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世界的低金利が何を意味するのか?・・・不気味な市場

2014-06-04 10:04:00 | 時事/金融危機
 

■ 世界的に進行する低金利 ■

最近の市場の動きに戸惑っている市場関係者は少なくないでしょう。

<リスクオフ>  債権↑ 株式↓
<リスクオン>  債権↓ 株式↑

安全資産の債権と、リスク資産の株式の間をリスクの度合いに合わせて資金がローテーションする事で、市場は安定して利益を上げていました。

所が昨今は・・・

債権↑ 株式↑

■ 低金利の資金が溢れ返っているのか? ■

本来金利はお金の需給関係で決まります。資金需要が高ければ金利が上がり、逆に低ければ金利が下がります。

現在の世界では中央銀行が過剰に資金を供給しているので、金利は世界的に前例を見ない程に低下しています。

多くの資金が中央銀行の当座預金に豚積みされている事からも、金融機関は溢れ返る資金の使い道に苦慮しています。

そのうちの一部が債権市場や株式市場に流入していますが、資金の調達コストが安いので、リスクを軽視した投資が行われているのではないでしょうか?

■ 債権のリスクとは何か? ■

株式市場のリスクは株式の値下がりなので素人にも理解しやすいと思います。一方で、債権市場のリスクは一般には理解しにくいと思います。

一般人は金融機関は国債を買ったら償還時期まで所有して償還によって金利収益を上げるものと思っています。しかし、実際には国債は他の金融商品と同様に中古市場で盛んに売り買いされています。

中古市場の国債価格は需給によって高くなったり安くなったりします。国債を高く買えばそれを満期まで保有した時の得られる金利は下がり、逆に安く買えば金利は上がります。

国債は絶えず売買されているので、国債金利は絶えず変動する事になり、新発国債の金利は中古市場の金利が決めています。中古市場の金利以下で新発国債を発行しても魅力が無いからです。

国債を「禁油商品」として捉えたならば、国債のリスクは価格が下がる事です。これは一般的には「金利上昇」と称されます。国債に限らず、社債や公社債なども、金利上層によって手持ち債権は損失を生じます。

■ 市場は将来的な金利上昇を織り込んでいないのか? ■

現在の債権市場は歴史的な低金利が続いています。これは。債権価格が高い事を意味しています。

ある会社が社債を発行した時、安い金利で社債が発行出来ればその会社の資金調達コストは低下します。一方で、安い金利で社債を手にした投資家は、長期的な金利上層によって手持ちの社債の金利がツマラナイものになる可能性があります。

債権市場の低金利は、企業や国家にとってはメリットですが、投資家にとってはリスクに対して適正な利益(金利)が確保出来ない事を意味しています。

それでも債権市場に資金が集まるので、債権金利は低く抑えられています。投資家達は将来的な景気回復による金利上昇を織り込んでは居ない様に見えます。

■ 直接金融の市場の拡大が、銀行の貸出金利を低下させ、利益を圧迫する ■

本来銀行は預金者からお金を集め、企業や個人に資金を融資して金利を確保する事が本業です。しかし、現在の貸し出し金利は非常に低く、経営が安定した大企業の貸し出し金利では預金金利との間に逆ザヤが生じるケースも出て来ます。

債権市場の金利が低いので、優良企業は社債発行で低金利で資金調達が出来るので、銀行から高い金利で資金を調達する必要が無いのです。

こうして、銀行本来の貸付で利益が得られなくなった金融機関も、利益を求めて債権市場や株式市場で資金運用をする様になりました。昨今の銀行の利益のほとんどが、この様な資金運用で確保されています。

こうして大手の銀行の潤沢な資金までもが債権市場に流入するので、債権金利は低下し、一方で企業への貸し出し金利は低下します。

■ 既に債権市場はバブル化している ■

債権市場は株式市場よりも巨大なので、その値動き(金利変動)は緩慢です。これが「債権市場は安全」という錯覚を起させますが、実際には売買される金額が巨大なので、債権金利が上昇(価格が下落)して発生する損失は少なくはありません。

しかし、潤沢な資金が市場に流入している間は、金利は下がり続け、リスクは見えにくくなります。こうして、市場にどんど資金が流入する事で、しずかにバブルは膨らんで行きます。

債権市場がバブル化しているという指摘は以前からありますが、バブルは弾けて始めてバブルと認識されるので、「現在の状況はバブルでは無い」と皆が考えれば、バブルはさらに膨らみ続けます。

■ リスクを反映しない金利の罠 ■

リーマンショックから5年以上が経過し、ショックの記憶も薄らいで来ています。「危機は去った」というのが多くの人達の認識でしょう。

一方で、昨今の株式市場の高値や、国債金利の低下に、何だか漠然とした不安を抱いている市場関係者は少なくありません。

彼らは、「今の市場金利がリスクをまともに反映していない」と薄らと気付いているのです。こういう、意識下の認識がある事を切っ掛けに表面化すると、市場は一気にリスクオフに走ります。それが「暴落」です。

■ FRB、日銀、ECBが交代しながらバブルを維持している ■

FRBはテーパリングを開始して、市場金利の適正化を模索している様に見えますが、その一方で日銀が異次元緩和で資金供給を拡大し、さらにECBもマイナス金利の導入をチラつかせて市場に資金を誘導しています。

この様に各中央銀行が交代しながらバブルを維持しているのが現在の世界の姿です。

そして、どこかの時点で、だんだんと皆が「不信」を募らせ始めます・・・「この金利は低すぎる!!」と気づくのです。

それは今では無いのでしょうか、近い将来では無いかと私は予想しています。2015年頃には、変化が現れるのでは無いか・・・その為の国債の時価評価の廃止なのでは?

「全ては計画されている」と言うとあまりに陰謀論的過ぎますが・・・。