馬鹿の上塗り アルマーニ騒動 ①
銀座にある中央区立泰明小学校(和田利次校長)が、今春に入学する1年生から、標準服を海外高級ブランド「アルマーニ」がデザインを監修したものに標準服を採用することになり、波紋を呼んでいる。
「安くはないと思ったが、基本一式なら本校の保護者であれば何とか出せるんじゃないか」と記者会見で発言し、更にダメ押しとして「方針を変える考えはない」と、強気の発言だ。
この標準服を基本一式で揃えると4万円余、
ブラウスやセーター、ベスト、ソックス等すべてを揃えると8万円を超えてしまう。
標準服とはいえ事実上の制服にしては、高額すぎるのではないか。
公立校は地域の子どもたちが経済的な負担を受けずに誰でも通える学校のはずです。
「基本一式なら本校の保護者であれば何とか出せるんじゃないか」
という校長の発言は選民意識・差別意識が根底に見えている。
標準服とはいえ、事実上の制服です。誰もが着用しているのに、
我が子だけは別の服を着ると言うわけにはいかないだろう。
夏服、冬服があり、成長に合わせて買い替えも必要だろう。
兄弟がいれば、1着だけでは済まないだろう。
こういうことを考えたうえで、「方針を変える考えはない」と言う校長は、
学校のホームページで次のように述べている。
努力を重ねてまいりますので、どうか、多くの皆様からのご示唆を賜れるよう、よろしくお願いいたします。重ねて、『伝統と風格』が、泰明小学校の金看板であることを納得していただけるような、教育活動の実現に努めることをお約束いたします。(泰明小学校HP学校長より「伝統と風格」から抜粋)
随分身勝手な文章だと思います。
「伝統と風格」などはどこの学校でも用いる常套句ですからいいのですが、
その後の「金看板」にいたっては時代遅れの表現だし、
「伝統と風格」が金看板だという意味が解りません。
どんな伝統があり、風格があるのか具体的な説明もなしに
「金看板」だと主張するのはいかがなものだろう。
もし、この「伝統と風格」を保つためにアルマーニ標準服の採用を強行に推し進めたのだとすれば、
校長としてはとても浅はかな言動だと思います。
「方針を変える考えはない」と脅しに近い言動も、
まったく保護者との話し合いを拒絶するような立ち位置で納得できません。
(ただし、今さらアルマーニとの契約を破棄すれば、
賠償金問題が発生し、公的組織の責任者としては絶対に回避しなければならない場があるのでしょう。
それに、国産メーカーに乗り換えるにしても時期すでに遅しで、
記事の発注やデザインなどは1年以上も前から発注しなければ間に合いません)。
こうした事情も裏にあったための強硬発言だったのでしょう。
「伝統と風格」を守り育てていく行為は、金看板を掲げることではなく、
「学び舎」の中に子どもたちが伸び伸びと元気に育つ環境を整え、
教師も学童もともに歩んで行く姿勢を育てていくことが最も大切なことと思います。
そうした環境の育成こそが責任者である校長の責務ではないでしょうか。
今回の騒動はまさに「笛吹けど踊らず」というバカバカしい結果になってしまうような気がしてなりません。
(つづく)
(2018.02.25) (昨日の風 今日の風№86)
次回は校長の保護者への説明の全文を掲載し、騒動の問題点を考えます。
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