りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

12インチ・シングル。

2012-07-09 | Weblog
ボクは、80年代に10代を過ごした。

だから今でも心に焼き付くように残っている音楽のそのほとんどが、80年代の音楽だ。
所有しているウォークマンには何百曲とインストールしているのだが、その5割~6割は
80年代の曲じゃないだろうか。

先日、夜中にPCでモーラ(アップルで言えばiTuneだね)を大した目的もなくチョコチョコと
いじっていたのだが、そしたら、とんでもない曲を発見した。

それは、Simply Redの「Money's Too Tight (To Mention)」の12インチバージョンだった。

Simply Redは1985年にデビューしたイギリス・マンチェスター出身のブルー・アイド・ソウル
(ちなみに今ではこの言葉も差別用語らしい)バンドで、「Money's Too Tight (To Mention)」は、
彼らのデビュー曲だ。

ここでボクが驚いたのが、“12インチバージョン”。

“12インチ”と言っても、今の若い子たちには何のことだかさっぱり分からないだろう。
80年代の半ばから後半にかけて、音楽シーンには“12インチ・シングル”というメディアがあったのだ。
32回転のLPレコード(これも説明が必要なのかもしれないけど、面倒だから割愛)と同じ大きさで、
片面に約10分前後のロングバージョンにアレンジされたシングル1曲が収録されているという、
贅沢なのか無駄なのかよく分からないレコードだった。

ボクも当時、何枚かの12インチシングルを持っていた。
佐野元春、浜田省吾、ボウイ、マドンナ、パワーステーション・・・etc.
「Money's Too Tight (To Mention)」の12インチバージョンも欲しかったのだが、結局買わなかった。
その代わりに、街のレンタルレコード屋で借りてカセットテープにダビングして、毎日聴きまくった。
高校時代から20才前後まで、そのカセットテープはボクにとって歯ブラシや箸のように生活必需品だったのだ。

しかし時代が変わって、音楽のメディアも、レコードからCD、カセットテープからMD、そして今では、
ネットでのダウンロードの時代になってしまった。
“12インチ”という言葉も、気がつけばその時代の激流の中で見事に埋没してしまい、我が家にも、レコードや
カセットテープはあっても、それを聴くレコードプレーヤーやカセットデッキは、今はもう、ない。

だから、驚いた。

80年代後半のわずかな時期だけにピークを迎えたバンドの、“12インチ”という、もはや世界遺産になりかけの
メディアの音楽が、まさかまさかまさか、ネットの世界で販売されているとは想像だにしなかったのだ。

ボクはもう二度とあの12インチバージョンを聴くことはできないだろうと、半ば諦めていた。
だからモーラのディスプレイに表示された“Simply Red「Money's Too Tight (To Mention)」12inc”という文字を
目にした時、驚きとともに感動さえして、はからずも目頭が熱くなってしまった(最近、涙もろくなったような気がする)

もちろん、ダウンロードした。

“「Money's Too Tight (To Mention)」12inc”は、今、しっかりとボクのウォークマンの中にインストールされている。
高校時代に聴いたあの頃のサウンド、メロディ、ボーカル、そして無駄に長いバージョンそのままに。

今夜、晴れるだろうか?
もし晴れたら、ウォークマンをポケットに突っ込んで、イヤホンから流れる“「Money's Too Tight (To Mention)」12inc”を
聴きながら、ジョギングに出かけようと思う。

●12インチバージョンじゃないけど、通常バージョンの“「Money's Too Tight (To Mention)」。でも、カッコよさは双璧☆
Simply Red「Money's Too Tight (To Mention)」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする