あなた
今日も良い天気。雪はいっぱいあるけれど、キラキラ眩しいよ・・・春が足踏みしているよう・・・
外に出る元気がないので、やっぱり古い本をひっぱりだしました。
その本を読みながら昔あなたと歩いた山を思い出しました。あなたが見たがっていた!野草だったよね・・・
野草だから何処にでもあるような気がしましたが、なかなか見つからず、すっかり疲れてしまったわたし・・・
あなたは折れて落ちている丈夫そうな木を拾い、引っ張ってくれたよね。嬉しかった。そして私は言ったよね
「これって今だからいいけど、もし、あの世だったらどうするかな?いくら呼んでも聞こえないだろうし・・・」すかさず、あ
なた 「いいよ杖3本ぐらい入れてやるから・・・」そう言った。その約束も忘れたかのように、さっさと先に逝っちゃた、
残された私結局ひとり。
これも、私に与えられたものなのでしょう・・・か?
吉田兼好
【雪のおもしろう降りたりし朝】
雪のおもしろうふりたりし朝(あした)、人のがり言ふべき事ありて文をやるとて、雪のこと何とも言はざりし返事(かへり
ごと)に、この雪いかが見ると、一筆のたまはせぬほどのひがひがしからむ人の仰せらるること、聞き入るべきかは。
かへすがへす口惜しき御心なりと言ひたりしこそをかしかりしか。
今は亡きひとなれば、かばかりの事も忘れがたし。
(現代語訳)
雪が趣深く降っていた朝、ある人に言わなければならない事あって手紙をやろうと、用件だけ書いて雪のことは何も書
かなかった、すると、その返事に、この雪についてどう思うのかを一言もおっしゃらないような無風流なひねくれた人の
頼み事は聞き入れることなどできない、どうみても情けないと書かれていたのは、まことに面白いことだった。
その人は今は亡き人なので、この程度のちょっとした事も忘れられない。
その時代に生きた人達はこの様にゆったりと優雅に生活できたのでしょうか・・・
今だから、このような人たちの有り方が、良いとおもうのでしょうね・・・