ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

空を見上げて

2007年03月11日 | 父の昔話

Photo_238 お客様の話によると、大鷹はたしかに生息しており、大鷹が生息出来るように市によって保護されている森があるという。
クアトロの父が小学生の時は、飼育栽培部に入っていた。毎日、飼育小屋の世話にあけくれていた。ウサギやニワトリなどの飼育が主だった。一輪車をひいて青果市場へ行き野菜くずをもらったり、学校の行きがけに豆腐屋さんでおからをもらったり、野原でハコベを摘んだりする毎日だった。雨の日も風の日もお正月も飼育小屋の世話をした。
一時、タカも飼っていた。やはり威厳があり、怖かったがいつもじっとしている。さながら、囚われの武士である。タカには、鶏屋さんでニワトリの頭を貰ってきてエサにしていた。とくに慌てることもなく、じっくりと食していた。
ある雨の日、飼育小屋のそばでスズメが死んでいた。かわいそうだが、タカのエサにしてやろうということになり、タカの小屋に投げ入れると、スズメは雨に打たれただけだったようで、生き返ってしまった。もう後の祭り、タカは野生を取り戻し、目はランランと輝く。死んだニワトリの頭をたべる時とはまるで違う。
その後、飼育栽培部の部長であったクアトロの父は、部員からこの事件の責任を追及されるという、政治的局面も迎えることとなる。
しかし、あの時のタカの目はすごかった。
ふと空を見上げるが青空が広がっているだけだった。

コメント (1)
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