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広がる大草原と青い空、モンゴル:ウランバートル

2012-09-22 23:10:29 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」騎馬民族の国モンゴルの首都ウランバートル。
アレキサンダー大王を凌駕するするほどの一大帝国を築き上げた、初代皇帝チンギス・カンの国。
今も伝統的な移動テント”ゲル”での生活を保ちながら、遊牧生活を送る人がいる国。
どこまでも続く大草原と隣り合う大空は、騎馬民族のためにあるかのようだ。
遊牧生活を営むものたちは、3歳から馬に乗り、人馬一体となる訓練を積む。
しかし、現代化は急速に進み、ウランバートルには高層ビルが立ち並び、一般的な大都市へと変貌している。
昨年は、世界の中で経済成長率が第2位となるほどの発展をしている。

まずは、グルメ。
「アーロール」は、ヨーグルトの水気を切り、天日干しにして作る、酸味が効いた乾燥ヨーグルト。
「アイラブ」は、馬乳を発酵させて作る伝統飲料。
子供の頃から飲んでいて、健康な体になるといわれている。
ただし、飲みすぎると酔っ払うらしい。
モンゴルは、羊の肉が一般的。
「ホルログ」は、羊の肉を焼いた石で表面に焼き目をつけ、それから柔らかくなるまで1時間煮込む。
味付けは、塩と少しの香辛料のみで、肉の旨みを堪能できる。
「ホーショール」は、羊のミンチを包み込んだ大きな揚げ餃子。
モンゴル定番のファストフードで、肉汁たっぷりみんな大好きな食べ物。
最近の流行は、「モンゴリアンバーベキュー」。
巨大な鉄板で、セルフで選んだ具材を勢いよく調理人が焼いてくれる、アトラクション性の強いもの。
その昔、遠征をしていた兵士達が、盾を鉄板に剣をヘラに見立てて肉を焼いたという逸話からヒントを得たとか。
北海道グルメに、ジンギスカンがあるが、チンギス・カンは時を経て、海を越え遠征してきたのだろう。

ナランホル市場は、何でも売っている市場。
日用雑貨や食品は当たり前だが、ゲルや馬の鞍などなんでもある。
そこには、モンゴルの特産フェルトも。
ウランバートル郊外に、フェルト作りの体験できる施設があるので、自分だけのフェルトの小物を思い出に作るのもよいだろう。

モンゴルの伝統スポーツに、今ではよく知られているモンゴル相撲は、男性のスポーツ。
女性のためには、コントーション、軟体芸がある。
中国雑技団に並ぶとも劣らないその脅威の柔軟な体。
モンゴルの人特有な体質ではなく、地味な練習の積み重ねで獲得するのだという。

都市化の進んだウランバートルでも、「毎朝、ミルクを空に撒く」習慣は、頑なに守られているらしい。
遊牧民であったとき、自然の恵みに感謝する儀礼として馬乳を天に向かって捧げていたのだ。

ヨーロッパに向かう飛行機の窓から、なだらかな丘がどこまでも続いく大地を眺めた。
時々ある機内アナウンスと飛行機の航路に照らし合わせ、その大地はモンゴルなのだと思い見ていた。
騎馬隊が、隊列を生して駆け抜けた昔を想像しながら。
一律な価値観が世界を席巻してる昨今、騎馬民族の末裔達は、本当に幸せなのだろうか。
何年か前に、報道特集のような番組で、モンゴルの明と暗をやっていた。
資本主義経済の副産物によって、価値観が大きく変わり、人々の暮らしが殺伐としたものになってきているというもの。
孤児が増え、飢えと寒さに苦しんでいるとも。
国家の近代化における過渡期にありがちだとしても、複雑な心境になった。
人間の幸福とは、一つの物差しで測りきれるものではないと思うが、なにが最良かを言い切る自信は毛頭ないのであった。
それでも、大平原と空は、まだしっかりと存在しているのが譲れない救いだろう。