今年も 終わりだ。 鉋の蒐集も500丁に近くなって来た。 その内20丁位は 他人にプレゼントした。 骨董市でも鉋はなるべく買わない様にしている。 今回はカマ罫引きだ。 これは矢張り一丁では困る。 出来れば何丁か欲しい。 そこでこの罫引きを手に入れた。 350円だった。 多分来年も骨董市には行くだろう。 見れば色々欲しくなる。 欲望は限が無い。 それでも小使いの範囲内で何とか成るから、有り難い。 来年も外に出歩く事が出来る限り なるべく外に出て 色々見て廻りたい。 それが ボケ防止にもなるだろう。
もう一丁小鉋を持って来た。 刃幅36ミリ 銘 読めず 二枚刃平小鉋 である。 この鉋も二枚刃だが 裏刃を合わせる時、金槌で裏刃を叩いただろうが、その打痕が本場に残っている。 その場所が 銘の有る部分なので 銘が読めない状態だ。 それでも 銘の入るまともな鉋の様だ。 この鉋は耳を落として無かった。 耳の部分に鉋屑が引っ掛かって使い難いはずだが、どうした事だろうか。 まあ糸面取りに使っていたのだろう。 それ程使い込んだ様でも無いから まだ十分使える 小型の使い易いサイズの小鉋だろう。 台の上端に丸い傷跡が沢山ある。 何をした物か判らないが 鉋にこんな傷を付けるのは無神経と言うべきか。 道具は大事に扱うべきでは無いか。 これも極普通の小鉋だろう。 使用頻度もそれ程多く無いから、特別切れないと仕事に支障が出るという程の事も無いのだろう。 むしろ切れれば他の役物鉋に作り替える事も有るから、出来れば安く手に入れたいと言う事だと思う。
以前借りて来た 石堂鉋は返却した。 替わりにこの小鉋を借りてきた。 刃を研ぎ直して 整備する為だ。 銘は 国明 刃幅48ミリ 台は 丸栄 と成っている。二枚刃の平小鉋だ。 比較的まともで それ程傷んでないが、刃は矢張り 丸刃に研がれていた。 台の感じからするとそんな古い物では無い。 乾燥で台が収縮しているので刃の入る溝の脇を少し削り取ってやった。 これで台下端を修正したら 使えるだろう。 裏刃は 鉄板を折り曲げて安物鉋に使われて居る物が付属していた。 そんな高級品では無く 実用の普通の仕事鉋なのだろう。 早めに返却してやろう。
ヤスリを箱に入れて売る業者が居た。 見るとヤスリに紛れて 玄翁が出て来た。年季の入った玄翁だ。 300円と言うので買って見た。 重さは約300g有る。 銘を調べたが無かった。 頭部の打撃面には焼入れがして有り 硬いがそれ以外は柔らかい鉄を使って有るらしい。 写真ではわかり難いが、かなり強く打たれたらしく、打撃面の脇が 型崩れしている。 崩れは均等ではなく片方が大きく崩れて居る様だ。 此処まで崩れると直すのは難しいかも知れない。 しかし少しつつ叩けば元に戻る可能性もある。 柄の入るひつの部分と打撃面が膨らんで その中間がくびれるこう言う形が私は 好きだし、玄翁で最もバランスの良い形だと思う。 だから多少形が崩れているが購入した。
打撃面のだれが気になるので 金槌で少し叩いて見た。 脇にはみ出した鉄の部分を金床の上で叩くと少し戻った。 これは冷間圧延の原理かな。 片側は ほぼ支障ない状態まで戻ったが、 もう片側は戻ってない。 気長にやれば戻るのかも知れない。だが変形量が大きいから無理かも知れない。
打撃面のだれが気になるので 金槌で少し叩いて見た。 脇にはみ出した鉄の部分を金床の上で叩くと少し戻った。 これは冷間圧延の原理かな。 片側は ほぼ支障ない状態まで戻ったが、 もう片側は戻ってない。 気長にやれば戻るのかも知れない。だが変形量が大きいから無理かも知れない。
大和駅に近い広場に陣取る 多くの業者の中に 箱に数丁の鉋を入れて売る若い店主がいた。 この箱の中はどれも300円だと言う。 見るとどれも酷い状態の物ばかりだ。 その中でこの鉋が唯一使えそうだ。 見ると裏刃が無い。 箱の中をかき回して探すと 裏刃が落ちていた。 その刃を差し込んで 300円で購入した。 この鉋が300円なら文句は無い。 銘は右片に特技 是之 左下に花押が有る。 総て鏨で切銘となっている。 刃の全長は90ミリ程度あるから、まだそれ程使って無いと思う。どうして放出したのだろうか。 何か不満が有ったのかも知れないが その原因は今の所不明。 少し研いで見たが それ程悪くは無い。 刃口が開いているのでもう少し詰めたい。 刃先は斜めに研がれて居たので修正している。 刃が研げたら台を整備して試し削りして見よう。 切れたらまた報告したい。 大和は 都合で滅多に来られないが、来ると色々道具類を買い込む。 私の欲しい物が結構出ている市だと思う。
その後 刃を研ぎ直した。 これで十分と言う程では無いが ある程度研げたので台に入れて使って見た。 まあまあの切味だ。 もう少し丁寧に研げばもっと良くなる可能性は有りそうだ。 まあ使える鉋で良かった。 裏をもう少し綺麗に研ぎあげたいと思う。
その後 刃を研ぎ直した。 これで十分と言う程では無いが ある程度研げたので台に入れて使って見た。 まあまあの切味だ。 もう少し丁寧に研げばもっと良くなる可能性は有りそうだ。 まあ使える鉋で良かった。 裏をもう少し綺麗に研ぎあげたいと思う。
これも大和の収穫品だ。 余り買う気も無く 見ていたが、この銘の下に有る花押が 何処かで見覚えの有る物だったので 購入した。 350円だった。 一枚刃の鉋だが 台を見ると二枚刃の鉋の様な作りだ。 台は完全柾目取りで この刃とは吊り合いが悪い。 刃口も4ミリ程度 空いており、これでは逆目も止まらない。 この刃と台は別々の物を併せたのかも知れない。 少し研いで見たが 比較的柔らかい鋼で研ぎ易い。 案外と切れそうな気もする。 台を直して少し使って見たい。 しかしこの柾目台は台頭部分が割れそうだ。 何か養生が必要かも知れない。
その後 台を整備して 少し使っている。 刃口が広過ぎるので 少し刃口を埋めてある。
鉋台の平面を出す時に この鉋で削る様にしている。 硬い樫の木なので 少し使うと刃先が
白く摩耗して来る。 それでも他の小鉋よりはまだ。 この刃に有る花押は 初弘鉋に有る物
と良く似ている。 もしかして これは初弘系統の鍛冶屋さんが作った物かも知れない。
だから 良く切れるのかも知れないな。 もう少し使って研ぎ減らして様子を見ようと
思う。
その後 台を整備して 少し使っている。 刃口が広過ぎるので 少し刃口を埋めてある。
鉋台の平面を出す時に この鉋で削る様にしている。 硬い樫の木なので 少し使うと刃先が
白く摩耗して来る。 それでも他の小鉋よりはまだ。 この刃に有る花押は 初弘鉋に有る物
と良く似ている。 もしかして これは初弘系統の鍛冶屋さんが作った物かも知れない。
だから 良く切れるのかも知れないな。 もう少し使って研ぎ減らして様子を見ようと
思う。
大和の収穫物は多い。 これはその1つの 反り台鉋だ。 多分平鉋を反り台に作り直した物だろう。 この相撲取りの図柄が気に成り 購入した。300円だった。 刃幅60ミリ 全長70ミリでまだ十分使えるし、台もしっかりしている。 相撲取りの化粧廻しに 小錦と有る。 小錦と実在の相撲取りの名前を銘使っても良い物だろうか。 鉋刃と相撲取りとどう言う関係で繋がっているのか知らないが、以前大関と言う鉋を手に入れた事が有るので おなじみの図柄かも知れない。 下に山大と刻印が有り これは何処かで見たような気もする。 少し研いで見たが 悪くは無さそうだ。 これは いずれ使って切味を試して見ようと思う。
大和骨董市を見て廻り、ある店でこの釘抜きを手に入れた。 これは食切りかも知れないな。 100円と言うので形が面白いから早速購入した。 錆を落とすと銘も有った。 正の次ぎの二文字目は金片に助という文字らしい。 この鍛冶屋さんは農具を作る 鍛冶屋だったかも知れない。 これでジョと読みすくと言う意味の様だ。 ジョウレンと言う農具が有るが そのジョらしい。 面白い物が有るものだ。 私は初めて見たが 案外と世の中には普及していた物かも知れない。
12月になり、何かと気忙しい。 友達に行きたいと請われて久し振りに大和骨董市に行った。 頑張って朝早く 8時前に着いて 友達と待ち合わせした。 そこでこの鋸を手に入れた。 この業者は布田天神に店を出す人だ。 刃先に大きな欠けが有るから100円で良いと言うのでこの大鋸を買って来た。 それ程曲がりも無いし、柄には漆を塗った跡があり、案外大切に使った物かも知れない。 現状 鋸は替刃鋸が有るし、電動鋸も安く買えるからこう言う大鋸の出番は無いだろう。 第一慣れてなければこんな鋸は体力的に使いこなせない。 銘は 上手く読めないが 切り銘では無く、刻印を使っている。 関西系の鋸に多いと聞くから もしかすると関西で作られて物かも知れない。 錆をナイフで削り落として OILを塗布した。 一部に深く錆が食い込んだ部分が有るから そこから更に錆が拡大するかも知れない。 使うつもりなら目立てに出さないと駄目だが、かなりの出費となるので思案中。 まあそれ程使う機会は無いと思う。 刃渡り31センチ有るので尺一寸とした。 飾って眺める物かな?
先日家具を製造している会社の社長が 道具箱を持って来た。 この会社で働いて亡くなった職人さんの道具だと言う。 中に石堂の鉋が有ったので、参考に研がせてもらった。 これは六分の鉋だ。 台が厚く 刃が短いから 二代目の台かも知れない。 裏刃を見ると 権次となって折り 共裏ではない様だ。 荒仕上 又は中仕上に使ったのか かなり中高に研いで有った。 刃口も開いていたから 仕上用では無いだろう。昨日まで使った様に、削り屑が刃先に付いたままだった。 状態は良くないので 私が研ぎ直した。 台も均して少し使って見たが さすがに良く切れた。 銘は石堂 輝秀 右片に凡字 左下に花押があり その下には東京鉋組合の例の錨マークが有った。 裏刃を詰める時 刃裏を叩くので 輝秀の文字が良く見えない。 それが良いと言う人も居るが私は賛成しない。 仕事が忙しくて 鉋の手入れは それ程行っていなかったと言う感じの鉋だ。 私も鉋はたくさん持ってるから 欲しくは無いが 職人の道具箱と共に展示会に出せば 道具と職人の供養になるかも知れない。 共用道具としても良いが なかなか使いこなせ無いし、手入れも難しいと思う。
この鉋を 鉋使いの上手い人に見てもらった。 彼は裏刃が駄目だと言う。 裏刃が台の中に入り込んでいて 上手く合わせ調整が出来ないから、もう少し長い裏刃に交換した方が良いと言う。 なる程普段硬いカバ材を使い仕上鉋を掛ける この職人さんは矢張り 裏刃に仕込にもシビアな意見を持っている。 私は何とか合わせられると思い気にも留めて無かったが、聞いて納得したし大変参考になった。
この鉋を 鉋使いの上手い人に見てもらった。 彼は裏刃が駄目だと言う。 裏刃が台の中に入り込んでいて 上手く合わせ調整が出来ないから、もう少し長い裏刃に交換した方が良いと言う。 なる程普段硬いカバ材を使い仕上鉋を掛ける この職人さんは矢張り 裏刃に仕込にもシビアな意見を持っている。 私は何とか合わせられると思い気にも留めて無かったが、聞いて納得したし大変参考になった。