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デキシア国有化をフランスF2が示唆、欧州金融危機は日本人にとって他人事か?

2011-10-06 12:29:02 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



「欧州のリーダーが銀行救済に真剣になってマーケットのセンチメントが明らかに改善した」と6日付けのCNBCAsiaMorningBriefにGinny-AnnGoh氏が書いた。ドイツメルケル首相が銀行の資本増強に動く用意があると語った。英フィナンシァルタイムズによれば欧州の金融機関が総額2000億ユーロの資金ショートに陥っており金融監督庁が調査に入った。ECBとイングランド銀行総裁が木曜日午後声明を出す予定であるなどと書いていた。

5日のNY株式市場は、欧州金融機関に対する支援が具体化しつつあることと米国経済指標に改善の兆しが見られるとして、NYダウは前日比131ドル高、10,939ドル高で取引を終了した。今朝の「ワールドWaveMorning」に出演した米みずほ証券、大宮弘幸氏は「IMF,EU当局がヨーロッパ債務危機に備えて銀行の資本増強に動いた。米民間調査機関ADPが9月の米民間部門の雇用が91,000人に増加したと発表したことなどから過度な悲観が改善した。NY原油{WTI}相場が、原油、ガソリンの在庫が共に予想に反して大幅減少したと伝えられ、前日比バレル4.1ドル高、79.68ドルで取引を終了した」などと解説していた。

CNBCの今朝のテレビを見ていたら、この日は金、銀、プラチナ、小麦、大豆など商品相場も反発したと報じていた。金相場はトロイオンス25.60ドル上げ1,640ドルで取引を終了、プラチナも17ドル上げて1,489ドルまで戻したが、プラチナと金が完全に逆転、プラチナの戻りが鈍いことを伝えていた。需要の半分を自動車用途に左右されるプラチナとほぼ純粋に資産投資が相場を決める金相場との差がわかりやすく出ている。

今朝のドイツZDFは「欧州首脳が、ようやくベルギー、フランスに本拠を置くデキシア銀行救済に動き出した。一方、アテネでは連日、政府による緊縮施策実施に反対するデモが行われている。5日にはついに流血事件にまで発展した。10月14日に予定されているEU首脳会議が注目される」と伝え、「金持ちから税金を取れ」と叫ぶ市民の声を紹介していた。

フランスF2は「デキシア(Dexia)銀行は、リーマン倒産の際の不良債権を今も当時のまま抱えている。その後ギリシャ国債、ポルトガル国債に手を広げた。ギリシャ危機の最初の犠牲者なりそうだ。国有化されるだろう。多くの関係者はデキシアの実態は以前から分かっていた。デキシアは年末償還分で、ギリシャ債34.6億ユーロ、ポルトガル債19.7億ユーロ、イタリア債150億ユーロを抱えている」と解説していた。

日本ではギリシャ問題もヨーロッパ金融危機も他人事である。喫茶店でも話題にならない。一番身近な年金基金が債券や株で資金運用している事実さえ関心を持たない。その意味ではIMF,EU,ECBから入金がなければデフォルテ(債務不履行)になると言われても、EUが我々を見捨てるはずはないと高をくくっているギリシャ国民と体質的に同質かもしれない。

お金は経済の血液と同じである。血液は酸素と栄養をからだの隅々まで運んでいる。脳梗塞、脳血栓はいずれも血液が脳へ送りこまれなくなった時に起こる病気である。デキシア銀行が倒産の危機に直面していることも資金ショートした結果である。いつまでもあると思うな親と金。今世界で大変なことが起こっていることを、自分自身の身近な問題として、政治家もマスコミも今少し真面目に受け止めて欲しい。(了)

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