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MMTは現在の世界では機能しない・・・バブルを生み出すだけ

2020-06-11 05:44:00 | 時事/金融危機
 

メモ代わりに書いておきます。

薦められてMMTの提唱者の一人であるL・ランダル氏の「MMT現代貨幣論入門」を読み始めたのですが、序文で結論が書かれています。

巨大な資産市場と、銀行の無節操な信用創造を放置してMMTはうまく機能しない。

ランダム氏は国家による国債発行は金融政策と同等と書かれています。要は国債発行の増加は金融緩和なのだと。これに全く異論は有りません。日銀の異次元緩和がまさにそれです。

ただ、MMTで生み出されたお金は財政政策として国民や国内の事業者に配布され、金融緩和のマネーは銀行に配られる違いが有る。

しかし、国民に配られた資金の多くは預金や投資を通じて資産市場に流入します。そして、ここをバブル化させて、その崩壊によって実体経済は前よりも酷い状況に陥ります。


MMTを議論する時に「インフレ率が高まったらどうするのか」という点が問題とされますが、現代の巨大化し過ぎた資産市場を抱える経済では「インフレ率の上昇は資産市場のバブル化」として現れます。

だから、ランダル氏もこれを理解していて、銀行の奔放な信用創造(無秩序な貸し出し)と、資産市場をどうにかしなければいけないと言っている。政府の信用創造を増やして、銀行の信用創造を減らせと書いている。これ社会主義の計画経済じゃねぇ?或いは戦前日本の統制経済に近い。


ポイントはここで、「政府が国債を発行した時にお金が生まれる」なんてのは、卵が先かニワトリが先かだけの話でしか無い。


不換紙幣は原理的にいくらでも増やせる。国債を大量発行して政府が債務を拡大すれば、民間の金融資産は当然増える。だけど、これって貨幣効果だけですよね。価値が増える訳では無い。


確かに政府の財政余力は拡大しますが、同時に資産市場のバブル化という弊害を生み出す。喜ぶのは金融緩和を歓迎する勢力。

そして政府はお金の使い方が下手で、そして財政を拡大しても政治家やそれに連なるロビイスト達が甘い汁を吸いに来るだけ。


もし、MMTを財政政策に取り入れるのならば(現在も既に取り入れていますが)、福祉限定にすべきでしょう。前の記事で長々と書いて「組織の陰謀」で文字化けして消えてしまいましたが、インフラが整備され、かつ人口減少に入った経済では、公共投資の拡大はクラウディング・アウトを起こすだけで、投資効率は非常に低くなります。


この点は前の記事の続きを後日書きます。(心が折れてるけど)

文字化けして記事が消えてしまう

2020-06-11 05:36:00 | 分類なし
 
・・・・財政問題とMMTについて長々と書いたら、文字化けして記事が消えてしまった・・・。

組織の陰謀だ!!

3時間も掛けた力作だっただけに、心が折れた・・・。

明日以降、復活したら書き直します。
しかし、Teacupブログの書き込み画面はエラーが多い。
ブログを別のサービスにしようかな・・・・。

成長力低下の原因は財政縮小では無いのでは・・・構造改革なくして成長無し?

2020-06-11 02:32:00 | 時事/金融危機
 

■ 「土建大国」から「小さな政府」への転換 ■

12月の子さんがコメントを沢山下さっています。この問題、懐かしいです。昔、「ひろのひとりごと」さんのブログで良く議論しました。

かつて政府の公共投資が盛んだった頃、日本は土建大国とも呼ばれていました。高度成長期には高速道路や新幹線が整備され、港湾・漁港の整備も進み、日本の経済発展に貢献した。

巨大土木工事は当時政治家の利権になっており、建設会社から多くのお金が政治家に還流していました。有力政治家を多く輩出した島根県は人口が少ない事で有名な県ですが、一つの河に大きな橋が隣接して複数掛けられています。田圃の真ん中に有料道路の様な広域農道が走っている地域も有ります。これは農水省が主導して整備していますが、整備理由に「災害時には航空機の滑走路になる」なんて理由が付けられていた・・。

これらの公共投資が「無駄」と言われ始めたのは橋本行政改革の頃からですが、小泉改革によって日本は大きな政府から小さな政府を目指す様になります。民主党政権は「仕分け」によってさらに小さな政府を目指し、省益を守ろとする官僚と対立します。

■ 日本版「万里の長城」の「スーパー堤防」 ■

民主党政権は国交省のスーパー堤防事業を凍結しましたが、堤防幅を広げる必要が有るスーパー堤防は土地取得が難しく、工場跡地の様な場所でしか整備が進んでいません。住宅密集地などでは100年経っても完成しない。当然、100年に一度の大雨が降れば未整備の場所から堤防が決壊するので、意味の無い事業の象徴です。それに堤防は敢えて決壊する様に作られている箇所が有ります。下流域に人口密集地が有る場合、中流域であえて越水する高さになっています。越水が起ると土の堤防の外側が水の勢いで削られ、堤防は決壊します。

昨年の様な豪雨被害が起る度に「スーパー堤防を整備しろ」という声が沸き起こりますが、土地の強制収容が難しい日本では実現性に乏しい。そして、決壊の多くは、堤防が決壊するべく作られている中流域で多く発生しています。(二子玉川の洪水は、住民の反対で堤防整備が出来なかった場所です。そもそも河川敷の扱いの場所に住宅が建っている。)

洪水の多くは河川が山間部から平野部に流れ込む扇状地でも起きます。山間部で発生した土石流で堤防が壊されたり、河が曲がっている所の堤防が決壊し易い。

人口が少なかった時代は、この様に洪水が起きやすい場所には人は住んでいませんでした。経験的に「危ない」と知っていたからでっす。高度成長期以降の堤防整備でこれらの危険地帯でも洪水が頻繁には起こらなくなり、市街地が危険地帯に拡大して行きます。

■ 人口減少時代に求められるもの ■

高度成長期やバブル期に拡大した日本の都市や、住宅地ですが、人口減少の時代に入り、空き家どんどん増えています。私などは自転車で千葉の山間部を走る事が多いのですが、どんどん耕作放棄地が増え、廃屋が増殖しています。所謂、限界集落と呼ばれる地域です。いくつものトンネルを抜けた先に数件の民家が建っている。こんな場所も沢山あります。

この様な場所では、大雨の後に道が崩落したり、トンネルの上の崖が崩れたりして、良く通行止めになります。半年近く復旧しない場合も有ります。この様なリスクのある場所には若い人は住みたがりません。いずれは集落は消えて行く運命です。

市街地の空き家問題も深刻です。2030年には日本の空き家は30%に達すると言われています。日本では既に住宅が作られ過ぎていますが、それでも新しい造成地が作られ、新築家屋がどんどん建てられています。それらの多くは不便な場所や、今まで人が住まなかった危険な場所が多い。日本では土地の流動性が低いので、空き家になっても売地になかなかなりません。

こうして便利な市街地に虫食いの様に空き家が増え続け、不便な場所や危険な場所に新築住宅が増えて行く。

本来ならば「空き家の土地を手放すインセンティブが働く法整備」によって解決すべき問題ですが、個人の土地の権利の強すぎる日本では、なかなか解決出来ません。こうして、日本の住宅地はスカスカになりながら郊外に拡大しています。本来、人口減少時代には「コンパクトシティー化」が求められますが、日本は逆に拡散している・・。当然、無断なインフラ整備がセットとなります。

■ クラウディング・アウト ■

安倍政権発足当時、大規模な追加予算が組まれ、公共事業が増えました。東日本大震災の復興も本格化していたので、建築需要は高まっていました。

これで困ってしまったのが民間の建築現場です。先ず、鉄骨を始めとした資材が値上ってしまった。予算内で工事が完了できない現場も多く出ます。次に職人の手配が難しくなり、人件費が跳ね上がった。

この様に限られた人材しか居ない建築業界で公共事業が増えると人件費や資材の上昇によって、民間事業が圧迫されます。これをクラウディング・アウトと言います。建築業界から悲鳴が上がったので、安倍政権も2012年以降の大規模な公共工事を控えています。

確かに長年に渡る公共事業の縮小で日本の建築労働者は大幅に減りました。1998年には455万人いた技術技能者も、2011年では331万人に減り、約100万人以上も減っています。しかし、現在の日本で建築労働者や技術者を目指す若者は少ない。サービス業の賃金に比べて建築業の賃金は・い里任垢・・艝の若者は「院Δ」「危険」「キツイ」仕察・敬遠します