の登山基地。
千丈岳、甲斐駒岳、アサヨ嶺へピストン(往復)で登山できます。
幕営は仙水小屋のまわりに、それこそ100張りぐらいあった。キレイな水が豊富なのが南アルプスの特徴です。
サントリーの南アルプス天然水として有名な製品は、この山々の反対側から湧き出る聖水です!
栗沢の頭(2740m)で甲斐駒往復するか、北沢峠に急ぐか最終判断した。
甲斐駒経由でも16:00の広河原行きの最終バスには間に合うだろうが、その先に進めなかったら広河原で野宿もありえる。一本前のバスは13:00とこれまた早い時間です。考えたすえ下山することに。
ところが北沢峠に着いたのが13:10で、バスは時間通りに2台で出てしまったよ~~~
急いで下山したが望みのバス時間に間に合わなかった。
仕方なく、広河原まで林道をトレランするか、、、と走り出したところ、そのへんでゴロゴロ昼寝していたバスの運転手さんが、、、「広河原まで遠いよ、暑いよ~今日はお客さんが多いから、じきに臨時バスをだすべー、」とのたまうではないか。
広河原行きバス停。
北沢峠は分水嶺でこの写真側は微妙に広河原へ下っている。
反対側に戸台、伊那方面行きのバス乗り場があります。
峠の真ん中に公衆トイレがある。
南アルプススーパー林道は山を切り開いて通した道路なんで、環境的には問題がおお有りですが、登山者達には大人気です。
北沢峠バス停後ろにある長衛荘は南アルプスに似合わないほどお洒落な山小屋。
人気があるので予約しないと泊まれません。この辺りの山小屋はみな予約が必要です。予約なしで泊まれるのはわずかです。
お腹が減ったら、レストランでお食事ができます。
むかしの南だったら考えられないくらい便利。
北アルプスに慣れた人が、南アルプスに来たら、きっとビックリされるでしょう。「こんなに不便で古めかしいの!」って。
臨時バスはいつ出るかわからないので、テント近くで濡れた服を乾かしていた。
バッチリ着込んだ登山者の中で、Tシャツ一枚、半トレパンのランナー姿は寒くはないが浮いていた。
1時間以上待ったらバス待ち人数が増えたので出発!
30分で広河原に着きました。
でも、広河原から夜叉神、芦安、甲府方面行きの乗り換えバスがすでに10分前に出ていた。
なんと、、、連絡の悪い運行なのかと憤慨したら、、、乗り合いタクシーが手ぐすねを引いて待っていた。たぶんバスより運賃が高いのだろう。それは地元経済のためバスの連絡を悪くしてタクシーへ誘導なんだなぁ、、、。
しかたなく登山者同士で人数を勘定しながら乗り合いタクシーに頼みます。
ひとり1000円でした。
許される金額だったから、いいけど~~~。
ただ甲府行きはバスじゃないとだめ。乗り合いタクシーはそこまでは行ってくれません。
しかし、地元の連中の連携は良くできたもので、乗り合いタクシーは飛ばしていって、先に出発したバスを林道の途中で追い抜きました。すると、夜叉神あたりで甲府行きのバスに乗れるという算段。バスに乗り遅れた方は、タクシーで追いかければ、甲府行きバスに間に合う手はず。
う~~~ん上手いやり方だ。
バス会社とタクシー会社の見事な連携でした。
最後に有効だったランプの写真
右は登山用でポピュラーなPETZL、4つのLEDで明るく近場を照らします。
左が自転車用CATEYE、これは照射範囲がスゴく狭いが遠くを照らしてくれます。コンパクトでスポットが欲しいので非常に有効だった。
手前はできるだけ明るいPETZLで、遠くの進路を点滅CATEYEがちょうど良い。
コースタイム 大雑把に休憩も含んでいます。
駐車場 ~ 峠 30分
夜叉神峠 ~ 南御室小屋 1時間30分
南御室小屋 ~ 薬師岳 45分
薬師岳 ~ 観音岳 30分
観音岳 ~ 高嶺 1時間30分
高嶺 ~ アサヨ 3時間00分
アサヨ ~ 北沢峠 2時間00分
だいたい休憩を含んで11時間と言った所です。トレイルランイングで速い方だったら8時間ぐらいじゃないかな。今回は一度も走っていませんから、、、。
2013年08月03日 北沢峠から仙丈岳、間ノ岳、北岳トレイルランニング
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20130805
2012年08月12日 八ヶ岳の赤岳、横岳、硫黄岳を縦走トレラン
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20120812
2009年08月10日 はるかなる聖岳、、、赤石岳からトレラン
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20090810
2009年08月17日 甲斐駒ヶ岳、黒戸尾根トレイルランニング
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20090817
2009年08月02日 甲斐駒&千丈ヶ岳トレイルランニング
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20090802
2008年08月10日 鳳凰三山を南蛮連合のチカちゃんと http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080810
2008年07月21広河原から北岳、間ノ岳を越えて農鳥小屋までhttp://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080721