rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

瓦斯燈に明かりが灯る街、プラハ

2014-05-03 22:50:24 | 街たち
「にじいろジーン 地球丸ごと見聞録」オレンジ色の屋根瓦と木々の緑のコントラストも艶やかなチェコ共和国の首都プラハ。
ドボルザークの生まれた街であるプラハは、重厚なつくりのプラハ国立歌劇場は格式高く、街にある教会ではクラシックコンサートがしばしば催される音楽の都。
中でもクレメンティヌム教会は、毎日午後に一流の音楽家によるコンサートが開かれている。
旧市街広場を臨む高台にあるのは、音楽の都を象徴する巨大なメトロノームのオブジェだ。

さしあたりグルメ。
市中を流れるブルタバ川の川岸では、毎週の土曜日にファーマーズマーケットが開かれて、健康志向のプラハの女性たちの間ではフレッシュジュースの屋台で野菜と果物のミックスジュースが人気。
「ウ・セッドレル」は地元料理のレストラン。
”スヴィーチコヴァー”は、牛肉の真ん中にベーコンを入れて野菜とともに煮込んだものに、サワークリームやラズベリージャムを沿え、蒸しパンのようなクネドーリキとともに食べる。
”ブシュテシナピヴ”は、黒ビールでソーセージを煮込んだもの。
静かな路地の先にある「テラサ・レストラン」は、高台に面したテラスからプラハのオレンジ色の屋根が続く街を一望できる絶景ポイント。
ここの”ブラム・ラビオリ”は、プラムジャムを入れた小麦粉で作るラビオリを茹でて、ヘーゼルナッツにアイスクリームとフルーツをあわせて食べる甘酸っぱいスウィーツ。
ビールの個人の年間消費量が世界一のプラハならではのビールの供は、ビールの泡をチーズに混ぜて作るふわふわとやわらかく軽い口どけの”ビヴニー・スィール”。
また、「ベルナルド・ビール・スパ」は、美肌効果のあるビールの酵母やホップを混ぜいれた温めのお湯に浸かりながら、脇にあるサーバーからビールは飲み放題のまさにビール天国だ。
チェコには昔より「ビールは薬と同じ」の言い伝えがあるくらいなので、心身ともに癒されることこの上なし。

つぎにチェコの工芸品。
「スマルタン」は、ほうろう雑貨の店。
赤や青に黄色などカラフルでかわいいデザインのキッチン用品が主流で、プラハの女性たちに人気絶大。
ほうろう製の手ごろなアクセサリーなども扱って、お土産にもうれしい。
「チェスキー・ポルツェラン」は、チェコを代表する食器メーカーで、ブル-オニオンの名称で親しまれている。
食器に描かれているタマネギと思しき絵柄がこの名の由来だが、本当はザクロであり、ザクロを知らなかった昔の人たちがタマネギと思ったことに起因する。
もともとは、ドイツのマイセンから伝わった技術で、19世紀中ごろからチェコで作られて今に至る。
チェコでは、マリオネット演劇が盛んで、マリオネットを扱う店も多い。
「トゥルハーシュ・マリオネティ」は、劇場用のマリオネットを製作する傍ら手作りマリオネットの体験ができるところ。
役に応じたさまざまな顔のパーツに衣装などが用意され、顔を描いたり自分好みのマリオネットを作り上げていく楽しみがある。
ちなみにチェコでは、魔女は女性の守り神のシンボルとして、不吉な象徴でないみたいでちょっと意外。
ジンジャー・ブレッド博物館は、伝統的なジンジャー・ブレッドというクッキーのような飾り物がたくさん展示してある。
もちろんジンジャー・ブレッド、食べられるけれど素朴そのものらしい。

チェコの面白い占い、1年に1回だけ占う女性限定。
自分の靴を後ろ向きに家の中から玄関へと投げ、靴の先が玄関を指していれば1年以内に結婚ができ、家の中だと見込みなしというもの。
他愛のない占いだけど、結婚が女性にとって生きていく術であったころにあっては、かなり真剣で深刻だったと思われる。
洋の東西を問わず、女性が庇護され従属しなくてはならない場合がほとんどで、いまだに女性の人権が認められない国と地域があるのは悲しいことだ。
現在のチェコにおいて、この占いが重きを占めないでいることを期待している。

中世の町並みがそのまま残り、夕方には火を点す人が瓦斯燈を順に回っていくノスタルジーの博物館のようなプラハ。
どうかこれを守り続けてほしい。
不便さを凌駕する文化の豊かさを失わずに。