『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

雪の日は哀しい物語が似合うようです……

2013-12-22 13:52:17 | Weblog

 

                                     

   あなた

 雪降りです。

 静かに音もなく庭を覆いつくして…

 こうゆう日嫌いではない…けど淋しい。

 何もせず、ただ雪が降るのを眺めているだけ…

 雪囲いした木々の上にも雪がいっぱい…何に例え様もない淋しさ…だけど風情があって…

 

 静かすぎます。

 

   清少納言    冬の件

 冬は つとめて 雪のふりたるはいふべきにもあらず 霜のいとしろきも 又さらでもいとさむきに 火などいそぎおこして すみみもてわた

るも いとつきくし ひるに成りて ぬるくゆるびもていけば 火をけの火も しろきはいがちになりてわろし

 (冬は、朝早い頃がよい。雪が降った時はいうまでもない。霜がとても白いのも、またそうでなくても、とても寒い時に、火を急いで熾し

て、炭をもって通っていくのも、とても似つかわしい。昼になって、寒さがゆるくなってくる頃には、火桶の火も、白い灰が多くなってしま

い、よい感じがしない。)

 わたしは、やっぱり清少納言がすき。

 それは「藤原定子」を心から尊敬しているから…定子は薄幸の人と思う。

 自分の意思に関係なく権力争いに巻き込まれ?と言うより叔父「藤原道長」の栄華の犠牲者だったように思う。

 享年24歳あまりにもはやい死に天皇はじめ、周りの誰もが落涙した。

 やっぱり、悲しいね。

     知る人も なき別れ路に 今はとて 心細くも 急ぎたつかな

     煙とも 雲ともならぬ 身なりとも 草葉の露を それと眺めよ 

 一条天皇皇后定子は、3人目の御子を懐妊、お産が近づくにつれ今までのお産とは、ちがう体の変調に気づいた。彼女の死後、帳

 の紐にこの歌が結び付けられているのが発見され宮中は、新たな悲しみにつつまれた。とのこと…

 安西篤子作『悲愁中宮』泪しました。そのほか円地文子作『なまみこ物語』~もっとあるのでしょうが、私は、この2冊だけです。

 

 雪の日は哀しい物語が似合うようです。