雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

哀歌 翔よ!! (7) やっと巡り会えた

2014-06-08 20:00:00 | 翔の哀歌

哀歌 翔よ!! (7)

 やっと巡り会えた

照明の落されたコンサート会場の予約席に座った。

 レストランの会場は、30席ぐらいのこぢんまりとした落ち着いた雰囲気で、

静かな時間がゆったりとたゆたっていました。

 6月の梅雨に入る少し前の最初の日曜日の午後、

私は、異質な観客として、照明を落とした会場にいた。

 浜田正さんの「歳を取るのもいいもんだ」。

昨年の12月に、14歳の孫翔を事故で失くしてしまった。

その翔が好きだった歌「歳をとるのもいいもんだ」。

やっとその歌に巡り会えた。

 「あいつが好きだった歌だが、告別式の葬送の歌には使いたくない。

あまりにも悲しくて……」。

耳にこびりついて離れない翔の父親の言葉。

 この会場に来て、「やっとあえるよ!お前の好きだった曲に」胸の内で何度も繰り返し、

翔にささやきかけた。

 浜田正さんの元気な歌声が会場に満ち、会場の雰囲気が一気に盛り上がってくる。

同時に私は、こみあげてくるものを必死でこらえながら、

「翔、お前の気持に少しだけ近づくことができたよ」と語りかけた。

「この短い時間を、おまえと共有できたことをとても幸せに思うよ」。

 

 今日のこの日をセッティングしてくれた、

熊谷様、浜田様、そして大貫夫妻に感謝し、

「お前の優しさが、きっといろいろの人たちと、私たちを結びつけてくれるのだね」と、

星になった翔にささやきかけます。

 

 みなさん本当にありがとうございました。

 今日は翔の月命日です。

「歳をとるのもいいもんだ」を聞きながら、楽しかった日々を思い起こしています。

(2014.6.8)

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