不快指数の高い梅雨時。
窓の外は、通り雨。
そんな時は、穏やかな気分で赤ワインを飲みたい。
アルプスの足下にあるこのピエモンテはトスカーナと並んでイタリアを代表するワインの産地。
赤ワインだとイタリアワインの王と云われるバローロがあまりにも有名。
このバローロはネッピオーロ種というブドウで作られる。
その影に隠れていたピエモンテのブドウにバルベーラ種がある。
これまでは生産量が多いバルベーラ種は、ピエモンテの並級のワインを作るブドウという評価を受けていた。
今、時代は変わり、このバルベーラの可能性が見直されている。
難しいことではない。ネッピオーロと同じように日の当たる南側の斜面で作って、剪定を丁寧に行い、ブドウの収穫量をおさえ、樽熟を上手にすれば良い。
メルローのような丸みを持ち、カベルネのような力強さを備えたワインが出来る。
その代表格がスカリオーラが造る「フレーム」だ。
エチケットには、オーナーが描いた水彩画が使われている。
遠くに見える小さな町の教会は、ピンク色の影の中に立っている。
傍らの愛犬が、広い空に舞い上がる鳥たちを目で追っている。
長閑なピエモンテの風景だろうか。
通り雨も上がり、窓の外にはピエモンテの風景が広がっている気がする。