二人の話しぶりは極めて卒直であるものの今宵初めてこの宿舎で出会って、何かの口緒から、二口三口襖越しの話があって、余りの淋しさに六番の客から押しかけて来て、名(詞の~)
☆普く図りごとの和(調子を合わせる)。
語句を卒(率いる)自記は、魂の照(あまねく光が当たる=平等)の書である。
宿(前世)の赦(罪や過ちを許すこと)を推しはかる。
業(前世からの悪行の報い)を化(教え導く)講(話)である。
諸(もろもろ)の字の考えや散(バラバラ)の考えに応じることを閲(調べ)和(調子を合わせる)。
世の倫(人の行うべき道)を録(書き記し)判(可否を定める)規約である。
往(人が死ぬ・その後)の鬼(死者・亡霊)の冥(死後の世界)である。
さらにまた、さすがの彼もあらゆる試みを放棄してしまった場合も、一度か二度あった。しかし、Kは、この場合でも、これが見せかけだけの放棄であるか、すくなくとも正当な理由があって些事を投げたのであろうと信じて疑わなかった。
☆計画を試みたが、すべての計画を放棄したことも一度か二度あった。しかしながら、この時も、少なくとも外見上の整理に基づき放棄したのだと信じていた。
Ⅱ-1-4「所有・雰囲気・振動-森のはずれ」のための模型No.9
大地(地上)が空(大気)を被っている・・・地上が大気(空)を内包している。
しかもそ地上は直方体の容器と化している。
地上の直方体化、すなわち人類の横暴である。大地も空(空間)も人類の叡智が総てを占拠し動かしているという現代の錯綜した高慢。
自然界への憧憬、自然界との共存。
人類の叡智をどんなに高く積み上げようとも、空(空間)を封じ込めることはできないことの証明。あるがままの共生である。
森のはずれ…人の手の加わっていない野生、循環としての風景。その領域への侵入は所有であり人の呼吸と自然の風との競合による新しい気流(振動)が生まれる場所であり、計測不能な雰囲気を測る試みである。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館
六番の客は袍巻の袖から白い腕を臂までだして巻煙草の灰を落としては、喫煙ている。
☆録(書き記し)判(区別する)規約の皆(すべて)は換(入れ替えること)を吐く。
腕(能力)の批(是非を判定する)を推しはかる。
換(入れ替えること)の縁(つながり)は総て解(部分部分に分けて)絡(むすびつける)。
吉(良いこと)を掩(隠している)。
頭を部屋のなかにつっこんで、ひそひそと内緒話をしている。おおかたいろんな約束ごとをしたり、このつぎの配分のときはもうひとりの役人のほうにそれ相当の罰をくわえてやるつもりだというようなことを言っているらしい。すくなくとも、敵方のドアのほうを何度もさしたり、疲れたからだに許されるかぎりの声をたてて笑ったりしている。
☆中心人物は、テーマ(問題)に深く入り込み、確かな約束として処罰に応じる小舟を分配をしたが、大勢の人たちは、疲労の許す限りにおいて、敵の企みである小舟を指さし復讐した。
正立方体…人智の構築である、地球原始には正立方体はない。
人智、究極の叡智、研究発明は生活をより豊かに発展させる方向にあるが、発見したために人類を恐怖の底に陥れた《核への畏れ》は構築を揺るがし、世界を破壊破滅させ得る兵器となった。
隠しきれず、隠蔽も難しい。すでに発射の準備はできている。
正立方体にあるテープで隠れた部分は何だろう。発射のためのボタンだろうか・・・。
包むには足りないと思われる下に敷かれた布地のようなもの、収納保存は難しい。地上に鎮座したこの物は、たとえば人智の頂点をなす核であれば、わたし達はその前で打ち震える胸の鼓動を抑えられない。
大いなる振動、地球上もっとも破廉恥な激震はいつ起きるかは不明であるが、発射にかけるボタンはすでに用意されている。人間の手の上に乗っているのである。
作家は言及せず沈黙し世界の揺れを凝視している。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館
二人とも心地よさそうに体をくつろげて、胡坐をかいて、火鉢を中にしてタバコをふかしている、
☆普く図りごとの芯(中心)は字である。
他意の個(一つ一つ)の座(集まり)は、化(教え導くこと)が発(外に現れる)。
衷(心の中)に掩(隠したもの)を総て推しはかる。
たとえば、こんどは書類を要求している役人のほうをもっぱら攻め落しにかかる彼はいつも機械的に仕事をしているにすぎないもうひとりの従僕、からっきし役にたたないこの助手をわきに押しのけ、みずからその役人をくどきはじめる。
☆例えば書類を要求している大勢の人をどうしたらいいのか分からず、いつも機械的な仕事をしている従僕に、全く無価値な助手を押し除け、自ら大群の中に入りこみ小声で説得し始めた。
Ⅱ-1-8正立方体No.4
正立方体とはそもそも自然界には存在しないものであり、人工物である。
人の為した物・・・叡智の結晶、原初の制作物。
この物は、長方形の布地のようなものが敷かれた上に置かれている。その布地の下、正立方体の下部中心辺りから左右に紐が伸びている。
見ると、テープのようなもので補修の跡もある。
これらの光景が作品としての提示である。
要するに人間の作り得たもの、傷あるいは不完全を示す形跡もあるが人は成し得た功績歴史である。
しかし、これを包むもの、隠し得るもの、その実態を完結すべきものの欠如としての紐と布(のようなもの)。結びきれず、被いきれない・・・。
震撼とする現代の事情、わたし達はわたしたち人類の為したものに脅えている。それが何かという決定的な示唆はない。
しかし、現在の最大の課題、原子爆弾などを一考しても肯けるのではないか。
あくまでこの提示は何も語らない、が最大の振動の根源を辿れば行き着く課題である。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館
二人とも顔を赤くして鼻の先を光らしている。傍の膳の上には煖陶が三本乗っていて、盃には酒が残っている。
☆普く図りごとを含むものの釈(意味を解き明かす)。
備(あらかじめ)千(たくさん)の構(しかけ)がある。
謀(計画)の全ては常に談(話)に透(すかして見える)。
算(見当をつけ)翻訳(形を変えてうつす)状態(ありさま)は、拝(神仏などをおがむこと)にある。
趣(志すところ)は懺悔(罪の赦しを乞うこと)である。