rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

一瞬のカワセミ遭遇

2012-08-08 15:24:39 | 生き物たち
まさに正午になろうとするころ、小さい人を迎えに車を走らせていた。
蓮の花の盛りで、ピンクや白の大きく優美な花と大きな丸い葉を風になびかせている。
その道の途中に、フェンスをめぐらせた農業貯水池がある。
田舎の、夏の正午には、行き交う車はほとんどない道、時速50キロあたりでのんびりと運転していた。
その貯水池にさしかかるとき、なぜか「カワセミ・・・はいるかしら」とフェンスの上縁に視線を投げかけた。
すると、フェンスのある一部が飛び出している。
よく目を凝らし、ピントを絞ると、大きめのくちばしを突き出した鳥の形で、羽根のあたりが鮮やかなエメラルドグリーンになっている。
カワセミだ。
車を止めようか迷う瞬間、貯水池の脇の道へ軽トラが進んできた。
カワセミは、貯水池の中へダイビングするように飛び去ってしまった。

ここの貯水池は、中くらいの人が同級生とカワセミを目撃したところ。
こんな夏でもカワセミはいるのだと、驚いた。
涼やかな渓谷とはいかないが、米に蓮の田んぼが小高い雑木の山に入り込み、ささやかな小川の流れに木陰もある。
小さい鳥が、羽根を休めねぐらにするに不足はない。
そのような穏やかな自然が、生き物の楽園でなくてどうするというのだ。

小さい人も、いつか出会えるかもしれないカワセミ。
慣れ飽きた通学路といえども、周囲に細やかな目を向けていれば、きっと素敵な出会いがあるだろう。
人と自然が、程よいバランスで成り立っているこの環境を、いつまでも大切にしたいものだ。