湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲

2017年07月26日 | Weblog
ミュンシュ指揮ボストン交響楽団他(DA)1962/2/2live放送

こもっているが解像度のあるステレオ。僅かに針音のような音が入る(三楽章)。二楽章途中でデジタルノイズが入るのは惜しい(盤劣化かもしれない)。よく歌い響かせ、リアリスティックな(録音のよさゆえかもしれない)一楽章は純管弦楽的な魅力がある。はっきりしている。二楽章は落ち着いているがリズムは明確で変に即興的なふうに流れず力強くテンポを維持している。こちらもはっきりした演奏だ。構成がしっかりしていて、シレーヌへの繋がりも上手い。響きの変化がよくとらえられ、内声の細かな装飾音まで聴こえてきて、ドビュッシーはここまで聴こえないと本来の独創性は満喫できないとも思う。時期的なものもあるだろうがミュンシュは力づく、というイメージは当てはまらない。ファンタジーよりやはりリアル、波濤まで描き出した「海」のような演奏と言えると思う。ここまでやっての管弦楽のための夜想曲だよな、と思った。合唱が管弦楽の部品としてハマっていてよい。そのぶん管弦楽は抑え気味で抑揚を弁えている半面、ちょっと手を抜いたか、という粗さも少し聴こえる。シレーヌはリアルにやってしまうアンゲルブレシュトのような人もいるが、ミュンシュは幻想味が最後の輝かしい和音まで続く。拍手は普通。
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2 Comments

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Re:持っていると思います (r_o_k)
2017-07-26 23:38:13
シレーヌは合唱付きなので大人の事情で抜かれがちですよね、でもミュンシュの場合は惜しいです。60年代からは落ち着いて整った演奏に向かいがちな気がします。
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持っていると思います (サンセバスチャン)
2017-07-26 23:28:19
海、春と一緒のCDに入っているやつだと思います。海はミュンシュにしてはおとなしい。
夜想曲は、62年スタジオ録音で、シレーヌが抜けていますが、祭りが輝かしく、しかも幻想的でした。
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