■ 「広域交差反応メモルリーT細胞」が存在するかも知れない ■
大手メディアは「〇〇の国で新に何人の感染」とか、「夜の街で感染者が何人」といった情報ばかり伝えます。しかし、流石に医療専門メディアは新型コロナウィルスがただの風邪の交差免疫反応によって感染が抑え込まれている可能性を無視出来なくなっています。
“過去の風邪”の免疫記憶が新型コロナから世界を救う? 2020.06.19 日経バイオテック
<引用開始>
紹介したように、Cell誌に公表された、米La Jolla Institute for Immunologyの研究者によるプレプリントの論文によれば、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)流行前の健康人の40%から60%にはSARS-CoV-2の4つの蛋白質を認識するT細胞の免疫記憶が成立していた。また、流行前の全てのヒトのT細胞に、いわゆる風邪(common cold)の原因として知られる4種のコロナウイルスのうち、少なくとも3種に交差反応性が示された」と報告された。こうした事実は、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)による感染症では注目されたことのなかった、コロナウイルスの仲間(属)を広く認識する「交差反応性メモリーT細胞」の存在を示唆する重要な発見であるように思える。
つまり、こういうことだ。我々人類は一生の間に何回も繰り返し風邪を引いて、たいていの場合は軽い症状で回復する。風邪の原因ウイルスとしては、4種の(季節性)コロナウイルスがあることが分かっており、これら4種のコロナウイルスに繰り返し感染することによって、ほとんど全てのヒトがコロナウイルス属に対する免疫を獲得している可能性が高い。そして、長期間にわたって繰り返し感染することによって、ヒトによっては風邪のコロナウイルスに共通の何らかの抗原を認識する「広域交差反応性メモリーT細胞」を獲得している可能性があるというわけだ。
<引用終わり>
まだ、「広域交差反応メモリーT細胞」の存在が確定した訳ではありませんが、国立感染症研究所の客員教授の方の寄稿なので、トンデモ論では無い。
■ 数字を弄ぶだけで、感染の実態を見ていない「数理疫学」 ■
「8割おじさん」の呼び名が定着した数理疫学者の北海道大学の西浦教授ですが、彼の専門とする「数理疫学」の分野で活発に研究を続けているのは世界で200から300人程度だそうです。非常にニッチな分野です。彼らはこの分野の総本山というべき欧米の大学で学び、世界の研究機関や政府で働いています。
「西浦モデル」が日本には全く当てはまらない事は既に明らかですが、今更彼はこんな事を言っている。
8割おじさん・西浦教授が語る「コロナ新事実」 5/26 東洋経済ON LINE
<引用開始>
集団免疫の効果によって自然に流行が終わった際の最終的な累積感染者数は、理論的に計算できるが、その数値は実際に比べて過大になりがちだという議論は昔からあった。
例えば、今年2月に起きたダイヤモンド・プリンセス号内での感染拡大では、もちろん船内での感染者隔離は行われたが、約3000人の乗船者に対してその約17%が感染した(累積罹患率が約17%)。先ほどの60%には遠く及ばない。
ほかの地域でも同様なことが観察されている。例えば、スウェーデンはロックダウン(都市封鎖)などの全国的な強い行動制限を行わず、自然に集団免疫に達することを受け入れるとしているが、現在、人口の約35%が免疫を持ち、流行は下火になろうとしている。おそらく最終的な累積罹患率は50%にも至らないだろうと言われている。
<引用終わり>
さらには、緊急事態宣言の根拠となった自然再生産数2.5についてはこう語っています。
<引用開始>
基本再生産数については、私は海外の例を使って2.5と想定することがよくあり、「根拠は何か」と問われることもあるが、海外では2.5という数値はリーズナブルだと考えられている。
<引用終わり>
なんと「リーズナブル」・・要は使い易い数字って事ですよね。何に対して・・・国民や世界を脅す為じゃないですか!!
今回の新型コロナウイルス騒動では国によって被害が大きく異なります。ヨーロッパやアメリカでは被害が大きく、日本や東アジアでは極端に少ない。感染発症の地とされる中国も武漢以外では感染者や死者は少ない。
西浦教授はダイアモンドプリンセス号の実態を把握していながらも、ドイツが最初に発表した「リーズナブル」な自然再生産数2.5を使て感染予測の計算を行い、過大な被害想定で政府や国民を脅し続けた。
さすがに基本再生産数2.5を使い続けていると現実との乖離が大きくなってしまうので「最新の研究では実効再生産数が重要と言われ始めた」と
<引用開始>
の理由は、異質性というものに関係する。現実の世界では、一人ひとりは同質的に振る舞わない。例えば、接触行動は子ども、大人、高齢者といったグループによって異なる。60%という集団免疫に必要な値は、すべての人が同じように振る舞うという仮定を置いて計算されていた。
これに対して今、それの拡張版として異質性の要素を導入した集団免疫度の計算手法が欧州を中心にやっと本格化してきた。異質性の要素としては、年齢構造に加え、家庭やコミュニティーなどの社会構造の違い、クラスター(感染者集団)のような感染の起きやすい場所とそうでない場所の違いなどが挙げられる。
従来から知られてきたこととしては、それによって得られる累積罹患率の数値は、同質性を仮定した一般的な計算より小さくなる。
<引用終わり>
おいおい、「8割削減」の根拠とされる数理モデルが「均質」な集団で計算されたから感染者数が高く算出されたけど、実際の感染者数が数理モデルの計算結果より低いから、今更、「異質性」を導入して計算し直しました・・・って言ってるよ、この人。
異質性を無視した計算には次の問題点が有ると思われます。
1) 感染初期に感染し易い高齢者やハイリスク群の間で急激に感染が広がるので実効再生産数
が高く出る。これを自然再生産数と定義してしまうと、感染者数の予測計算が大きく上
振れしてしまう。
2) 感染が拡大している集団ばかりでPCR検査をして、その結果を数理モデルに反映するので、
実効再生産数が「全体を無視して」高くなってしまう
中学生でも、数理疫学のモデルの問題点は簡単に理解出来るでしょう。
■ 現実から完全に目を背けている「数理疫学」 ■
欧米では新型コロナウイスの被害はある程度大きかったので、数理モデルは多少修正すれば現実に近づける事が出来ます。
しかし、感染者も患者も圧倒的に少ない東アジアでは、彼らの数理モデルはいつまでたっても感染の実態にフォットさせる事が出来ません。結果、「何等かの理由で感染は拡大していないが、感染が拡大し始めたら「第二波」によって多くの感染者と死者が出る」という予測しか出来ない。
ところが、現実には「広域交差反応メモリーT細胞」の存在を裏付ける様な論文が次々に出て来て、研究者の興味は東アジアで感染拡大を防いでいる「ダークマター」を捜す事に移っています。「抗体すら作る事無く感染が防がれる」という研究は、事実として受け入れらられ、「ダークマター」を突き止める事でワクチン開発や治療薬に結び付けようという熾烈な研究レースが既に始まっています。
■ 「温暖化のシミュレーション遊戯」に似ている「数理疫学」 ■
「数理疫学」者の言動は、温暖化仮説を主導した気象学者の一派の言動に非常に良く似ています。
1) スーパーコンピューターの計算力の不足や、水蒸気の複雑な挙動がモデル化出来ない
ので、水蒸気などの影響を無視したモデルで計算したら「ホッケースティックス」の
様に地球の気温が急激に上昇するという結果が出た。
2) 現実の気温上昇が予測より少なかったので、パラメーターを変化させて現実にフィット
したモデルにした。
3) 太陽活動の低下によりNASAは寒冷化が始まると警告しているが、仮に寒冷傾向が始まれ
ば、温暖化加速のモデルシミュ未レーションそのものが意味を失う。
新型コロナウイスにしても、日本で感染が収束し、「ダークマター」の存在が解明され、「日本人は極めて感染し難く、感染しても極めて重症化し難い」事が確定したら、西浦モデルは意味を完全に喪失します。何故なら、「ダークマター」の存在を考慮した数理モデルでシミュレーションすれば、「新型コロナウイルスは日本人にとって風邪程度の脅威」という結果になるからです。
■ 現実を無視した「数理モデル」に翻弄された世界 ■
欧米の感染も収束に向かい、世界は経済のエンジンを急速に回す方向に舵を切ります。しかし、コロナ騒動で失ったものは余りにも大きすぎたと誰もが気付きます。そして、その頃には各国のコロナウイルスの感染者数や死者数が確定する。意外に少ない犠牲に気付くはずです。そして、死者の多くが80歳以上の高齢者という意味を噛み締めます。
必ずや、「過剰な犠牲者」を算出して危機を煽った学者達に非難の矛先が向かいます。
・・・しかし、彼らに踊らされて失ったものはあまりにも大きい。