7月6日 ストレステストと菜の花プロジェクトが結局ダメな理由 小出裕章(MBS)
小出:ストレステストというのをやると言ってるのですね。でもそれは多分、私は初めてそのストレステストという言葉を聞いたのですが、多分出来ることはコンピューターのシミュレーションです。ただコンピューターのシミュレーションなんてことは要するに想定してインプットしないことはもちろんなにもしないわけですし、要するにもともと想定外のことは想定外になってしまうのですから、まあ私から見ればやる価値もないようなものだと思います。で結局まあ安全委員会、安全保安院のですね、まあやりたいようにやって結局は安全でしたという結論を出すんだろうなと、今までの流れを見てると私にはそう思います。
ストレステストとは
経済
ストレス・テスト(stress test 「健全性検査」)とは、銀行や国家などの経営内容が安全かどうか調べる検査である。通常の検査と違い、「経済成長率がマイナス5%」「通貨相場が10%上昇」「国債価格が30%下落」などの検査相手にとって不利な仮定(ストレス)を設定し、その結果として自己資本比率(銀行)や経常収支赤字の対GDP比(国家)などが基準内に収まるかどうかを判断する。健全性検査により、市場や投資家の漠然とした不安を解消することが出来る。
しかし健全性検査に合格することは、完全に不安を解消することにはならない。まず、健全性検査の判断基準は事前に公表されないのが普通で、結果を左右できる。さらに健全性検査に合格しない場合に監督責任が問われ救済措置や財政圧縮が必要になることもあるので、内容や結果が操作されかねない。
機械・電気・IT
『負荷検査』 元々電気製品・部品で耐久性を調べるために、定格以上の電圧、電流、外部温度、震動を上げてテストしている(特にコンデンサーは高温に弱い)。半導体ではオーバークロック動作も使われる。自動車、鉄道などでは速力や負荷(重量)を上げるのが一般的である。日本製品の優秀性はその中で育てられた。逆にアメリカでは国土の広さと多様性を受け、自国で販売することでテストに合格したことにした。
しかし、運転中の原発に、実際に巨大な地震や津波の不可を掛けられるはずがないので、
「コンピュータによるシュミレーション」しかないだろうし、
発電用軽水型原子炉施設におけるシビアアクシデント対策としてのアクシデントマネージメントについて
と大して変わらないのではないだろうか?
NHKによると、
EUのストレステストは、電力会社が行ったシミュレーションを、各国の原子力の規制機関がチェックし、さらに、別の国の専門家などによって相互評価する、3段階で行われます。現在、運転中の143の原発すべてについて6月からテストが始まり、電力会社の評価が来月15日までに、国の機関による評価が9月15日までに行われ、最終的に来年4月までに、相互評価を終えることになっています。ストレステストを巡っては、先月開かれたIAEAの閣僚会議でも世界のすべての原発で緊急に行う必要があるという認識で一致しています。
「電力会社が行ったシミュレーションを、原子力の規制機関がチェックし」では、「ああそうですか。これで絶対安全ですね」でおわりでしょう。
そもそも、我が国に「原子力の規制機関」は存在するのだろうか? 原子力安全・保安院は規制機関? 原子力安全委員会は? 「原子力村の御用聞き」か「下請け」に過ぎない。
「別の国の専門家などによって相互評価する」が、実際に可能か?
また、ストレステストを実施しても、十分な対策が用意され、確実に実行する体制が出来なければ、「なんの事やら?」となってしまいます。