りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

かくれんぼ。

2011-10-31 | Weblog
今日、 awesome!から僕の新しい作品が発表された。

タイトルは、「かくれんぼ」。

先日来より日記で取り上げている「おかえり」、「ふたり」、
「Thank you」に続く妖精シリーズだ。

この妖精シリーズ。
僕が創った作品の中では、比較的みなさんから好評を得ていて、
購入してくださる方々も多い。
本当にありがたいことだと思っている。

一連のこれらの作品を見られて、みなさんから「ハートフル」とか
「ファンシー」とか「癒される」という感想をいただくことが多く、
作者としては嘘偽りなく嬉しい気持ちでいっぱいだ。

しかしこれらの作品を描いている時、当の作者本人もハートフルな
気持ちで描いているか?と尋ねられれば、実はそうでもない。

逆に、重い気持ちで制作しているような気がする。

今回、新しく発表した「かくれんぼ」は、実際にポスターの制作に
入ったのは10月の上旬だったのだが、デザインのコンセプトを発想
したのは、夏の初め頃だったような記憶がある。

ちょうどその頃、東日本大震災での死亡者数が行方不明者数を上回った。

つまり、行方不明者の方の方が少なくなったのだ。
その頃から、少しずつ世間の間に3.11直後の未曾有の大混乱が、収束に
向かいはじめている空気を僕は感じていた。
まだ、見つかっていない人が大勢いるのに・・・。

この絵は、そんな空気から生まれた。

これ以上は、もう制作意図は語らないが(本来、作者は語るべきものでは
ないだろう)、タイトルに込めた意味や、全体の色のトーンがなぜ深い海
のようなトーンなのかは、大体察しはついていただけると思う。

僕と懇意にしてくださっている方はよくご存知だと思うが、僕は仕事とは
別に、プライベートでも小説を書いたり、こうやってポスターをデザイン
したりしている。

今年もあと2ヶ月になった。

振り返ってみると、今年、僕は小説を1本も書かなかった。
3月に「福山文学選奨」という文学賞で最優秀賞をいただいたが、あの小説は
去年の春から夏にかけて執筆したものだったし。
しかも、あの文学賞の授賞式は、奇しくも震災の2日後だった。

あれ以来、どうも僕は「言葉」からちょっと距離を置いたような気がする。
大げさでおこがましいかもしれないが、あの震災の信じられない光景を目にして、
「言葉」の持つ力というものが、自分の中で疑心暗鬼になったのかもしれない。

その代わりのように、今年はポスターを描き続けた。
東京で開催した個展用も含めて、全部で3本。
ちなみに昨年は、1本だけだった。
1本制作するのに、発想からアップロード(発表)まで3ヶ月くらいかけることを
考えれば、僕にとっては驚異の本数だ(笑)

来年がどんな年になるか分からないけど、また「言葉」に帰っていければ、と思う。
そうやって「言葉」と「デザイン」の間を、ゆっくり気ままに振り子のように
行ったり来たりすることが、僕らしい創作方法だと思うので。

「かくれんぼ」→http://awesome.asm-shop.com/?eid=726972
コメント
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