近所の店舗を改装中だ。 3ヶ月間はお店を休むそうだ。 店先にこの削り台が置いて有った。 大工さんが柱を削る時に使う物だ。 立って鉋をひくときに便利な様に出来ている。 適当な材料を切って組み合わせて現場で簡単に作れる構造だ。 忘れないように写真に撮って置いた。 これなら長尺の柱でも上手く削れそうだ。 確かに材料の性質を上手く利用して 少ない材木で使い易そうな しっかりした物を作っていた。 この方向から見ると構造がわかり易いか。 馬の上に柱を置くよりは はるかに安定性が良いと思われる。
近くに有る食堂 福祉亭のお客様で 高齢のお婆さんが居る。 この方は趣味で太鼓を叩くのだそうだ。 太鼓は直径30センチ程度の小さな物だ。 椅子に座り 台に太鼓を置いて バチで叩く。 その台を作って欲しいと言う注文だ。 その方は既に可搬型の台を持っている。 しかしこれは重くて持って行けない。 練習用に軽い物が欲しいそうだ。 大体2Kg程度にしたいそうだ。 色々作って来たが、 重量を制限されるのは初めてだ。 軽量化を目指して ファルカタ材と科ベニヤを組み合わせて作って見た。 秤を置いて 重量を測りながら作業を進めた。
外観は大体こんな感じだ。 右と左に1個つつ 太鼓を置く。 箱を2個寄集めた物で中央で折畳み1個の箱になる。 中に足を収納する形を取った。 まだこれで完成では無い。 これに取っ手と止め金具が付く。 足は四隅にホゾで差込としてある。 勿論手で抜ける硬さで ガタの無い程度にしている。 結構難しい工作だった。
外観は大体こんな感じだ。 右と左に1個つつ 太鼓を置く。 箱を2個寄集めた物で中央で折畳み1個の箱になる。 中に足を収納する形を取った。 まだこれで完成では無い。 これに取っ手と止め金具が付く。 足は四隅にホゾで差込としてある。 勿論手で抜ける硬さで ガタの無い程度にしている。 結構難しい工作だった。
先日 三島の谷田木材で分けてもらった桜材の一部を切り取り この木皿を作って見た。 厚み約3センチ 一辺が約15センチの皿が出来た。 大まかに丸鑿で掘り取りあえず 大まかな形は掘り出した。 此処に有る小さな鉋を使い 大分滑らかに仕上げたが まだ不十分と思う。 手で触って 気になる凹凸がなくなるまで仕上げたいと思う。 此処から先は 槍鉋を使って仕上げようと思う。 運良く浦田大工にもらった槍鉋が有った。 上手く仕上がったらまた報告しよう。 鑿跡を残す荒い仕上も良いが今回は滑らかな 仕上がりにしたいと思う。
また 依頼人が 材料の桜板と杉板を持って来たので 3個のBOXを作成した。この材料は 荒取りしただけで 鋸目が有るので 鉋で削り仕上げてから加工した。 単純な板を鉋で削るのも結構難しい物だ。 常盤の上で平面を確かめながら削った。 こんな小さなBOXで上手く共鳴して 鳴るか心配だが これで良いと言うので その寸法で仕上げた。 桜は後で聞くと ソメイヨシノだと言う。 少しくすんだ色合いに仕上がった。 暫く置けば更に濃い色になるかも知れない。 硬いようだが それ程削り難い事も無かった。 これにスライドする蓋を付けると良いかも知れない。
多摩センターにパルテノン多摩と言う 公共施設が有る。 此処には大小の音楽ホールが有り、著名楽団を呼び演奏会も開催される。 その施設4階に オルゴールや自働演奏楽器のコレクション展示が有る。 骨董の動体保存なので大変な様だ。 何が大変かといえば 勿論維持費が大変だという事だ。 有料展示しているが 来る人はまれだと思う。 そこの企画担当から 子供遊び用の オルゴールBOXを頼まれた。色々な木で作って 音の違いを聞かせたいと言う。 そこでこの試作BOXを製作した。 材は桜 で縦横10センチ 高さ6センチ程度の物。 この材はまだ乾燥が不十分なので留めの芋付けでは 剥がれる恐れが有ると判断して 片胴付き大入れ接ぎとした。 材にOILを塗ると 結構良い物になった。 音はどうだろうか。 少し小さいと思うが。
この鋸は 私の木工の師匠に当たる 山崎さんからもらった。 その時は刃も欠けて使い難い鋸だったので 保管して置いた。 しかし八寸両刃は小物製作には丁度良いサイズの鋸だと思い、 目立てに出した。 戻って来て 使って見ると良く切れる様になっていた。 これなら使い易いし 今後は活用したい。 鋸が下手なときは 逆を突いて鋸刃を折る危険が有るので いつも替刃鋸を常用したが 折角持ってるのに勿体無いと思い 今後はこっちを主力にしよう。 使うのは殆んど横挽きなので、横挽き刃が減ってしまった。 もう一度切り替え目立てするとあごのえぐりまで来るかも知れない。
今までは鋸は 殆んど替刃鋸を常用している。 理由は切れる両刃鋸が無い為だ。 しかし両刃の八寸鋸も持って入るので使いたいと思うが 鋸使いは下手だし 折っても困るので使わなかった。 今回思い切って目立てしてみた。 この鋸は 近所にお住まいだった方が私のくれた物だ。 無理に引いて 曲げたものか 横挽き刃の中程に割れが入っていた。 このまま使うと刃も欠けるしまずいと思い使わず保管して置いた。悪いものでは無いだろうと 今回目立てに出した。 帰ってきたら 横挽き刃は切り替え目立ての為、かなり狭くなってしまった。 縦引きと比較すると身幅の減りは良く判る。 使って見ると良く切れた。 早速使っている。 小物の製作には丁度良い大きさの鋸だと思う。 銘は上手く読めない。 とりあえず無理に読んで見た。 誤読の可能性を否定できない。
この鋸は 以前知り合いになった 元大工の棟梁 T氏からもらった。 弟子が使った物か 相当ひどい状態で 歪が有りまともの切れない状態だった。 柄も割れており交換が必要なので 今回目立てに出して見た。 刃が2本程度折れているので切り替え目立てしますかと聞かれたが そうすると一旦刃を総て取り去るので 身幅が相当狭くなる。 胴付鋸は背金が有るから 身幅が狭いと使い難いので サライ目立てをしてもらった。 柄も交換した。 柄は桐材の割りと細い物が付いて帰ってきた。桐材の柄は使っても 摩擦で手が熱くならないと聞いている。 まだ充分使い込んで無いのでその件は不明。 鋸身は相当腰が抜けて 狂っていたらしい。 修正に時間が掛かったと言っていた。 胴付鋸は使えるものが3丁になった。 なるべく活用していきたいが。
会場体育館の外 テントの中で 川越の鋸鍛冶 中屋滝次郎の木の葉鋸の実演が有った。 今は使われていない 歴史的な物も 製作して研究していると聞いている。 今は 鋸は殆んどが替刃鋸に替わり、売れない時代にも関らず 鋸鍛冶で生計を立てるのは大変だろうと思う。 道具曼陀羅の本で 既に知ってはいたが、 折角なので この中屋滝次郎の仕事(鋸製作過程を説明する資料) と中屋滝次郎家の歴史(歴代の人柄と仕事)の2冊を祈念に買い求めた。 200円でした。 これが今回の収穫だ。跡継ぎは 居るかどうか知らないが 長く続いて欲しいものだ。
わざわざ台屋に出して 鉋刃を台入れしたのは 色々研究する目的も有る。 すぐ使いで頼んだので 台も完全に調整されてるはずだ。 もらってすぐに台下端を調べた。 するとこの鉋は 台頭と刃口と台尻の3点で 平面を出して有った。 湿度の為 若干狂って来てはいるが 台頭も 刃口も 台尻も 極狭い幅5ミリから1センチ程度が 当たる様に調整して有った。 私は仕上鉋は刃口と台尻の2点当たりに していたが この方がぐわい良ければその様に改め様と思っている。 一方台は 柾目取りで年輪は比較的つんでいるが 割れ安いとも聞いているので 追い柾目台にした方が良かったかなとも思う。 少し使って様子を見ないと判らない。 刃も良く研げているが、自分で研ぎ直した。 刃裏が上手く砥石に当たらないので 少し裏出しした。 何となく刃先が上手く砥ぎ上がらない。 それに少し丸刃になった。 砥石の平面を直して再度やり直した。 大分良くなったが充分とは言えない。 まだ人に見せられる砥ぎでは無い。結局研ぎ直しと自分の癖が出るから、結論から言えば すぐ使い出なく9分仕込みで良かったかも知れないな。