つちのこカメラ23
ROLLEIFLEX 3.5F
ローライ・フレックス 3.5Fは、学生の頃、夏休みと年末のアルバイトで買ったものです。なけなしのお金をはたいたから、2.8Fとどちらを買うか迷いました。廉価版のプラナー75mmf3.5でしたが素晴らしい描写で満足。f2.8は知らないがf3.5で十分です。なによりコンパクトなのがローライの特徴なので、私はこちらが本来の姿じゃないかと思います。
露出計は絞りシャッター速度に連動します。220フィルムがそのまま使えるのも特徴のひとつ。
![081024r2 081024r2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/79/22949a7c09dc9890ac40fa9c12a5c353.jpg)
クランク巻き上げ。絞りはカメラに向かって右の丸いノブ。シャッターは向かって左の丸いノブで調整。
それらの表示はビューレンズの上にでます。
![081024r3 081024r3](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/5e/2c2b611371af25bb4b6841da7a91c30e.jpg)
ピントは右サイドの真ん中のノブを回すと、レンズが付いた前板ごと前に繰り出します。
コチラサイドには色んなノブがあります。
下の丸いノブは露出計のフィルム感度、露出倍数などの調整。
![081024r4 081024r4](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/e5/68b7c399cb3e671aec3fb3071548ab7d.jpg)
ライトバリューの表が後ろに書いてあるけど、使ったことが無い。
![081024r7 081024r7](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/7e/1f18767c1d04a68b7f850d6b4303041d.jpg)
ファインダーを開け、通常の撮影状態。
ファインダーはワンタッチで開け閉めできます。
フィルターは内側のバヨネット、フードは外側のバヨネット。
![081024r5 081024r5](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/d1/cb669760c0bba19a4453a54e0d35d385.jpg)
ローライの特徴は、アイレベルファインダー撮影が簡単なこと。
ファインダーの前板を内側へ押し込めば、6×6のフレームになります。
しかも、ピントまで見れるのです。小さな接眼ファインダーの下に、レンズとミラーを介して、ピントグラスの真ん中を見ることができます。
アイレベルでカメラを構えていても、ほんの1cm目を下にずらすだけでもピントを確認できます(逆像ですが)。2眼レフでも速写性があるのです。
![081024r10 081024r10](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/18/10cb61812c45adc8b6f1c8af82ecbac6.jpg)
底辺部には裏蓋のロック機能があります。矢印の上のレバーを左に回すと、その上のレバーが外れます。
すると、裏蓋があけられます。
![081024r11 081024r11](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/03/4a607b93924feee04c497c07bca4b87f.jpg)
裏蓋の開閉です。とてもしゃれています。
裏蓋ヒンジのところで、簡単に裏蓋ははずせます。ロックの小さなピンがあるだけ、、、ドイツには物の仕組み、機能が良くわかった職人がいるんですね。
日本製のカメラには、これほどのシンプルからくりはない。
![081024r12 081024r12](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/84/53336c61096693477b3d781890ef85a7.jpg)
裏蓋をはずして、35mmフィルムを使うローライキンというパーツがあった。これで35mmフィルムを使うのは邪道だと思うが、、。
1枚撮りの裏蓋もあったような、、、。
![081024r13 081024r13](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/17/0bc040e72a4f8f165b42fad76b6d495b.jpg)
フィルムは下から上へ巻き取ります。
未撮影のフィルムはここから見えないが、下側に入れ下の細長い2つの棒の間を通して、上のスプールに巻きつけます。
すると、フィルムカウンターは自動ストッパーになります。ちくいちスタートマークを合わせる必要がない。
ずいぶんと時代の先を行っていた機能でした。
ハレーションや内面反射には徹底的な対策がされている。コレでもかというくらいだった。空間に余裕があるからだろう。
![081024r14 081024r14](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/ba/bb4303fcd057ee7d3a9b8259423f7dd6.jpg)
ビューレンズは75mmのF2.8
3群3枚レンズだそう。
露出計はセレンで電池が要らないけど、さすがに○十年もたっているから精度は怪しい。
左手の小さなレバーはストロボとフラッシュバルブの切り替え。
ビューレンズにはフィルターをつけていなかったので、傷がいっぱい付いてしまった。
![081024r16 081024r16](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/fc/e4fb8cd0b0bf7bcb0a93fd06831d844a.jpg)
コチラは撮影レンズ。
5枚構成のプラナーです。レンズはf3.5と暗いけど、シャープさは素晴らしい。f5.6、1/30の手持ち撮影でばっちり。
人によっては、はずれレンズと言う人もいるが、どうしてどうして、コレがはずれだったら、世の中のブローにカメラのレンズは、オールはずれと言うことに、、、。これより良いレンズといえば、ペンタ6×7の75mmf4.5ぐらいじゃないか。ペンタのこのレンズは35mm用レンズと比べても、ずば抜けてシャープだった。
ローライは愛着あるカメラだから、記事が長ーくなります。
シャッター周りのレバーはロックです。シャッターを押せなくなるし、バルブ撮影でシャッターを切った後レバーを倒すとタイム撮影になります。つまり、2つのロックができるのです。
シンクロ接点には抜け防止のための押さえレバー付き。
ビューレンズはコーティングが青いけど、撮影レンズは麦わら色です。
![081024r15 081024r15](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/f8/2e1d6505e529fcd1567edaf038accf69.jpg)
カメラを構えると、このようなアングルから絞りとシャッターを調整します。
左の丸いノブで絞りを、今はf11になっています。
右の丸いノブでシャッターを調整。今は1/125ですね。
![081024r17 081024r17](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/c0/f765125e8510490fd11a5c2511c6e8e3.jpg)
ピントノブと露出計。
距離表示はフィートとメートルどちらも書いてある。
露出計は絞りとシャッター、感度、露出倍数に連動していて、カニバサミに針を合わせる追針式。
露出計はセレンなんで、暗いところでは動かない。
![081024r18 081024r18](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/f4/d6983e8777e66c6119295ef2e11430c9.jpg)
シャッターを先に合わせても、絞りを先に決めても、どちらでも良い。とにかく後からカニバサミに針を重ねれば露出はあいます。
![081024r19 081024r19](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/9b/864f0a9f6d26b58ed3d82a3621a6d433.jpg)
小気味の良いクランク巻上げ。
巻き上げクランクの根元にある矢印をちょっと動かし、クランクを逆に回すとシャッターチャージのみができます。つまり多重露光ということです。
![081024r20 081024r20](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/07/3ca69f8f0c489efc72e44a4bc754be1a.jpg)
220フィルムを使えるが、裏蓋の厚板を切り替えて、このレバーを24にあわせ、12枚撮影したところで、この小さなレバーを12に切り替える。
フィルムカウンターが24まで無いのだ。12までしかないカウンターを使って24枚撮りに対応している。
この合わせを忘れると、220でも120のように巻き上げてしまう。
それでも220フィルムを、そのまま使えるのは便利でした。
![081024r21 081024r21](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/37/76a1e533715e48ecc85a5a30968e619c.jpg)
ファインダーは、ホントに簡単にはずせます。
ファインダーの造り、構造には感心することばかり。
![081024r22 081024r22](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/e9/82c8edaad9c49ad7001f88d4976e3bd1.jpg)
ファインダースクリーンは見やすく、八ッセルとは比べ物にならない。
フレネルレンズとマットのざらつきが適切なのだろう。
この時代の八セルのピント合わせの悪さといったら、国産カメラを使ったら使えませ―――ン。でも広告カメラマンは高価なハッセルを使いたがりました。なんでも、、、モデルさんがハッセルを使ってと要望があったそうだ。マミヤC330やブロニカやセミ版など素晴らしいカメラがあったのに。でも時代が変わり、国産のよさが世界に知れ渡ると、海外のカメラマンまでが日本製の大判を使うようになりました。フィルム時代の終わりには、ブロニーカメラは国産の独壇場だった。
![081024r23 081024r23](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/25/4381e6574097fc556e6b100af381f7c5.jpg)
スクリーンも簡単に交換できる。だがこのスクリーンで十分です。
![081024r24 081024r24](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/f4/bd0b69ff3376176d75b40e761dbf722c.jpg)
ここにも、すごいからくりが、、、。
ビューレンズがミラーに写っています。
ファインダーの6×6のフレームが撮影距離によって前後に動いて、パララックスを完全に補正してくれます。ピントを合わせると金属フレームが動きます。
マミヤのC330だとフレームは動かないけど、視野の注意棒が出てきます。
![081024r8 081024r8](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/e4/f3b98003e99029e8ac3a14b7754da032.jpg)
ローライは仕事には使えなかったが、旅先にはよくもって行きました。
一度だけ、このローライじゃなきゃ撮れなかった仕事がありました。
スキー場でプロ・スキーヤーの方にカメラ前で雪煙を上げターンしてもらったのですが、その日はうす曇で日が弱く速いシャッターが切れない。
ターンの瞬間の、雪が飛び散るさまをバッシと撮りたかったのだから。35mmカメラはストロボの同調が遅く、ましてハッセルじゃタイムラグがありすぎ。
そこでサブカメラとして持っていったローライで、ストロボの日中シンクロをした。シャッターは1/500で絞りはf5.6あたり。
何度もターンを繰り返してもらい、表紙を飾る良い写真が撮れた。
粒状製の良いフィルムを使ったから上がりがきれいでした。
レンズシャッターでタイムラグがゼロのローライのおかげでした。
軽いしぶれないし良いカメラです。
アサヒペンタックス67mp記事
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20100421
フォクトレンダー ブリアントの記事
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080828
ハッセルブラッド500Cの記事
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20071002
マミヤC330Sの記事
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20070923