湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ドビュッシー:チェロ・ソナタ

2017年12月07日 | ドビュッシー
フルニエ(Vc)プーランク(P)(TAHRA,HARMONIA MUNDI)1953/3/26トリノ放送・CD

はらはらと枯葉が落ちるようにはかなく哀しい冒頭からスペインの快活な舞曲にいたるまで僅か10分余りの曲だが三楽章をいっきに聞かせる力のある晩年の傑作である。録音の篭りもあって一楽章はいささか地味である。品よく個性の匂いのしないチェリストであり、この民族色濃い曲にあわないというか、さっぱり伝わってこないのだが、プーランクがなかなかやってくれる。明快快活で流石ヴィニェスの弟子、と膝を打つ煥発さだ。細かい所チェロともどもごまかしに聞こえる表現もなきにしもあらずだが、身を斬られて骨を断つ、まさに名人芸の勢いある演奏だ。フルニエの三楽章におけるフレージング、短いレガート表現の的確さには舌を巻く。求道的すぎるというか遊びが欲しいし色が欲しいしピチカートはロシア人みたいにバチバチ指板に当てて欲しいものだが、録音が迫力を捕えきれてないだけのようにも思える。弱音の響きの美しさ、情趣は寧ろプーランクのものだ。うーん、ジャンドロンにくらべ聞き劣りは否めないので無印。

※2005/7/12の記事です
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