昭和60年10月に大田区立郷土博物館で行われた特別展の資料である。展示会を見に行って入手した。 職人の使う道具類について詳しく記述されている。 台屋 布川症太郎氏の鉋台の製作実演を見学して、 自分の鉋の台を掘ってもらった。 今は道具類はどうなって居るだろうか。 無事保存されている事を願う。 穴屋大工の特別な鑿(鋼が山入れになったもの)は珍しく 自分も欲しいと思いずいぶん探したが 見つからなかった。
朝日新聞からもらった ただ券が有ったので、上野 国立博物館まで大哺乳類展を見に行った。平日だったので それ程混雑して おらず助かった。 生物多様性や地球と生態系が云々される昨今を 反映した展示だろうと思う。 哺乳類といわれる乳で育てる動物が地上で繁栄したのは 環境が適していたのか 或いは環境に適応する能力が高かったのだろうか。
骨格標本を見たが、やはり歯が大切だと 新たに認識した。展示は面白いが、やはり長時間になると疲れる。 特に展示途中に休憩する場所が余り無くて まいった。
骨格標本を見たが、やはり歯が大切だと 新たに認識した。展示は面白いが、やはり長時間になると疲れる。 特に展示途中に休憩する場所が余り無くて まいった。
骨董市で買った 鑿を強く叩いたら、柄が折れてしまった。 柄の材が腐っていたらしい。 仕方なく柄を付け替えて見ることにした。 材料は手元に有った多摩産のクヌギの木を使う。 これは間伐材を拾っておいた物だ。 思わぬ所で役に立った。 本来は白樫を使うが、柄付けの試行なので 材は何でも良かった。 20ミリ角棒を作り それを丸棒に削る。 適当な長さに切り 端に6φの穴あけを行う。 次に口金部分を円錐に削りだす。 口金を取り付けたら 端に開けた穴を少しつつ四角にしながら鑿の尻が入るように削る。 最後は鑿を叩き込む。この手順で 約半日掛かった。 完成品がこの写真。 柄と鑿が一体に直線にならないといけないが そこが一番難しい。 しかし一応手作りでも出来ることが判った。
道具鍛冶の名人と言われた 千代鶴 是秀氏の遺作を 本にまとめ、かつ人物を紹介した極マニアックな本だ。 確かに写真で見ても すご味のある道具だ。 使う道具と言う言うよりも 作品として 神棚に奉る物かも知れない。 確か江戸熊の鑿は竹中道具館で見たはずだ。 道具が最も発達したのは 昭和前期と言われている。 そう言えば私も千代鶴と銘のある 鉋を持っている。 多分偽物だろうが。
これも道具の説明と仕立て方等が細かく書いてある。 秋岡氏の集めた道具の紹介見たいな本だった。 しかしこうした道具類 特に刃物に興味を持つ人は多いと聞く。 そこには何か 独特の魅力が有るのだろう。 そこからその道具を使う木工に進んだという事だろうか。
シェーカー家具の製作で知られた藤門 弘氏の本だ。 本には道具の使い方や説明も載っており参考になる。 どれか一つ作ろうと思うが、結局実現せず 本は読むだけで終わった。著者は現在はシェーカー家具の製作は行ってないと聞いているが、祥細は不明。 しかしシェーカー家具のデザインは私は余り好きでは無い。 この本の中に一つだけ ミッションチェアの製作記事が載っている。 これなら作っても良いかなと思う。
物を創作する原点は、本来人間が持っている創作意欲を満たそうとする欲求と著者は言う。技術が問題では無く、物を創作する過程に意味が有るとも著者は言う。 成るほどごく初歩的な道具で作れる小物類が多い様だ。 暮らしに密着する道具を自分で作り使う。 これが創作の原点だとも言える。 この本に載る小物はどれも作れそうなイメージの物だ。 こう言う小物類を作る事は一時流行した。 その先駆けと成る本ではないかと思う。 私もこれを見てスプーンや箸を作ったりバターナイフを作ったりした。 楽しく集中できた。 物を作る事は、一種のストレス解消に役立ったと思う。
柿谷氏の家具は見た事が有る。 どっしりと落ち着いた家具で それ程飾りは無く安心感がある。 作り方も詳しく記述されており、家具を作りたい人にはより実践的な本かも知れない。 それに紅松を使い 通しホゾでしっかり作っている。 それに手道具でも何とか作れそうな感じがする。 大変に参考になった。 氏の家具が骨太なイメージを与えるのは 材料が松で 比較的厚い材料取りをしている為だと思う。 しかしだから何となくやぼったいイメージかと言うと そうでも無いのが、良い所だ。
主に道具の説明と使い方が書いて有る様だ。 既に見る機会も使う機会も無くなりつつある大工道具について もてる知識を残そうとした物かも知れない。 だが使い方の本質は言葉では伝わり難いと思う。 それは言葉から理解する物では無くて 身体で(手で)憶える物だと思うからだ。 それでも時々出して 挿絵や記述を読み楽しむには良い本だ。
その前に書いた 大工道具入門 の焼き直しかも知れない。 道具の進歩に応じて新しい電動工具の紹介も有る。 永雄氏は著述翻訳業の傍ら むしろ趣味として道具研究をしていると思う。 知り合いの道具屋から 相当詳しい資料や情報を得て それを纏めた様だ。これだけ本に纏めるには 相当自分でも勉強して 道具も使いこなしたと思われる。 人から得た知識だけでは 本質を上手く伝えられないだろう。 読み物として面白い本だ。