ネットによってつながる世界。一日中スマホから手を(目を)離せないで、スマホだけで生きているような人たち。まぁ、今の時代はそんな人ばかりなのだろうけど、この映画は決してそんな人たちを非難するわけではない。そこにある真実を描こうとする。現実を受け入れたうえで、何が必要なのかを考える。
アメフトの選手で、学園のヒーロー、エリートだった男の子が、クラブを辞めたいと、言う。スポーツなんか意味がないと。そん . . . 本文を読む
この甘い小説を読みながら、(いつも中村航はこんなだ)それでも、この優しさに涙する自分は嫌ではない。それくらいの優しさっていいじゃないか、と思う。孤独に死ぬことを望んでいるように見える祖父。東京で傷つき、もう立ち直れないまま、帰郷した僕。
そんなふたりが、東京で再びオリンピックが開かれるというニュースを通して、立ち直っていくまでのドラマだ。1964年、東京オリンピック。その直前の頃、東京で暮らし . . . 本文を読む
小栗康平監督の新作である。師匠である浦山桐郎と同じで超寡作ある彼がなんと10年振りで放つこの作品はいつもの彼の作品のように妥協のない緊張感を湛えた秀作だ。本物の映画を見た、という満足感に包まれる。隅々まで贅の凝らされた厚みのある映像は圧倒的で、静謐を湛えた作品。
藤田嗣治のパリ時代と戦時中の日本での描写を描く。ふたつの時代を切り取る。それをピンポイントで描く。日常描写を静かに描くからドラマチッ . . . 本文を読む