つちのこカメラ16②
Nikon F MD の追加記事です。使い方や機構を詳しく解説しました。
NikonFを語る記事は多いけど、FのMD付はあまり見かけません。プロカメラマンが実際に使っていたのはMDをつけていたから、これ抜きにはFの全貌は語れません。
モータードライブが珍しかったころです。
![110120n1 110120n1](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/03/4c9e18c26039222cecf0f44ebc13ef31.jpg)
Fの時代のカメラは角ばったものが多かった。その中でもFは特別にカクカクだった。
手にもつと指が痛くなるくらい角ばっていた。
MDのグリップに指が挟まって痛いぐらいだ。よく怪我しなかったものです。
![110120n2 110120n2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/64/2fe85db03ec2bea22e1fdaa751269f7a.jpg)
端正な姿ですが、MD付はメカニカルを前面に出していた。
ビスなど当たり前に表面に出ていた。
![110120n3 110120n3](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/0c/3e2ecb5041a15857e2024a6cd68ddd49.jpg)
上がFの本体で、真ん中下のパーツがMD本体。下にあるグリップと一体なのだが、その部分は単三電池のケースです。
直結バッテリーケースと言っていた。
バッテリー別体ケースも確か製品としてあった。 ただ別体ケースはコードでカメラ本体を結ばなきゃいけないので、一般的とは言いがたい仕様でその方が初期の設計なのだろう。
![110120n4 110120n4](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/d5/51458d19b52e2ab1033c14acc45bdc7e.jpg)
ビスやらリベットが表面にあって、実に今見ると原始的なマシンです。
これが、40年前、エッポメイキングな、時代の先端を行ったカメラ。
シャッターボタンや切り替えスイッチ、コンセントなど、、、家電のパーツじゃないの!
マイクロスイッチがMDには2個使われていた。
![110120n5 110120n5](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/91/ddba5f2fe9dd02cc859b3b1a0ee28869.jpg)
直結バッテリーはMD本体にいろんなパーツを介して電気を供給している。
直結バッテリーと言うことは、コードで連結するバッテリーもありました。
それはポケットにでも入れるのかな?
![110120n6 110120n6](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/ed/3bb678f92d88588cfd32bf3483062d49.jpg)
サイドにある白いスイッチは、Cがシャッターの連続でSが一枚切りの切り替え。
一番下にあるコンセントは結線するとシャッターが落ちます。簡単に長いコードのシャッターが作れました。
![110120n8 110120n8](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/d1/f318d8717665eb5385edfa59fc20c0c6.jpg)
底を見ると、右から裏蓋をはずすロックノブ、電池室の蓋、
三脚ネジ、直結バッテリーをMD本体への取り付けネジです。
![110120n7 110120n7](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/b2/c26e557340629ace569a674a9786da26.jpg)
三角形のトンがリがFのあかし。
キャノンのF1も尖がり頭でしたね。
シャッターボタンは建て増ししています。この建て増しシャッターの感触がよかった。
コットってシャッターが落ちるんです。
![110120n10 110120n10](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/aa/c85cb22f9a8a202f380f056800031e28.jpg)
三角形のプリズムをはずしました。
ファインダースクリーンはF2と共通。プリズムはどうだったかわすれました。
スリットがきっていないので水や砂には弱いでしょう。同じような設計のF3のファインダーに細かい砂が入って、見える視野が楕円形になっていたことがあった。水は意外に入らなかったが、サラサラの砂には弱かった。砂に弱いのは接点の多いMDも一緒です。
![110120n9 110120n9](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/0a/54f99da2692706caf02b091ba411d306.jpg)
貧乏だったので、なけなしのお金をはたいて買ったNikonFです。
そのご仕事に使うようになってMDを購入。15年は一線で使っていました。
![110120n11 110120n11](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/83/d693225f263f0ee85f04c2131982614f.jpg)
倉庫から出してきたので梨地が汚れたまま。拭いたらきれいになった。
キレイニしてから撮ったらよかった。
![110120n12 110120n12](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/30/fef335d3c6bc4cc35665f37ebcdcdbf9.jpg)
MDは使いにくかったですねー。
フィルムチェンジは悩ましい作業でした。
裏蓋をパカーンと外さなきゃいけないのだもの。外でのチェンジは、雨でも降っていたらたいへん。
ただし、機械的には丈夫だった。カメラが水没してもダイジョーブ。今の電気カメラには考えられないことです。
![110120n13 110120n13](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/c5/cb866a307c27d7bd32f86d2e5082ef9b.jpg)
本体のシャッターとMDのマイクロシャッター(マイクロ接点)。
本体はそれなりの感触ですが、MDのはただのスイッチです。
ただ、、、タイムラグは恐ろしく少ない!
それは動体写真のプロには戦力になりました。
タイムラグは、、カメラによって違うので、0.1秒の遅れは問題外、0.01秒の違いがプロにはわかります、、、。
![110120n15 110120n15](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/50/3e12687df331f84ac2be7cefd3b0b98b.jpg)
MDについているつっかえ棒は、文字ドウリつっかえ棒。
接点が複雑で、FP、FX、MXといろいろ。フラッシュからストロボへの過渡期なので 仕方ないでしょう。
シャッター、巻き上げ周りはNikonMシリーズのままですね。
Mシリーズを一眼レフ化したのがFだから、、、。
![110120n16 110120n16](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/31/85170f589a9c14e88b977d6a9317f4a2.jpg)
このパーツもMシリーズと同じ。
![110120n17 110120n17](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/6a/6b38eb326d340c422380df204451ebd5.jpg)
正面から見ると逆テッパーがついている。
アクセサリーシューをつけるようになっているが、巻き戻しノブが使えなくなるので、、、どーなの?
![110120n18 110120n18](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/9d/0312d0f2d099c2bb2fe100b59e2e1798.jpg)
このシンプルなファインダーのほかに、露出計内臓のフォトミックファインダーがあった。
![110120n19 110120n19](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/35/d6eeb41a6b51fd90bb7c42cec872ad04.jpg)
MDを外すと、ただのFに戻ります。
MDを連動させるには底の改造が必要でした。
オリンパスペンと同じフィイルムチェンジ方法です。
良いわきゃないと思うが、、、。
![110120n20 110120n20](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/c4/764de4fda738b723651afefb1d305a0a.jpg)
キレイな設計です。
当時の考えられることを全て注入したカメラでした。
これが時代のエッセンスなのです。
![110120n21 110120n21](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/6e/9a1f24c33547865162add81558aa8a0b.jpg)
直結バッテリーを外して、電源をコードでつなげばMDは使えました。
35mmカメラなのでこれが本来の姿だとは思いますが。
下のスイッチ類は切り替えとシャッターボタンとフィルムカウンター 。
フィルムの巻き戻しは手動だった。
![110120n22 110120n22](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/77/378af3071dfc1681f21d1d3fcc09f8f5.jpg)
カメラ本体とMD部はこんな形で分離します。
フィルム裏蓋がMDについていくのだから、ナンともおかしな形です。
![110120n23 110120n23](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/2b/30161d9c8a70e8ca9918444f98257bc1.jpg)
後側のMDを見ればわかりますが、建て増し状態なのがありあり。
設計の最初からMDは考えていただろうが、Mシリーズを母体にしているので このスタイルになった。
![110120n24 110120n24](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/1c/a90d7c01be37faa0cd2532e63cb00ebd.jpg)
MD本体と直結バッテリーのセット。
![110120n25 110120n25](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/37/10d53bc4e4f157f7d0372f58836cb726.jpg)
さらに分解すると、後ろがMD本体で前部分がバッテリー部。
![110120n26 110120n26](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/ba/f7c646c5cae2657b63ab7a204751cbe1.jpg)
バッテリーは単三電池を8本です。右端のパーツは無理やりMD本体に連結するパーツ。
接点があちこち多くて埃でもついたら即止まります。
![110120n27 110120n27](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/f3/33c711fc06bcfa46f7dbb4382d90948d.jpg)
どうなっているかと言うと、、、。
原始的なメカなので、雨などには強かった。水没しても乾燥して接点を復活させれば動き出しました。
雨の日には隙間はビニールテープでぐるぐる巻きにします。
そうすれば、ケッコウな雨でもカサをさしながら片手でモータースポーツを追っていました。熟練度が要求されますが、、、。
![110120n28 110120n28](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/7e/4b8c71c44a6f15ae58a5a67653e3f9d3.jpg)
MD本体です。
これだけだと実にあっさりしたパーツ。
今日のモーターや電池の発達は目覚ましいものがあります 。
![110120n29 110120n29](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/cb/35ca0a3f550cfb099e31722861dab8d9.jpg)
細かなパーツを介して連結します。
この平行ジャックなど、、、家電そのものでしょう。
アップで見ると歴戦のツワモノの感があります。
![110120n31 110120n31](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/da/b558bb7c09f7684dc93e908a1ae71f4d.jpg)
F本体とMD本体の組み合わせ。
これだけだと、けっこうスマートでコンパクト。
あまり見かけない姿(セット)です。
![110120n33 110120n33](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/51/3fc713a1357c934103598e361f55e346.jpg)
左のボタンがシャッターをSとCとロックに切り替えるもの。
マイクロスイッチです。
右はフィルムを入れたら自分でカウンターをセットします。
長巻、短めのフィルムなど自分で入れる人がいますから。
![110120n34 110120n34](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/68/181b1b6357485512fe1113079c37d04b.jpg)
Hで毎秒4駒が限度。
私は自動巻上げと考えて使っていました。スポーツでは、いくらMDでも連続シャッターは無意味だったんです。
連続してピントは追えません。今のオートフォーカスだったら意味はあります。
今でも単三電池を入れれば、完全動作します。
チタン幕のシャッターがバウンドするので、外ではムラができますが、ストロボ撮影では全くOK。
私の大事な記念のカメラです。
Nikon D5300
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/90f6ee141db8fa119081fe775455142f
Nikon D700
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/e54308fb8d569a17163741ceba84613d
Nikon D40x
https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/06b238a05f744cbd25aea3b867258822
Nikon F4 MD
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20140113
Nikon D100
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20130428
Nikon F MD ①の記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080224
Nikon F3p MDの記事は(F3本来の姿です)
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080919
Nikon FM ポラボディーの記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20070804
Nikon FE2 の記事は
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080510
Nikkorex Fの記事は(50年前の機種)
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20090530
Nikkorex 35の記事は(レンズシャッタの一眼レフ)
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20060223
ニッコール24mm、28mm、トキナー28mmテスト
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20091210
ニッコール50mm、マクロ55mm、マクロ60mmテスト
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20110710