■ 中国武漢市は全住民990万人のPCR検査を実施 ■
新型コロナウイルスの発祥の地とされている中国の武漢市ですが、4月8日の封鎖解除の後、6人の感染者が確認されました。
これを受けて武漢市では全住民990万人に対してPCR検査を実行しました。そして無症状の感染者300人を発見。彼らの行動歴から1174人の濃厚接触者を特定。
さらに、無症状の感染者のマスク、歯ブラシ、スマホ、家具、床、ドアノブ、トイレ、排水溝などのウイルスチェックを実施しました。サンプル数は3343。その結果は・・・ウイルスは発見されなかった。
その他に水道水や生活汚水、タクシー、路線バス、地下鉄の構内、ショッピングモール、レストランン、公園などの公共の場所も無作為にサンプリングしてウイルスチェックをしました。その数2314。ここでもウイルスは見つからなかった。
■ 無症状の感染者はほとんどウイルスを排出していない ■
日本では恣意的なPCR検査を実施して、感染状況を思い通りにコントロールしています。PCR検査を減らせば感染者は少なくなり、「夜の街」を悪者にしようと思えばホストクラブで重点的に検査数を増やす。
日本人の多くは「中国は情報を隠蔽している」と考えていますが、新型コロナウイルスに関しては、中国の方が「正確な検査と、正確な情報開示」をしている。
■ 中国の公表するうデータはウイルスの実態を早期に示していた ■
日本のPCR検査数や陽性者数を見ても、元々のデータの公平性が担保されていないので、感染の実態は全く見えて来ません。政府や都が「感染実態をどう見せたいのか」という「思惑」しか見えない。
一方、武漢で感染が爆発的に広がって以降の中国のデータはそれなりに参考になります。
1) 武漢市や湖北省以外の感染者数は多くない
2) 武漢市や湖北省以外の致死率も低い
これらの情報は2月初旬には公開されていましたが、多くの人は「感染者数を誤魔化している」とか「隠蔽しているに違いない」と思っていました。しかし、私は中国から査読前の論文が次々に世界に向けて公開され、感染状況も刻刻と発表される中国のデータは大変に参考になりました。2月には「コロナウイルスはチンケな毒性のウイルス」という確信を得ました。
■ 無症状の感染者はほとんどウイルスを排出していない ■
今回の武漢市の市民全員のPCR検査の結果は、世界の研究者にとっては大変貴重なデータです。感染が収束したと思われる状況で、990万人中300人の無症状の感染者が居る。
無症状でもウイルスを排出すると言われる新型コロナウイルスですから、300人の無症状の感染者の存在は、従来のこのウイルスの見識では「脅威」と映ります。
しかし、無症状の感染者のマスクにもウイルスは存在しなかった・・・。これは貴重な情報です。「無症状の若者がウイルスをまき散らす」ことがロックダウンの根拠ともなっていますが、実は無症状の人はウイルスを排出していない。(極希に排出するケースもあるのでしょうが、それは一部の特異なケース)
日本の専門家会議も「高齢者が高齢者にうつしている」との報告がされていましたが、この発言のあった会議の動画は直ぐに消去されてしまいました。そもそも専門家会議の議事録が残されていません。
■ 経済の正常化を急ぐ中国と、正常化の邪魔をする日本政府や東京都 ■
日本では正常化の為の大規模な抗体検査でも、サンプル数はたった8000人。結果、東京での抗体保有率は0.1%となり「まだ大多数の人が感染していないから第二波の警戒が必用」などと言っています。
一方、武漢では市民全員のPCR検査からウイルス保有者を特定すると同時に、無症状者がウイルスを排出していない事を確認しています。偽陰性が多少あったとしても、無症状であればたいした問題にはなりません。武漢は今後、経済を本気で回す事が可能です。
■ 独裁政治のスピードに、民主主義の国々は追いつけない ■
現在の中国は資本主義のシステムを大幅に取り入れているので「世界最大の社会主義国家」とは言えない。一方、政治的には共産党の上層部に権力が集中しているので「独裁体制」に近い。
共産党に逆らえない中国国民は党の命令に絶対に服従します。これにより党の意思決定から政策の実行までのスピードが非常に早い。民主主義の国が国民の顔色を窺っているうちには、中国は一歩も二歩も先に進んでいます。
日本で小池都知事が「都民全員のPCR検査を実施いたします」と言ったらどうなるか・・・。多分、「プライバシーの侵害だ!!」と言い出す人が大勢出て来るでしょう。
コロナ対策にしても武漢市や湖北省でこそ失敗しますが、それ以外の地域では、封じ込めい成功しています。
一方、アメリカは大量の失業者が生まれ、大規模なデモが発生し、経済がクラッシュしそうになっている・・・。国民は分断され、互いにいがみ合っている。
道路にカラースプレーで「BLACK LIVES MATTER」と書いても自由なアメリカと、公共財に落書きなどしたら逮捕される中国。一見、アメリカの自由は尊い様に見えますが、アメリカは自由が故に衰退し、崩壊が始まっている。
今後、全米で失業者が溢れ、デモ隊が街を席巻し、軍とデモ隊の衝突が繰り返す中で、アメリカ人が発展する中国に羨望の目を向けないとも限りません。