ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

からだの仕組み、お金の仕組み:為替問題

2005-03-29 06:38:07 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表


 ここ1週間、米国へのお金の流れが少しずつだが、
他の通貨から米ドルへシフトしてきたようだ。
その結果、1ユーロ=1.29ドル、1ドル=107円
近くまでドルが上げてきたのはそのひとつの証である。

 お金はからだで言えば血液のようなものだ。
血が薄くなる(自国通貨安)になれば元気を失う。
その一方で、血が固まり、血の流れが悪くなると、
血管が詰まり、からだ全体に血液がよどみなく
流れ難くなるから経済(からだ)は低迷する。

 米国経済は食べ過ぎと砂糖の取り過ぎから、
財政と経常合わせて双子の赤字都合
1兆ドル(1ドル=105円として105兆円)
を抱えている。

 その赤字の大部分をファイナンスするために
絶えず海外からの新しい血液を入れて来なければ
ならないからだに成り果ててしまっている。

 そのため、ドル暴落の話しで、2005年はじめで、
ドルはどこまで下がるのかということで持ちきりだった。
それが今、ドル相場はどこまで上がるのかと
為替アナリストははやしたてるのだからなにをか
言わんやである。

 FRB(連邦制度理事会)グリーンスパン議長は、
金庫の番人だが、同時に、米国お抱えの医者の
ような存在でもある。

 米国(患者)は今のところかもしれないが、お医者さん
(グリーンスパン)の言うことには素直に耳を傾けて
いるようだ。

 日本では医者の言うことを信じない患者が
70%もいるそうだだが、安心して病院にも
入れない状態が日々現実味を帯びてきている
事態ははなはだゆゆしき状態だろう。

 グリーンスパン議長への市場(患者の家族)の
信頼は絶大だ。市場と対話も実に見事で、株式市場、
為替市場を操縦していると言って過言でない。

 金融面担当医者として、調子が悪ければ
金利を下げ、体調が良くなれば利上げする
タイミングをねらっていた様だ。

 ただ、利上げはドル相場を支援する面では
良薬だが、行きすぎれば景気を押し下げる点で
毒に早変わりする。

 先週NYダウが大きく下げた。これはこの先
矢継ぎ早に利上げされるとローン漬けの米経済が
破綻するとの読みからだった。

 しかし、その一方で、ドル先安を嫌って原油相場がなど
昨年10月、バレル55ドルの史上最高値をつけ、小休止の
あと、3月に57ドルまで暴騰した。

 ドル安→原油高、原油高→ドル離れ、ドル離れ→ドル安が
進むと輸入インフレから悪性インフレへの予兆が出てきた。
ドル離れがこれ以上進めば患者の命に関わる。

 ドル離れ阻止は至上命令である。米国からのドル流失を
食いとめるには毒ともなるリスクを承知しながらも利上げという
処方しか残されていない。

 3月22日、FOMC(連邦公開市場委員会)は、
連続7回目となる目標金利を0.25%上げ、
年2.75%とし即日実施した。

 米経済誌Business Week最新版は、
米FRBの慎重なペース(Measured Pace)
にGood by(決別)とのタイトルで、次回以降の
FOMCで0.5%切り上げ有るべしと警告した。

 今年に入り、ドル相場は、対ユーロで、
1ユーロ=1.3239ドルから1.2733ドル、
対円で、1ドル=101.70円から
106.85円の範囲で動いた。

 先週1週間でドルは対ユーロで2.7%上昇した。
過去2週間では3.8%上昇した。ドルは対円では
ここ1週間では1.6%上げた。ここ2週間では
2.4%値上がりした。

 外貨準備高に占めるドルのウエートを下げる動きが
中国、インド、ロシアに見られる。米国を大いに刺激
しているのではなかろうか。

 ドル離れ阻止に向けてドル防衛のために、
米国の怒りが利上げ加速の起爆剤にもなりかねない。
 
 米国人は足元を蚊が刺した程度では鷹揚なものだ。
ところが米国と言う国は、血のニオイを嗅いだり、
咽元を食いちぎられるとの危機感をもてば
何をしでかすか知れたものではない。

 たかが為替と見過ごしできぬ危うさを感じる次第である。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする