続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『水仙月の四日』55。

2021-11-26 06:38:57 | 宮沢賢治

 まもなく東のそらが黄ばらのやうに光り、琥珀いろにかゞやき、黄金に燃えだしました。丘も野原もあたらしい雪でいつぱいです。
 雪狼どもはつかれてぐつたり座つてゐます。雪童子も雪に座つてわらひました。その頬は林檎のやう、その息は百合のやうにかをりました。

(三人の雪童子は、雪狼をつれて、西の方へ帰つていきました)上記の場所は西の方なのか・・・それとも現世の景色か。

(雪童子らは、めいめい自分の狼をつれて、はじめてお互挨拶しました)という関係。「こんどはいつ会ふだらう。」といい、「早くいつしよに北へ帰りたいね。」という。こここに登場する雪童子たちは《はじめて》といい《いつしょに》という。つまり、一緒にやって来たわけではないらしい。

 東のそらが黄ばらのやうに光り、琥珀いろにかゞやき、黄金に燃えだしました。丘も野原もあたらしい雪でいつぱいです。・・・ここは(来世)だろうか。あたらしい雪というのは来世に来た新しい幽鬼(死人)なのか、再び現世に降った雪なのか…二重の風景は深い景色である。(もちろん普通に読めば、すべてが現実の風景であるけれど)


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