■ 『はたらく魔王さま!』原作ファン限定企画 ■
日曜日に雨が約束された週末、雨の日キャンプは洗濯や干す物が多くて大変なので(雨好きですが)、久しぶりにシングルギアーの自転車で行先も決めずに9時頃に家を出ます。
房総の山中を少し走って輪行で戻って来るつもりでしたが、湿度と気温が高く、シングルでのヒルクライムは熱中症との戦いになりそうなので、平坦コースに急遽変更。佐原で日本酒でも買おうかと印旛沼SCに向かいます。
しかし、ここで、ふと思い立ってしまったのです・・・。「そうだ、銚子に行こう!!」と。
実は前日、『はたらく魔王さま!』の4巻を読み終わったばかりで、その舞台が銚子市にある犬吠埼とその隣の君ヶ浜。濃霧の犬吠埼沖に開いた巨大ゲートから1000を超える悪魔達が来訪し、それを勇者と魔王達が撃退するという設定。
飯岡で生シラス丼も食べたい!!
■ 生シラス丼は食べれなかったけど・・・ ■
印旛沼SCを北沼で離れ、国道295号線(空港道路)で成田空港を見ながら多古町まで走ります。そこから国道296号線で匝瑳市に入り、九十九里浜に出ます。海岸は濃霧に包まれ、まさにミストサウナ状態。水冷なので涼しく快適です。(自転車はサビそうですが・・・本日はクロモリフレーム)
千葉県北東部の海岸では5月から8月は霧が出やすいそうです。そう、魔王様ご一行が犬吠埼を訪れるのも8月1日。夜は濃霧が岬を包みます。舞台設定通りでラッキーです。
銚子の手前、九十九里海岸の北端の「飯岡」はシラス漁で有名です。春先はマイワシの稚魚、秋はカタクチイワシの稚魚が獲れる。漁港近くの海岸沿いに、その名も「しらす停」というお店が有り県内外から「しらす丼」目当ての客が集まります。しかし、お店に着いたのが2時少し過ぎ。残念ながら準備中となってしまいました。仕方無く漁港近くのお店に入りましたが、昼から漁師と思しきオッサン達が飲んでいました。こういう店はオイシイ。
地元で獲れるキハダマグロ、ヒラメ、クロムツの焙り、イワシの酢〆、なめろう、後は分からない魚がこの量で定食が1300円。やはり地元の漁師が客で入る店は穴場です。
■ 濃霧の銚子 ■
銚子ドーバーラインも霧の中。日本の道100選にも選出される、ゆるやかに起伏する海岸沿いの道は自転車で走っても気持ちが良い。ここは出し惜しみは無しです。全力でペダルを回して、短い登り返しも時速40km/hで一気に駆け抜けます。クロモリメガチューブのシングルスピードはパワーの逃げ場が無いので、踏めば踏むだけ進みます。但しダメージもデカい。
犬吠埼の駐車スペースは満車でした。コロナ自粛は終わった様です。「せっかく来たのに何にも見えないねぇー」っと残念がる観光客の中、私だけが「魔王さま4巻と同じ舞台設定じゃん」なんてテンション上がりまくり。
当然、すぐ隣の君ヶ浜も霧の中。作中、魔王様達は、この浜にある海の家でバイトをするのですが、実は浜も海の家も幻だったという落ち。君ヶ浜は浸食によって砂浜が狭くなっており、一部傾斜岸壁のある場所では波が直接岸壁を洗っています。当然、砂浜に海の家を建てるスペースは有りません。
■ 「ぬれ煎アイス」を食す ■
今回の旅の最大の目的は、芦屋(アルシエール)と漆原(ルシフェル)が犬吠駅で食べていた「濡れ煎餅アイス」。まさか実在するとは思っていませんでしたが、ネットでググったら本当に販売されています。
犬吠駅で探しますが、アイスの冷凍ケースが見当たりません。ガセネタかと思い始めた時に、冷蔵庫に目が留まります。何と、こんな張り紙が・・・。扉を開けると、アイスのカップが入っていました。
「濡れ煎餅アイスを目当てに浦安から自転車で来た」と告げると、「ごめんね、バニラ売り切れで抹茶しかないんだよね。だけど女の人には抹茶の方が人気なんだよ」と売店のオバちゃん。
蓋を開けると普通の抹茶アイス・・・・。でも食べてみると醤油の味がほんのりとします。そしてチョコクランクの様に濡れ煎餅の小さな破片が入っています。これがアクセントになって、とても不思議な味と食感。不味く無いというよりや、意外にオイシイ。
そもそも濡れ煎餅の本質が「以外にオイシイ」ですからね。
経営難を「濡れ煎餅」が救った銚子電鉄。リーマンショックで独自再建を諦め銚子市に援助を求めましたが、その銚子市も財政破綻寸前で市民病院を閉鎖しています。
「とほほ」な企画で鉄道ファンの心を鷲掴みにする銚子電鉄の存続を願いながら、犬吠駅を後にします。
銚子漁港近くの商店街は、アーケードも途切れ途切れとなり、シャッター率は90%を超えています。サンマの水揚げ日本一を誇った漁業の街も、物流の変化や魚の消費低迷の影響から衰退の一途。挽回の一手だった加計学園の招致もむしろ赤字を増やす結果に・・・。
ガンバレ、銚子。ガンバレ、銚子電鉄!!
本日は鍛冶屋さん向けの特別企画でした。え、「魔王さま!はいいから、厚い本を早く読め」だって・・・。だって、コロナ明けで仕事が忙しくて・・・とても厚い本を読む気になれないんです。