人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

『はたらく魔王さま!』4巻・・・銚子・聖地巡礼

2020-06-29 01:56:00 | 自転車/マラソン

■ 『はたらく魔王さま!』原作ファン限定企画 ■ 

日曜日に雨が約束された週末、雨の日キャンプは洗濯や干す物が多くて大変なので(雨好きですが)、久しぶりにシングルギアーの自転車で行先も決めずに9時頃に家を出ます。

房総の山中を少し走って輪行で戻って来るつもりでしたが、湿度と気温が高く、シングルでのヒルクライムは熱中症との戦いになりそうなので、平坦コースに急遽変更。佐原で日本酒でも買おうかと印旛沼SCに向かいます。

しかし、ここで、ふと思い立ってしまったのです・・・。「そうだ、銚子に行こう!!」と。

実は前日、『はたらく魔王さま!』の4巻を読み終わったばかりで、その舞台が銚子市にある犬吠埼とその隣の君ヶ浜。濃霧の犬吠埼沖に開いた巨大ゲートから1000を超える悪魔達が来訪し、それを勇者と魔王達が撃退するという設定。

飯岡で生シラス丼も食べたい!!


■ 生シラス丼は食べれなかったけど・・・ ■

印旛沼SCを北沼で離れ、国道295号線(空港道路)で成田空港を見ながら多古町まで走ります。そこから国道296号線で匝瑳市に入り、九十九里浜に出ます。海岸は濃霧に包まれ、まさにミストサウナ状態。水冷なので涼しく快適です。(自転車はサビそうですが・・・本日はクロモリフレーム)

千葉県北東部の海岸では5月から8月は霧が出やすいそうです。そう、魔王様ご一行が犬吠埼を訪れるのも8月1日。夜は濃霧が岬を包みます。舞台設定通りでラッキーです。

銚子の手前、九十九里海岸の北端の「飯岡」はシラス漁で有名です。春先はマイワシの稚魚、秋はカタクチイワシの稚魚が獲れる。漁港近くの海岸沿いに、その名も「しらす停」というお店が有り県内外から「しらす丼」目当ての客が集まります。しかし、お店に着いたのが2時少し過ぎ。残念ながら準備中となってしまいました。仕方無く漁港近くのお店に入りましたが、昼から漁師と思しきオッサン達が飲んでいました。こういう店はオイシイ。



地元で獲れるキハダマグロ、ヒラメ、クロムツの焙り、イワシの酢〆、なめろう、後は分からない魚がこの量で定食が1300円。やはり地元の漁師が客で入る店は穴場です。

■ 濃霧の銚子 ■



銚子ドーバーラインも霧の中。日本の道100選にも選出される、ゆるやかに起伏する海岸沿いの道は自転車で走っても気持ちが良い。ここは出し惜しみは無しです。全力でペダルを回して、短い登り返しも時速40km/hで一気に駆け抜けます。クロモリメガチューブのシングルスピードはパワーの逃げ場が無いので、踏めば踏むだけ進みます。但しダメージもデカい。

犬吠埼の駐車スペースは満車でした。コロナ自粛は終わった様です。「せっかく来たのに何にも見えないねぇー」っと残念がる観光客の中、私だけが「魔王さま4巻と同じ舞台設定じゃん」なんてテンション上がりまくり。




当然、すぐ隣の君ヶ浜も霧の中。作中、魔王様達は、この浜にある海の家でバイトをするのですが、実は浜も海の家も幻だったという落ち。君ヶ浜は浸食によって砂浜が狭くなっており、一部傾斜岸壁のある場所では波が直接岸壁を洗っています。当然、砂浜に海の家を建てるスペースは有りません。

■ 「ぬれ煎アイス」を食す ■





今回の旅の最大の目的は、芦屋(アルシエール)と漆原(ルシフェル)が犬吠駅で食べていた「濡れ煎餅アイス」。まさか実在するとは思っていませんでしたが、ネットでググったら本当に販売されています。

犬吠駅で探しますが、アイスの冷凍ケースが見当たりません。ガセネタかと思い始めた時に、冷蔵庫に目が留まります。何と、こんな張り紙が・・・。扉を開けると、アイスのカップが入っていました。

「濡れ煎餅アイスを目当てに浦安から自転車で来た」と告げると、「ごめんね、バニラ売り切れで抹茶しかないんだよね。だけど女の人には抹茶の方が人気なんだよ」と売店のオバちゃん。

蓋を開けると普通の抹茶アイス・・・・。でも食べてみると醤油の味がほんのりとします。そしてチョコクランクの様に濡れ煎餅の小さな破片が入っています。これがアクセントになって、とても不思議な味と食感。不味く無いというよりや、意外にオイシイ。

そもそも濡れ煎餅の本質が「以外にオイシイ」ですからね。

経営難を「濡れ煎餅」が救った銚子電鉄。リーマンショックで独自再建を諦め銚子市に援助を求めましたが、その銚子市も財政破綻寸前で市民病院を閉鎖しています。

「とほほ」な企画で鉄道ファンの心を鷲掴みにする銚子電鉄の存続を願いながら、犬吠駅を後にします。










銚子漁港近くの商店街は、アーケードも途切れ途切れとなり、シャッター率は90%を超えています。サンマの水揚げ日本一を誇った漁業の街も、物流の変化や魚の消費低迷の影響から衰退の一途。挽回の一手だった加計学園の招致もむしろ赤字を増やす結果に・・・。


ガンバレ、銚子。ガンバレ、銚子電鉄!!


本日は鍛冶屋さん向けの特別企画でした。え、「魔王さま!はいいから、厚い本を早く読め」だって・・・。だって、コロナ明けで仕事が忙しくて・・・とても厚い本を読む気になれないんです。


危機はこれから・・・コロナ倒産が始まる

2020-06-29 00:31:00 | 時事/金融危機
 

■ 崩壊する米小売り企業 ■

アメリカの百貨店大手J.C.ペニーが倒産しましたが、新型コロナウィルスの影響は、ネット販売の影響で「死に体」だった米百貨店業界にトドメを刺そうとしています。

近年、シアーズやバーニーズ・ニューヨークなどが既に倒産していますが、ロード&テーラーも破綻が噂され、ノードストロームは米国内16店舗を閉鎖、メイシーズは125店舗を閉鎖します。

この影響をモロに受けるのが、百貨店に出店する高級アパレルや化粧品業界です。今後、経営が破綻するアパレル企業や、化粧品企業が続出する事が予想されています。

■ 中央銀行がリスクを引き受ける事で延命する企業 ■

新型コロナウイルス対策の一環として、各国は無利子融資を実施しています。これは金融機関に無利子で企業に資金の貸し出しをさせ、その債権を中央銀行が買い取るシステムです。アメリカの例を取れば、融資期間は5年、融資金額は企業は1~2年支払い猶予を受け、融資下限は25万ドル、上限は2500万ドルとなっています。中小企業から、超巨大企業までがこの融資の対象となっているのです。売り上げの殆どが消失した航空会社や、小売り業界がこの融資でどうにか生き延びています。

これらの融資は、今後の経済状況にもよりますが、不良債権化するものも多いでしょう。最終的には中央銀行のバランスシートが悪化します。

■ 問題は信用の低い企業のローンを纏めたCLOの格下げや暴落 ■


ブルームバーグより

上のグラフは日本の大手金融機関が保有するアメリカの「ローン担保証券(CLO)」の保有額です。CLOは信用力の低い企業のローンを纏めて証券化した、企業版の「サブプライムローン」の様なものですが、米国で小売り業などの倒産が増えると、ローンの一部が不良債権となるので、CLOの価格も下落します。

金融緩和によって「まともな金利」が消えた世界で、日本の金融機関の多くは「AAA格」などと格付けされたCLOを大量に保有しています。特に農林中金や三菱UFJ、ゆうちょ銀行の保有額が大きい。

多くの米企業がFRBの間接融資によって延命していますが、コロナ後に業績の回復しない企業からチャプター11が選択され、CLOに含まれる不良債権は増えて行きます。当然、ムーディーズなどの格付け会社は格下げを検討し、CLOの価格は低下します。農林中金の1-3月のCLOの評価損は4000億円超。各行の損失は今後さらに拡大するでしょう。


■ 株価は既に「経済の指標」の役割を放棄している ■

コロナショックで一時大幅に値を下げた株価は、各中央銀行の無制限の資金供給によって値を戻しています。投資家はコロナによる長期的なリスクは意識していますが、中央銀行の流動性の供給によって短期的には「株は買い」だと判断している。

一方で、リスクが拡大している社債やジャンク債の一部をFRBが買い入れています。これらの資金の多くが株式市場に流入している。

現在世界は新型コロナ収束後の「V字回復」を想定していますが、世界のGDPの10%以上が確実に失われ、雇用が大幅に減少した世界で「V字回復」は短期的で、今年後半からは「景気後退」が現実のものとして世界を覆います。

本来は「景気の先行指標」である株価は下落するハズですが、リーマンショック後から既に株価は金融緩和の規模にしか反応しなくなっており、「景気の指標」としての役割を放棄しています。

これは「株価は景気が悪化しても安泰」なのでは無く、「景気後退が明確になった時に暴落する」事を約束しているに過ぎません。

■ 中央銀行がリスクの担い手となる世界 ■

リーマンショックの後、FRBは暴落した住宅担保証券を大量に購入して、金融機関に資金を供給しました。これはFRBが金融機関のリスクを引き受けた事を意味しています。

今、FRBはジャンク債までをも購入していますから相当にリスクが膨らんいる。これは日銀とて同様で、日本株や不動産のETFを大量に保有しています。今後、危機が明確になる度に、中央銀行はリスク資産の購入を増やして行きます。

同時にコロナ対策で大量に発行される国債を市場から買い入れ、国債金利を低く抑えるので、中央銀行のバランスシートは肥大化して行きます。これは同時に通貨の価値の稀釈化を意味します。

本来は物価が上昇してインフレが発生しますが、中央銀行の供給する資金の多くが資産市場に流入する為にインフレは資産市場で発生しています。これが「金融緩和バブル」の正体です。

■ どこかで世界は壊れてしまう・・・ ■

中央銀行が無利子融資の担い手となる事でどうにか崩壊を免れている世界ですが、アフターコロナの世界は、コロナ前の姿には戻りません。企業の売り上げも落ち込み、長期失業者も増えます。当然、消費は抑制される。

こんな状態でアメリカの一部の富裕層の資産はコロナ前よりも上昇したと報じられています。金融緩和を繰り返す事で「焼け太り」しているのです。こんな状態は永続はしません。必ずや、どこかで破綻する。

私は「リーマン超級の金融危機」が必ずや発生すると信じていますが、その被害は失業率の増加として底辺の労働者に最も強く現れます。いえ、ナケナシの資金を資産市場で運用していた中間層も多くの資産を失い「下流」に転落します。

既にアメリカではトランプが分断を煽り、崩壊の兆しが表れています。きっと世界は何処かで壊れてしまう・・・・。


「リモートワークで会社に行かなくてイイから楽だ」と喜んでいる貴方、マジで貴方の机と椅子が会社から消えるかも知れません。ご注意を!!