雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

雪に埋もれた温泉宿

2011-03-11 08:11:40 | 季節の香り

 北へ向かって走る鈍行列車で4時間半、駅に着いて迎えの車に乗って50分。

目的の温泉地は今年も期待通り、静かに雪の中に埋まっていた。

 見渡す限りの雪が宿を覆い、人間の腕ほどもあろうかと思われる氷柱(つらら)が鋭利な刃物のように先を尖らして軒先を飾っている。

  3月の上旬、里には梅の香りが漂い、春の息吹が感じられるのに、ここはまだ厳冬の寒さが支配し、木々を眠らせ、鳥たちのさえずりもない。

  ただひたすら雪の舞い落ちる露天の湯につかる。

  時折、松の梢に積もった雪が落ちてきてほてった体を冷やしてくれる。

 

  あまりに豊かになりすぎ、便利になりすぎた私たちの社会が、この見せかけだけの繁栄の中の幸せと引き換えに、失い、犠牲にしてきたものは少なくない。

  私たちの先人が築いてきた、幸せを育む社会が、生きずらい社会に傾斜していったのはいつの頃からなのだろう……。

 

  鈍行列車と厳冬の秘湯は、さまざまのことを思い起こさせ、疲れた気持ちをリフリッシュさせてくれる貴重な旅となります。

                                                                       季節の香り(3)

                     

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「本能寺の変の真相に迫る」... | トップ | 石原都知事発言「やっぱり天... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

季節の香り」カテゴリの最新記事