メモ代わりに書いておきます。
薦められてMMTの提唱者の一人であるL・ランダル氏の「MMT現代貨幣論入門」を読み始めたのですが、序文で結論が書かれています。
巨大な資産市場と、銀行の無節操な信用創造を放置してMMTはうまく機能しない。
ランダム氏は国家による国債発行は金融政策と同等と書かれています。要は国債発行の増加は金融緩和なのだと。これに全く異論は有りません。日銀の異次元緩和がまさにそれです。
ただ、MMTで生み出されたお金は財政政策として国民や国内の事業者に配布され、金融緩和のマネーは銀行に配られる違いが有る。
しかし、国民に配られた資金の多くは預金や投資を通じて資産市場に流入します。そして、ここをバブル化させて、その崩壊によって実体経済は前よりも酷い状況に陥ります。
MMTを議論する時に「インフレ率が高まったらどうするのか」という点が問題とされますが、現代の巨大化し過ぎた資産市場を抱える経済では「インフレ率の上昇は資産市場のバブル化」として現れます。
だから、ランダル氏もこれを理解していて、銀行の奔放な信用創造(無秩序な貸し出し)と、資産市場をどうにかしなければいけないと言っている。政府の信用創造を増やして、銀行の信用創造を減らせと書いている。これ社会主義の計画経済じゃねぇ?或いは戦前日本の統制経済に近い。
ポイントはここで、「政府が国債を発行した時にお金が生まれる」なんてのは、卵が先かニワトリが先かだけの話でしか無い。
不換紙幣は原理的にいくらでも増やせる。国債を大量発行して政府が債務を拡大すれば、民間の金融資産は当然増える。だけど、これって貨幣効果だけですよね。価値が増える訳では無い。
確かに政府の財政余力は拡大しますが、同時に資産市場のバブル化という弊害を生み出す。喜ぶのは金融緩和を歓迎する勢力。
そして政府はお金の使い方が下手で、そして財政を拡大しても政治家やそれに連なるロビイスト達が甘い汁を吸いに来るだけ。
もし、MMTを財政政策に取り入れるのならば(現在も既に取り入れていますが)、福祉限定にすべきでしょう。前の記事で長々と書いて「組織の陰謀」で文字化けして消えてしまいましたが、インフラが整備され、かつ人口減少に入った経済では、公共投資の拡大はクラウディング・アウトを起こすだけで、投資効率は非常に低くなります。
この点は前の記事の続きを後日書きます。(心が折れてるけど)