アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

Good looking …♪

2012-06-24 11:01:02 | Weblog
先日近所のスーパーで見かけた高齢の女性。
高齢だと気づいたのはそのお顔を見たときで、それまでは私自身と同年代だろうと思ってた。
店内用のバスケットに商品を入れていく身のこなしはキビキビしているし、少し歩幅の広い歩き方も乱れが無くて恰好好い。
袖が短めの黒のポロシャツをデニムにインして腰には太めの革ベルト。デニムの裾からのぞくのはハイヒールのパンプス。生成り色のキャップを被った下にまとめられている長い髪は白髪の割合が多かったけど、とにかく全体がしゃっきりしていてカッコ好いんだ。
レジの列に並んでいるときに偶然その人と斜めに向き合う位置になったから、失礼ながらまじまじ見ちゃった。
後姿も花丸だったが、正面もまた…
深めに開けた襟元からうかがえる胸元には張りがあり、二の腕は締まっている。
二の腕の締まり具合から察するに、一度ダユンダユンになったものをどうにかこうにか細くしました、というのではないね。皮膚そのものにたるみがなくて腕本体と密着しているから、おそらくダユンダユンになったことのない腕なんだな。
バストの厚みは薄かったが、それでもお腹よりバストの方が前にある。ポロシャツをデニムにインしたお腹は板のようだ。
う~ん、お見事
支払のために俯いていた彼女が顔をあげたとき、その年代の予測ができた…。
たぶん、70歳代だな…
それは目の下や頬の弛みで分かる。あぁ、だからあの白髪の多さなのか、と納得がいった。
それにしても、お見事なBodyである。彼女の辞書に≪身体の緩み・弛み≫という文字はないな
きっとダンスかバレエかで長年身体を磨き続けている方なんだろうと思う。
黒のポロシャツにただのデニム、ハイヒールのパンプスに生成りのキャップ。
色柄も無ければアクセサリーも無い、シンプルの極致といえそうなその姿のなんと華やかなこと
彼女よりも遅れてスーパーを出て、レジ袋を提げて歩きながら突然閃いた思い。
「あれは70歳になったときの私だ
きちんとレッスンしてBodyに関心を持ち続け、きちんとした食事をして健康に配慮することを怠らなければこんな風になれるよ、という未来図を目の当たりに見せてもらったような気がした。
一気に気分が明るくなって自分の中に躍動するものを感じた。幸せなひと時だった
数年前にも、そんな高齢だが素晴らしく素敵な女性を見かけたことがある。
某所でお茶を飲んでいたとき、遠くから歩いてくるパンツ・スーツの女性がいた。
パンツ・スーツといっても昨今はやりの妙ちくりんなリクルート・スーツではない。きちんとした仕立てのメンズ・ライクなダーク・スーツ。白の飾りのないシャツの胸元を少し深めに開けただけでアクセサリーは何もない。少し広めの歩幅で颯爽と歩く、パンツの裾からのぞくのはやはりシンプルな黒のハイヒール・パンプス。
だんだん近づいてくるその女性から目が離せず
「うっわぁ~、カッコ好いなぁ~」
とずっと見ていた。
そして目の前を通り過ぎていく彼女の顔を見たとき、その年代に予測がついた…。
たぶん、70歳代だな…

どちらの女性も、お顔は確かに加齢とともにごく自然に変化してきている。でも身体は、どこかで時計を止めたのだろう。
一般に女性は顔を気にする。小皺だシミだクスミだ弛みだと手当り次第に化粧品に頼って手入れをしている気になっている。
その反面置き去りにされた身体の方は、デコルテには脂肪が被さり肩周りにも脂肪が積み上がり、二の腕はだゆんだゆんに垂れ下がり、バストの厚みを無視して腹が迫り出し、厳しい言い方だが性別が無意味になっていく……。
もしも神様が表れてどちらかひとつをプレゼントしてくれる、とおっしゃったら、
お顔は加齢とともに自然に変化していくが、身体は今のままで時間を止めてあげる。
身体は加齢とともに崩壊が加速するが、お顔は20歳の頃に戻して時間を止めてあげる。
どちらかを選べといわれたら、私は間違いなく を選ぶ。
顔は帽子とサングラスとマスクでどうとでも隠せるが、身体は、いや、歩き方は隠しようがないからである。
前述のふたりの女性のように、“おばあさん”ではなく≪歳を重ねた女≫でいたいと考えている。きちんと磨かれた身体をしていれば、アクセサリーなどなくても身体そのもの、身のこなしそのものが華やかさを醸し出してくれるんじゃないかな、彼女たちのように…
過激な言い方だが、骨になっても女でありたいと思っている。
コメント
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