夢枕獏の小説(これは日本で『エヴェレスト、神々の山嶺』としてすでに実写映画化されている)を谷口ジローが漫画化した『神々の山嶺』をフランス・ルクセンブルク合作でアニメーション映画として作った作品だ。平山秀幸監督の実写版映画もよかったが、これはそれをはるかに凌ぐ。94分と短い映画だが、密度の濃い力作だ。というか、このお話をこの尺で見せきるところが凄いのだ。そしてそれがアニメーションならではの圧倒的なス . . . 本文を読む
シリーズ第3作にして完結編(たぶん)。高校駅伝、箱根駅伝、そして東京オリンピックへと、彼らの世界はどんどん広がっていく。高校生、大学生、社会人、と立場も現状も変わっていく。でも、彼らの横(前でも、傍でもいいけど)には、走ることがある。人生のタスキをつなぐ。
今回は中短編による連作スタイルだ。一貫した話はないし、エピソードごとに主人公も異なる。そこではこれまでこのお話を彩ってきたメンバーたちの「今 . . . 本文を読む
なんともまぁ、懐かしい。彼女のデビュー作『鍋の中』を読んだ時の感動がよみがえる。30年以上も前のことなのだ、と感慨に耽る。これは新刊だが、村田喜代子があのデビュー当時に書いた短編から現在までの短編作品アンソロジーだ。1986年から2006年までの8作品が収録されている。そこには以前に読んだ作品もいくつかある。あまり覚えてないけど、これどこかで読んだよ、と思える作品がいくつか見受けられる。調べたら『 . . . 本文を読む
タイトルに心惹かれて読むことにした。読んでいると妻がこの人は誰もが知っている有名な編み物作家だよ、と教えてくれた。もちろん僕はまるで知らなかった。そんなことよりまず、これはとても面白い。それだけでいい。
これは小説ではなくエッセイ集なのだが、まるで上質の短編小説のような味わいがある。丁寧に綴られた珠玉の宝石だ。その一編一編が密かな輝きを放つ。それをじっくりと味わう。子供のころの話や、さまざまな想 . . . 本文を読む