あなた
冬の庭は相も変わらず同じ光景です。
多少の差はあっても殆んど変わらず…って言う所でしょうか。
昨夜はもっともっと降ると思ったのですが…私のところは避けて降ったようです。
これは本当です。
除雪に来た方、言ってらした「除雪したみたい」って「うちの方は、かなりの量だった」って
だから、ここはしなくてもよいくらいだって、言って下さった。
そうあなたに言ったら「ハハッハ」って顔して笑ったよね…
今日はお陽さんが顔を出し昨夜降った庭の雪が”キラッキラッ”って眩しく!輝いている。
例のごとくわたしは炬燵の中で本を繙く。
浮雲はしがき
薔薇の花は頭に咲いて活人は絵となる世の中独り文章のみは黴の生えた
ちんぷんかんの四角張りたるに頬返しを付けかねまたは舌足らずの物言いを学びて口に涎を流すは
拙(つたな)しこれはどうでも言文一途の事だと思い立っては矢も盾もなく文明の風改良の
熱一度に寄せ来るどさくさ紛れお先まっくら三宝荒神さまと春のや先生を頼み奉り欠け硯に朧の月の
雫を受けて墨摺り流す空のきおい夕立の雨の一しきりさらさらさつと書き流せばアラ無情(うたて)
始末にゆかぬ浮雲めが艶(やさ)しき月の面影を思いがけなく閉じこめて黒白も分かぬ烏夜玉(うばたま)
のやみらみっちゃな小説ができしぞやとわれながら肝をつぶしてこの書の巻端に序するものは
明治丁亥初 二葉亭四迷
因みに坪内逍遥と二葉亭四迷は師弟関係で師は逍遥です。
難しいけど、楽しい気持ちで読みました…勿論全部は無理…
『浮雲』(うきぐも)は、二葉亭四迷の長編小説。
主人公の文三とその従姉妹のお勢、友人の本田の3人の姿を中心に描かれている。
言文一致の文体(ダ体)で書かれた日本の近代小説の始まりを告げた作品で、四迷の代表作。
坪内逍遥の『小説神髄』を読んで満足しなかった四迷が『当世書生気質』に対抗して書いた。
当初は坪内逍遥の本名「坪内雄蔵」の著者名で発表され、逍遥は報酬として印税の半分を
受け取っていた。
しかし四迷は出来に満足せず、この後約20年間ほど小説の執筆から離れてしまった。
と、解説に書かれていました。
あなた
今日もこうして暮れていきます。
穏かな日も静かに暮れて…
明日もよい日でありますように…