今回は「羊」。毎回いろんな動物がモチーフになる。眠れない男のお話。それと、スパイの話。ふたつの話が同時進行してラストに至る。いつものようにたわいもない話なのだ。でも、だから、いい。
105分間、バカバカしいお話で楽しませてくれる。これもいつものようにだが、ニランジャンとそのダンスチームによるダンスシーンも満載で、狭い空間を縦横に使い、このくだらないお話を盛り上げて楽しませる。魔人ハンターミツル . . . 本文を読む
大阪弁で、現代を舞台にした作品で、大阪の遊郭を舞台にした作品を作る。神原さんの今回の冒険は、いつも以上に彼女の本気が前面に出た作品に結実する。もちろん、ハレンチキャラメルをしているときだって、いつだって彼女は本気で芝居と取り組んでいる。そんなことは重々わかった上で、そう書いている。
ここに描かれる切実さは、必ずしも、リアルとは言えない。だが、遊郭で働く女たちや男たちのドラマを確かな感触で、神原 . . . 本文を読む
また、少女コミックの映画化である。もう、いいよ、と思う人もいるだろう。そういう人はもう見なくていい。これが少女漫画であることよりも、この映画が目指すものをちゃんと見なくてはならないと思うのだ。
余談だが、キネマ旬報の短評で、この映画のことを腐している評論家の文章を読んで、うんざりした。嫌なら見るな! 最初から偏見の目で映画を見るような輩には文章を書く資格はない。たぶん別人のものだが、先日の号の『 . . . 本文を読む
このタイトルはピアノのことだ。主人公は調律師。彼がピアノに魅せられてこの道を進み、そこで出会った少女の音に魅せられる。それは森だ。実際の森の中で暮らしてきた彼が、そこを出て町で暮らし、再びそこに戻る。その、「そこ」とはピアノの、彼女の奏でる音だ。森で生きる、森で暮らす、そこに確かにある響きだ。森の放つ音。森の雰囲気。森の匂い。
少しずつ、彼は調律師として成長していく。周囲の優しい先輩たちの仕事 . . . 本文を読む