続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『水仙月の四日』32。

2021-10-22 06:23:27 | 宮沢賢治

 雪婆んごの、ぼやぼやつめたい白髪は、雪と風とのなかで渦になりました。どんどんかける黒雲の間から、その尖つた耳と、ぎらぎら光る黄金の眼も見えます。

☆白髪が渦になる…幻想的な大きな空間は、宇宙から地上を覗いたような景色です。
 どんどんかける黒雲の間から…非情な速さ、この激流は異空間、非現実的な様相を呈しています。とにかく時空を超越した景色です。
 尖った耳と、ぎらぎら光る黄金の眼…四日の月。

 西の方の野原から連れてこられた三人の雪童子も、みんな顔いろに血の気もなく、きちつと唇を嚙んで、お互挨拶さえも交はさずに、もうつづけざませはしく革むちを鳴らし行つたり来たりしました。

☆西(冥府)の方の野原(field/物理的力の場、界)から連れてこられた三人の雪童子(死の導師/阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩)も、みんな血の気もなく(青はショウと読んで照/あまねく光が当たる=平等)、きちつと唇を嚙んで(無言)、お互挨拶さえも交わさずに、もうつづけざませわしく革むち(革はカクと読んで覚/さとり)を鳴らし(鳴はメイと読んで、命→申しつける)行ったり来たりしました。


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