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クリントン米国務長官、来月ミヤンマー訪問、50年振り、欧米からアジアへの流れの変化の象徴か

2011-11-19 10:35:50 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)


「コロンブスは1451年10月31日に生まれた。彼は1492年にアメリカを発見した。560年経った今、アメリカは、イタリアとスペインの人質になっている。」これは19日のWSJ紙電子版に掲載されていたツイッタ―の書き込みである。アメリカ人は欧州金融危機にうんざりしている気持ちの一端がツイッタ―の書き込みに正直に出ている。

アメリカの経済専門ニュ-スの米ブルームバーグの日本時間19日朝の放送では、アメリカの経済統計はそれほど悪くない。民間調査機関コンフエレンスボード消費者信頼感指数も予想外に良かった。ただ、ヨーロッパ問題が、釣針がのどにひっ掛ったように、NY株式市場に悪影響を与えていると解説していた。加えて、米議会での民主・共和が「お互い責任をなすりつけている」ために米国予算審議が進まないと「ワ―ルドWaveMorning」が伝えていた。米議会にもアメリカ人はうんざりしているに違いない。NYダウは前日比25ドル高、11,796ドルで取引を終了したが今週通しで見れば2.9%値下がりした。

今朝のWSJ紙電子版は、ECB(欧州中央銀行)の国債買い上げを巡り、ドイツとその他の国と間での亀裂が依然収まっていないことを詳しく報じていた。ドイツZDFは、ECBがスペイン国債の利回り上昇を食い止めるために債券買い上げを実施した。その結果、スペイン国債の利回りは、7%寸前から6.44%まで低下した。しかし、スペイン、イタリアの国債を買い続けると中央銀行に対する信頼が根底から崩れると語るEUバロード委員長の演説の様子を写していた。ドイツの考え方を反映した動きと思われる。

ドイツZDFはドイツ訪問中のカメロン英首相がメルケルドイツ首相との会談の後の記者会見で「ドイツが提案している金融取引税の導入はイギリスだけが反対しているのではない。世界の金融システムが機能しなくなるためだ」と絶対に受け入れられないと語った。一方メルケル首相は「金融危機のコストは応分に負担すべきだ」とカメロン首相に反論する様子を写していた。ドイツはECB(欧州中央銀行)が歯止めなく紙幣を印刷、問題国の国債を買い続けることに反対している。ドイツはEFSF(欧州金融安定化基金)から青天井で資金救済することにも反対している。

トルコ国営テレビTRTはトルコのEU加盟問題を取り上げ、トルコ訪問中のEU貿易担当相が「EUはテロとの戦いにおいてトルコを支持する。シリアでの虐殺が終らなければ、何らかの手を打つ必要がある。飛行禁止地区の設定も選択肢にある」と語ったと紹介していた。カタ―ル、アルジャジ―ラはシリアで反政府デモ隊18人が死亡したと伝えた。フランスF2は、アサド大統領退陣要求で数千人がデモ行進した。ロシア、プーチン首相はシリア政府に対して「過激な動きを止めろ」と語ったと紹介していた。フランス、ジュべ外相は「3500人の反政府デモ隊の死者が出た。2万人が投獄されている。国連安保理は何も表明しないのはおかしい」と語ったと紹介していた。

フランスF2は今年も1800万本のボジョレヌ―ボーが生産される。その内40%が日本などへ輸出される。フランスでは80~90年代がブームだった。いま需要は半分に落ちていると語る農園主の話や「おいしくないので当店では一切扱わない」と語るレストラン店長の話を紹介していた。「作り上げられた世界」が浮き彫りにされている。水を掛けるつもりはないがご当地のフランス人が冷めた目で見ている姿が面白かった。

今朝のニュ-スでは、クリントン米国務長官が来月ミヤンマーを訪問するとオバマ米大統領が語ったアセアン会議のあとの記者会見での発表に驚いた。ミヤンマーは2014年アセアン議長国を務める。アメリカは流れの変化に素早く反応した。欧州金融危機、米議会の責任なすり合いと来て、最後はミャンマーのニュ-スである。欧米中心で歯車が回っていた世界が、アジアの時代へ静かに動いて行く予感がする。(了)

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