続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『水仙月の四日』33。

2021-10-25 06:31:41 | 宮沢賢治

もうどこが丘だか雪けむりだか空だかさへもわからなかつたのです。聞こえるものは雪婆んごのあちこち行つたり来たりして叫ぶ声、お互の革鞭の音、それからいまは雪の中をかけあるく九疋の雪狼どもの息の音ばかり、そのなかから雪童子はふと、風にけされて泣いてゐるさつきの子供の声をききました。

 丘はキュウと読んで、救。
 雪けむり(雪煙)はセツ・エンと読んで、折(死)に援(引き入れる)。
 空は無。
 雪婆んごは、雪(死)の場、空間。月は雪婆んごの仮装。
 九疋はキュウ・ヒキと読んで、救いを引く力。

☆救いなのか、死に引き入れる力なのか、無なのかさえもわからない究極の混沌。
 この中を死の場、空間が渦を巻くように激動している。
 お互いの革むち(カクと読んで、覚(悟り)の鞭の音、雪(死)のなかをかけあるく救いを引き起こす力の大神たちの切ない声ばかり。
 そのなかから雪童子(死の導師)は風(教え)に諭されて泣いている子供(死の境にいる人)の声をききました。


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