湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ストラヴィンスキー:イタリア組曲(チェロのための)

2009年08月30日 | ストラヴィンスキー
ピアティゴルスキー(Vc)フォス(P)(RCA)

これは怪しい。チェロにしては高音域で、ストラヴィンスキー特有のトリッキーな動きが施されているから書法のせいでもあるのだけれど、ピアティゴルスキーをもってしても、誤魔化しや弾けていない部分、テンポが滞る部分、必要なところで音量が出ない部分が目立つ。このチェリストは技巧派だが中低音域での深い表現に魅力があり、高音域は無機質になりがちでもある。楽章によって出来にムラがあり、フォスのピアノがバランス的に強すぎると思う所もある。さすがのピアティゴルスキーも指がもつれる、これはストラヴィンスキーにあっていないのか、病気のせいか、らしくない。イタリア古典派に傾倒していたころの擬古典的作品だが、チェロにやらせるには音域幅を広く取りすぎる傾向が感じられ、古典を模していながらも少し流して書き直したような、とってつけたように「兵士」の頃のリズムやハーモニーや装飾的な動きが挿入されたり、そういったところも弾きづらくさせていると思われる。無印。

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