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ギリシャはEUのアキレス腱、日本のそれは原発、メルケルは動いた、日本の政治家の真剣度が

2011-06-19 08:16:40 | 経済学
全く伝わって来ない(学校で教えてくれない経済学)



メルケル、ドイツ首相は、18日、サルコジ、フランス大統領と会談、ギリシア支援継続を確認したと18日付けのWSJ紙が伝えた。最近の電子版の記事には、ビデオというスポットがあり、クリックすればテレビ画面が現れ、記事のバックグラウンドを詳しく解説してくれるから理解が一層深まる。「ショート・タイム」(当面)という言葉がしばしば出て来た。

ドイツはここ6週間、ギリシャに対して、頑なに自ら財政改革を進めなければ援助出来ない。ギリシャ救済には民間企業、特にギリシャ国債を大量に抱えている金融機関も応分の負担すべきだと主張していた。ただ、ギリシャ国債の相場が急落、10年物国債の利回りが18%台まで急騰したことから、「ギリシャ危機が長びけば長びくほど、ドイツ自身にとっても負担が増える。事態のこれ以上の悪化を食い止めるために、「当面」の措置として、サルコジ、メルケル会談を開き、「鎮静化」を図ったとWSJ紙は解説していた。

格付け会社ムーディーズが、18日、イタリア国債が「危険な状態にある(in jeopardy)」と警告した。人間の体にも色々な臓器がある。EU(欧州共同体)は27の国{臓器}から成り立っている。ギリシャが仮に「盲腸」としても、放置すれば破裂して「腹膜炎」を起こし、命に関わる。その他の「臓器」アイルランド、ポルトガルの国債の利回りは既に、11%前後まで上昇している。「利回り」と言えばピント来ない。じわじわとその他臓器にも「腫れ」が広がって来ているのだと捉えれたらいい。なぜ腫れるのか。臓器が炎症を起こしているからだ。他の「臓器」に「腫れ」を拡散させないためにもギリシャ支援(治療)が急がれた。

ここでまたイタリアまでおかしくなると、寄り合い所帯のユーロ全体が破たんする。ドイツ{心臓}とフランス{肝臓}が丈夫でも油断できない。メルケルがそう判断してもおかしくない。
しかし、メルケルは、「なぜドイツ国民の負担がさらに増えるギリシャを支援するのか」と言い続けるドイツ議会での反対勢力を説得する「宿題」を抱えている。ただ、IMFもドイツの動きに呼応して「ギリシャを支援する」と18日、同時発表した。メルケルを助けるためのあらかじめ用意された「処方箋」だったと思われる。

18日、ヨーロッパ株はメルケル、サルコジ会談後持ち直した。1ユーロ=1.40ドル割れ寸前まで下げていたユーロ相場も1ユーロ=1.43ドル台まで急回復した。ギリシャ、パパンドレウ首相が氏のライバルを財務相に入れる内閣改造に踏み切った。成果のほどは未知数だが、これもまたあらかじめ用意された「処方箋」に含まれていた「筋書き」だったと思われる。

ただ、病気は本来自分で治すものである。病人{ギリシャ}自身が病気を治す気がなければいくら名医が治療しても命は救えない。患者、ギリシャにその気があるかないか。いまひとつはっきりしない。だから今回のメルケル、サルコジ会談に、「当面の」とか「一時的」とかいった「枕詞」が、「くっつき虫」のようについて回るのであろう。

ギリシャはヨーロッパのアキレス腱である。日本にとってはそれは原発問題であろう。政治家が党利党略にうつつを抜かしている場合でないと思われるが、日本の政治家の真剣度が全く伝って来ない。静岡のお茶がパリの空港の放射能検査で,欧州基準を上回っていたとして、税関で廃棄処分されたと昨夕のNHK/BSニュースが伝えていた。先にドイツで「もやし」の風評被害で欧州の野菜農家は甚大な被害を受けた。静岡産茶の一件が「アリの一穴」にならないためにも、今回の出来ごとに、日本政府は全神経を使って欲しい。(了)

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