舞妓さんIII
江嵜企画代表・Ken
土曜日は山科での猪熊佳子日本画教室で来年の干支、竜の色紙の指導を
受け、昨日の日曜日は舞妓さんのスケッチ教室が京都四条河原町であり、
2日続けて「経済学」はお休みさせていただいた。
山科にある毘沙門堂へ向かう観光客で雨にも関わらず大勢の人がJR山科
駅はごった返していた。なんでも東京で盛んにテレビコマ―シャルを
流しているらしく、その影響ではないかと教室で話題になっていた。
土曜日はブータン国王夫妻が京都を訪問され、金閣寺をバックにご夫妻に
管長の有馬頼底さんが案内されている様子がその日の夕刊に出ていた。
日曜日は好天に恵まれた。京都は紅葉狩りであろうか、JR京都駅も地下
鉄も人で一杯、いつものことながらどこが不況かと京都を訪れるたびに
感じる。
舞妓さんのスケッチ会には12~3人が参加していた。教室は午後1時半か
らはじまる。たまたま時間前に着いた。この日のモデルの舞妓さんが教
室ロビ―で待機しておられたのを幸いに、お話しを伺っていいですかと
声を掛けた。
「どうぞ、お聞きやす」、と笑顔で答えてくれて、ほっとした。ありき
たりの質問だったが、舞妓さんになられた動機を尋ねたら、祖母さんが
舞妓さんだったこと、保育園のころに大きくなったら舞妓さんになりた
いと思ったと答えてくれた。
舞妓さんの簪(かんざし)には前々から興味がある。「お好きなものを
差しておられるのですか」と伺ったら、意外にも「決まりがあって、
ひと月ごとに変わり、その間は自分勝手に変えられません」と答えてく
れた。
この日の簪は紅葉、松葉、松ぼっくりだそうで、意外に地味だなと思った。
ひとしきりスケッチが進んだ後の休憩時間に聞いたら、お姉さんに行けば
いくほど地味になります。派手な簪は妹に送っていきますと話してくれた。
お稽古は大変だと聞いていますが、と水を向けたら、「そうどす、朝は
4時半起床、お稽古はきつおす」との返事がすぐにかえってきた。満奈葉
(まなは)さんといい、今年、お姉さんになったと話していた。きりり
とした顔立ちが強く印象に残った。
スケッチは、20分描いて10分休憩を繰り返す。途中、30分休んで、
また続け、5時で終る。①スケッチのみ、②個別指導を受ける、③舞妓さん
入れて食事をすると3コースある。
筆者のような新参者でスケッチのみで帰る生徒は少ない。プロ同然の方
もおられる。教室がピーンと張り詰めた雰囲気なのが実にいい。はるか
道のりは遠い。しかし、舞妓さんのスケッチ会があることを紹介して
くれた日本画教室のFさんに感謝している次第である。(了)