フランソワ(P)ジンマン指揮ORTF(ina配信)1969/10/19放送 live
残響を極力使わない分、解像度が高く明晰ではあるが乾燥に過ぎるソリスト、ライブではコンディションが問題とされるが、ここでは2楽章は(いささか素っ気なくも)ウェット過ぎる原曲を透徹したまなざしで哲学的に仕上げて、オケの性向ともマッチして聴きどころにはなっているが、両端楽章は技術的なムラが顔を出し(ヘタなんではなく手を抜いたり二日酔いだったり色々)、オケはオケで大味で、ちゃんと付けてはいるがどこかオシゴト的。3楽章はスポーツ的感覚でスピーディーに仕上げて、暖かい拍手で終わりはするが、フランソワ嫌いには「内容空疎で上っ面鍵盤を鳴らしているだけ」に聴こえると思う。バルトークが聴衆(つまり奥さんの生活)のために敢えて平易に書いた作品で、数学的な技巧が影を潜めているぶん簡素に過ぎ、解釈上のロマンティックな要素が肝要となる。ここにはそれは無い。即興的と言うのも違うと思うくらい解釈は無い。弾けさえすれば自ずと出来上がるラヴェルをやるようにやっている。私はドビュッシーの幻想曲の酷さに比べれば余程良いと思うが、最晩年作から漂う(べきである)諦念を捉えられなかった。ついでに録音悪い。
残響を極力使わない分、解像度が高く明晰ではあるが乾燥に過ぎるソリスト、ライブではコンディションが問題とされるが、ここでは2楽章は(いささか素っ気なくも)ウェット過ぎる原曲を透徹したまなざしで哲学的に仕上げて、オケの性向ともマッチして聴きどころにはなっているが、両端楽章は技術的なムラが顔を出し(ヘタなんではなく手を抜いたり二日酔いだったり色々)、オケはオケで大味で、ちゃんと付けてはいるがどこかオシゴト的。3楽章はスポーツ的感覚でスピーディーに仕上げて、暖かい拍手で終わりはするが、フランソワ嫌いには「内容空疎で上っ面鍵盤を鳴らしているだけ」に聴こえると思う。バルトークが聴衆(つまり奥さんの生活)のために敢えて平易に書いた作品で、数学的な技巧が影を潜めているぶん簡素に過ぎ、解釈上のロマンティックな要素が肝要となる。ここにはそれは無い。即興的と言うのも違うと思うくらい解釈は無い。弾けさえすれば自ずと出来上がるラヴェルをやるようにやっている。私はドビュッシーの幻想曲の酷さに比べれば余程良いと思うが、最晩年作から漂う(べきである)諦念を捉えられなかった。ついでに録音悪い。